みまわりさん

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ルンルンをよろしく。

二十四の瞳から・・・

2005-08-03 | 

テレビで「二十四の瞳」が放送されました。
とても心に残る作品です。

小学三、四年のころに、この映画を観たことがあります。

子供たちの、先生を慕う、こころ。
先生の生徒を思いやる優しい気持ち。
戦争の痛み。
いろーんなことを考えさせられるドラマです。

この話しを思うとき、いつも小学校の担任の先生が思い出されるのです。

5年生の頃。
朝の教室はいつもと違う空気が漂っていました。
緊張した雰囲気。

先生は少し怖い顔で私たちの前にいました。
そして、先生は強い口調でおっしゃいました。

「けさ、縄跳びの縄で2階の教室に昇ろうとした人、前に出ていらっしゃい!」
「2階から縄を持っていた人も出ていらっしゃい」
「それから、周りで見ていた人も全員、前に出ていらっしゃい」
ぞろぞろ、十人ぐらいのクラスメイトが頭をうなだれて並びました。

先生が怒っていらっしゃることは直ぐに分かります。
なにも知らなかったわたしは、ただ、ただ、緊張のなかにいました。

そして、先生は私達に話しました。
あの細い縄跳びの縄で2階に昇ることがどんなに危険なことかを。
落ちたらどんなことになるのかを…

声を震わせ、強く、強く私達にそのことを教えました。

静まりかえった教室。

前に並んだ友達は、みんな今にも泣き出しそうでした。

そして、先生は並んでいる友達の前に行き、その頬を一人ずつ、平手で叩きました。
2階に昇ろうとした友達は、先生の手のひらをサッとよけました。
先生は、その子の両方の頬を叩きました。
涙をこらえて叩きました。

そのとき、初めて私たちは感じたのです。
その遊びがどんなに危険なことだったのかを。

そして、先生はなんとか私たちに、そのことを教えたかったのだと思います。


…クラス会があると、必ずそのことが話題になります。
もう、何十年も経っているのに。
今は笑い話です。
でも、その話題に話しが進むと先生は必ずおっしゃいます。
「もう、その話しはやめてー」と。

みんな、先生の愛情をしっかり受けとめていたのです。

そしてもちろん、その時、どの親も先生が子どもを叩いたことを問題にする人はいませんでした。

今の子ども達は、心に残る先生に出会えているのだろうか?
先生は子ども達と心の交流ができているのだろうか?

二十四の瞳から、また思い出してしまいました。


長い文になってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとう。
二十四の瞳