図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

『ヌルロン星人をすくえ!』

2007-01-11 | 本の紹介
第23回福島正実記念SF童話賞大賞を受賞した作品。
31世紀の小学生「おさむくん」が主人公。「おさむくん」は校外学習で、滅亡に向かっている星を救いに行くことになりますが、意地の張り合いの末選んだのはなんと「レベル10」の星。これは中学生でも難しいレベルです。しかたなく愛犬チャッピーと「おさむくん」が赴いた「レベル10」のヌルロン星は、一見問題のない星のように見えました。
小学生3年生~6年生くらい向けのSF童話。科学的な厳密性よりも、ラストの意外性に重点を置いた作りで、文明が発達しすぎてすべてコンピュータに頼って生きるヌルロン星人にやる気をどうやって起こさせたのか、この一点にかけたと言えるでしょう。
このあたり、私図書館屋が高校生時代に読み漁った星新一の作品を思い出してしまします。私図書館屋的には星新一と比べて読んでしまい、もうちょっとウィットが効いているといいなあとか思ってしまいますが・・・。
ファンタジーはよく読まれますが、SF童話が最近あまり元気がありません。そういう意味でもこういう作品に頑張ってほしいと思うのでした。

ヌルロン星人をすくえ! ヌルロン星人をすくえ!
千東 正子

岩崎書店 2006-11
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