**ももくり日記**

なんでもない日常が大切で・・・

CatCatCat

究極の決断

2007-10-12 | ねこ
さて、今日は重い話になりますので、暗い気分は嫌!という方、はずして下さい。

ぐしゅぐしゅ4兄弟は、入院させた子を入れて残り2匹になった。
最後までお外で粘った1匹は白ぶち子。
おばさんの家の猫達の仲間に入れてもらい、少し状態もよく、
鼻も利くのでご飯も食べている。
できれば一緒に入院させて戻すことを考えていた私は、毎日捕獲の
チャンスをうかがっていた。なにせ素早い子。
ま、でも逃げる元気があれば大丈夫かなぁ。とも思いつつ。

そして夜、ご飯をあげているスキに、オットが首ねっこをつかむと、
だらーん。お?無抵抗。成功した!やた!
喜び勇んで、病院へそのままかけつける。
段ボールの中で非常におとなしくいい子にしていた。今まで
つかまらなかったのが嘘のよう。時々にょき!っと段ボールから
顔を出す。

病院は混み混みで、10時を過ぎてようやく順番。
「実は、ちょうどお話がありまして・・」と先生。どきーん。
レントゲンがはられる。入院させた子に先天性奇形が発見された。
「横隔膜ヘルニア」
簡単にいうと、心臓とほかの臓器を隔てている横隔膜に穴があき
臓器が上の方に流れてきてしまうという病。
おとといから心臓が圧迫されて呼吸は荒く、ご飯も排泄もままならない状態。
うんち(小腸内)が胸のほうまで流れてきちゃってるし、肝臓が心臓を圧迫という
ありえない体内レイアウト。

このまま放っておいても、突然死。
手術の成功率は10%、奇形の場合は穴が大きいので
ふさぐのに極めて成功例が少ないということ。
私はね、こういう究極の選択は、もっと先の先の将来に用意されているもの
だと思っていた、正直本当に言葉が出なかったです。

いずれにしても限りなく死に近く、手術を選択すれば
今生きてるこの子を、今夜死なせてしまうということもある。
「今夜」である。でもこのままでもご飯も食べられず衰弱していくだけ。
麻酔に耐えられるのか、手術をもちこたえられるのか。
また、穴の大きさ、血管の癒着などは開腹してみなきゃわからない
わけで、もうこんな運試しみたいなこと、耐えがたかった。
だって、私たちが選択するのだから。

オットはしばらく考えたのちに言った。「手術お願いします。」
では入院中の子猫の顔を見てあげてくださいと、先生がつれてきた。
ウィルス、エイズは陰性。ここまで頑張ったのになぁと
思うと、悔しくて涙があふれた。
確かに呼吸は数日前よりかなり荒い。でも人懐っこさは変わらず、
そして連れてきた兄弟の白ぶち子がわかったのか、
すりすりと互いに挨拶をする。

白ぶち子は1キロ超えていた。この子も検査入院させて
少し状態をよくして戻すということで先生にお願いしてきた。
もちろん、里親探しもあきらめていない。

そのまま2匹は、診察室の奥へ連れていかれた。
がっくり肩を落とし帰る私たち。

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手術が終わるまで、自宅で待つ時間が長かったです。
とっても。
仮に、穴がふさげないほど大きくても、そこで安楽死ということ
にはせず、圧迫している臓器を戻し、麻酔をさまさせてあげる
方向で、と先生は言っていた。呼吸は確実にラクになるはずだから
今よりはいいのだろうけれど、臓器を移動なんて、
人間でも相当きついんじゃなかろうか?
そこまでする必要があるのか?でもご飯も食べられず
うんちもつまって死にゆくのも地獄だ。

この子はこういう運命で、きっと捕獲していなければ、
あのときに鼻水がつまって、ご飯が食べられず、
ヘルニア起こしてひっそり外で死んでいたのだろう。

それを思うと、どっちがよかったとは決して言えないけれど、
少しでも人に慣れ、ご飯を食べ、あたたかいところで
亡くなるほうがよかったかも知れない。などとむなしい考えで
自分を慰める。

手術が終わったのが2時前で、ひとまず臓器が流れない
程度に穴をふさぎ、血管の癒着もなし。
ここ2.3日がヤマだということである。
彼の持つ運が強い事を祈り、
なんとしてでも助かって欲しいと、今私が思うのはそれだけである。
そして、いずれにしてもこの子は完治はなさそうなので、
この先、外に戻す可能性はなくなったということでもある。

最近、ダルのこともあって思うんだけどね、
動物と関わるということ、動物をかわいがるということは、
彼らの生を丸ごと受け入れるということ。わかってはいても、
それが思いのほか最終の場面で、
大きく重く辛いものであるということを、私は改めて感じているのである。
いずれにしても、ノラ、家、関係なく、関わった以上、
できる限りのことを、まっとうするだけなのだ。
ツヨクナリタイ。