ミモザの花咲く庭から

一期一会に感謝     写真中心のブログです

お題は「静」

2014-01-22 | Weblog
          先週皇居で行われた歌会始の中から・・・

         み遷(うつ)りの近き宮居に仕ふると瞳(ひとみ)静かに娘(こ)は言ひて発(た)つ    皇后陛下

             伊勢神宮遷宮の折の臨時祭祀を務められた黒田清子さんを詠んだお歌と思います。
             ご結婚されてから映像などでお見かけすることはなくなったけれど、母と娘の交流はあるのでしょう。
             大役を果たすべく伊勢へ出発する娘の決意を、母、皇后さまは揺らぎない静かな瞳の中に見ておられ、
             きっと安心して送り出された事だろうと思います。
                                          


         歳月はその輪郭をあはくする静かに人は笑みてゐるとも         選者  永田和宏

             作者は結社『塔』の主宰である。
             三年ほど前だろうか奥様の河野裕子さんを亡くされている。
             “人”とは生者であるのか・・・?
             私はどうしても奥さまの顔をだぶらせてしまうのだけれど・・・。
             何人もの人を見送ってみると、たしかに元気だったころの姿や声など
             忘れてはいないのに輪郭はきちっとした形にならない。
             実体に近いものを望んでも、日毎におぼろになってゆくもの。
             死者と関連付けての鑑賞が合っているかは分からないし、
             そう限定しなくても遠く離れた人もまた同じかもしれない。
             陽だまりの中にほほえむおばあちゃんの姿だっていい訳である。
             こころに響いた歌でした。
                                            
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 流行り病いを防ぐ | トップ | うさぎのコースター »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿