図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

『空海の本』

2006-11-30 | 本の紹介
虚空尽き
衆生尽き
涅槃尽きなば
我が願いも尽きん  『性霊集』

空海の言葉です。
虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)で得た体験を全うし、自他を救うことを願った空海の言葉です。

私図書館屋は空海に深い造詣があるわけではありません。ただ、我が故郷四国は四国八十八カ所の場であり、ここはまさに空海=弘法大師ゆかりの場所です。また、空海が修行し神秘体験を得た大龍寺や、山岳修行したと伝えられる岩屋寺などは特に私図書館屋馴染みの寺なのです。
そういう訳で『空海の本』という本を書店で見たとき、この本は既に買う運命だったのでしょう(大げさですが・・・)。「Books Esotericaシリーズ」の1冊ですので、研究書ではありません。むしろ場合によっては眉唾的なものと見られる部類かもしれません。
しかし、最新の研究成果を紹介しつつ、実在の空海と伝説秘説と切り分けて考察したり、密教の修法が詳しく解説されていたりと結構面白かったですね。
もう一冊、以前読んで面白かったのが、『空海の本』にも文を寄せている竹内信夫東大教授が思いっきり自分に引きつけて書いた『空海入門』です。好き嫌いはあるかと思いますが、生身の空海に絞って書きつつ、空海への想いがひしひしと伝わってくる本だと思います。

空海の本―密教最大の聖者の実像と伝説を探る 空海の本―密教最大の聖者の実像と伝説を探る

学習研究社 2006-11
売り上げランキング : 73574

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
空海入門―弘仁のモダニスト 空海入門―弘仁のモダニスト
竹内 信夫

筑摩書房 1997-05
売り上げランキング : 287810
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の出来事(11月29日) | トップ | 館内整理日 »
最新の画像もっと見る

本の紹介」カテゴリの最新記事