洋楽レビュー/感想。
雪融け/新たな草木の芽生え/花や草木の香り/やさしいそよ風などなど、
冬の終わり/春の訪れを髣髴とさせ、
自然の息吹や営みや雄大さや儚さを感じる、
質実剛健でピュアで幻想的で美しい、
ポストブラック/ブラックゲイザー風味が極僅かに残る、
ポストロック/シューゲイザー作品。
◆Alcest - Shelter
前作は良いんだけどなんか物足りなかったのもあり、
メディアやファンの評価もイマイチぱっとしなかった、
Alcestの通算4枚目の作品なんですが、
この作品は違いますよー!
前に歩き出した/垢抜けた/一皮剥けた感じが明白にあり、
雪融け/新たな草木の芽生え/花や草木の香り/やさしいそよ風などなど
冬の終わり/春の訪れを髣髴とさせ、
穏やかな日差しや暖かさを感じると同時に、
自然の息吹や営みや生命力を感じるので、
今までに無いような前向きさがありますし、
聞いてるとぽかぽか&じんわりと暖かくなりつつも、
どこか寂しく/切なくもなるような、
清清しくも幻想的で儚くも美しく壮大で穏やかな雰囲気に包まれており、
日本の場所で例えるなら屋久島や樹海のような、
神秘的で壮大で深遠な雰囲気もあり、
ポストブラック/ブラックゲイズシーンを代表するバンドに上り詰めた、
Deafheavenの去年の作品が荒削りな部分はありつつも熱量と力と勢いで一気に圧倒したなら、
Alcestの今作は派手さや即効性が無くて分かり難い作品かもですが、
円熟味溢れる巧さと深さで聞いてる内にじわじわと圧倒されていく感じになっていて、
実に味わい深くて奥深い。
前作のフォーク/トラッド要素を残し(深化させ)つつも、
2ndや3rdにあったブラックメタルの凶暴な側面はほぼ無く、
ドリームポップ的な側面が聞けたりするので、
脱メタルしたと言われても仕方が無いような内容ですが、
ギターの轟音パートやアルペジオのアプローチなど、
根っこの部分には少ないとはいえメタル成分があり、
楽器の演奏は派手さが無くシンプルですが、
随所で巧さ溢れる緩急の効いた演奏が聞け、
手堅くまっすぐで誠実さを感じるので「質実剛健」な印象があり、
曲の雰囲気と巧くあってますし、
メロディーと曲の構成自体はシンプルというか在り来たりな感じですが、
楽器の鳴り/響き方やギターの歪み具合や、
音の奥行き感や音の重ね方や空間の生かし方やリヴァーブ具合や明暗の付け方などなど、
サウンドプロダクション/音響面/アレンジが実に見事で深く、
ただのポストロック/シューゲイザー作品になった訳ではなく、
今までの集大成的な雰囲気がありますし、凄く成長や深化を感じます。
そして今作は1stに最も近い作品でありながら最も遠い作品でもあるんですよねー。
音的にはメタル色が薄いのもあり1stに最も近いですし
似たような雰囲気…子供の頃の情景を思い起こさせるような雰囲気がありますが、
1stが過去を惜しんで懐かしむような幻想的な作品であったのに対して、
今作はそれに加えて現実や自然の厳しさや虚無感みたいのも感じますし、
同時に静かに燃え上がる炎のような力強さやポジティブさや生命力がある。
つまり表現している先にあるものが全くの正反対であり、
聞き終えた後に残る物が大きく違う。
AgallochやWolves in the Throne RoomやLes Discretsなど、
似てる事をAlcest以前や同時期にやったバンドは居たとはいえ、
非メタルの音楽メディアが多く取り上げたように、
シーンに「ポストブラック/ブラックゲイズ」というジャンルを、
鮮烈に印象付けたのはAlcestの1stです。
去年のDeafheavenの作品も、
現状のブラックメタルというジャンルに風穴を開けましたが、
最初に目立つ形で既存のブラックメタルというジャンルに風穴を開け、
ブラックメタルとシューゲイザーというジャンルに橋を架けたのは、
Alcestの1st「Souvenirs D'un Autre Monde」であり、
高い次元でブラックメタルとシューゲイザーを融合させ、
後に「ブラックゲイズ」と呼ばれるジャンルを完全にシーンに根付かせたのは、
2ndの「Ecailles De Lune」です。
そしてAlcestは今作品で同系の、
バンドやフォロワーが簡単には追いつけないような、
一種の高みに上り詰めてしまった。
自身で作ったポストブラック/ブラックゲイザーという、
ジャンルの音楽を完結させてしまった感がある。
Deafheavenも2ndでポストブラックというジャンルを超越して、
ネクストステージに行った感ありますが、
Alcestは1stで一度新たなネクストステージを作って、
2ndでブラックメタルに回帰して別のステージに行き、
今作でさらに別のステージに行きましたよ…
ぶっちゃけ、まだ中途半端(突き抜けてない)感を覚える人も居ると思いますし、
コアなメタルファンや2ndが突出して好きという人は満足しないかもですが、
今までの作品が好きな人なら成長が感じられる良作だと思うし、
素直に良いポストロック作品だと思うので、
今作のプロデューサーが手掛けてるSigur Rosの作品が好きな人、
Mogwaiの「Young Team」より「Rock Action」が好きなポストロックファンには特にお勧めです。
ちなみにDL販売は安い&ボートラもあるのでパッケージに拘らないならお得ですよ。
次作はどう変化/進化するのか今から楽しみ。
PS
振り返ってみると2000年以降に発表したブラックメタルという要素がある作品で、
Alcestの1st以上に音楽シーンに影響を与えた作品ってないかも…
ただ、これからDeafheavenのフォロワーがたくさん出てくるでしょうから、
5年後にはDeafheavenの2ndがそうなってそうだけどw
PSのPS
CynicもAlcestに続いて新しいステージに行ってるといいな…
雪融け/新たな草木の芽生え/花や草木の香り/やさしいそよ風などなど、
冬の終わり/春の訪れを髣髴とさせ、
自然の息吹や営みや雄大さや儚さを感じる、
質実剛健でピュアで幻想的で美しい、
ポストブラック/ブラックゲイザー風味が極僅かに残る、
ポストロック/シューゲイザー作品。
◆Alcest - Shelter
前作は良いんだけどなんか物足りなかったのもあり、
メディアやファンの評価もイマイチぱっとしなかった、
Alcestの通算4枚目の作品なんですが、
この作品は違いますよー!

前に歩き出した/垢抜けた/一皮剥けた感じが明白にあり、
雪融け/新たな草木の芽生え/花や草木の香り/やさしいそよ風などなど
冬の終わり/春の訪れを髣髴とさせ、
穏やかな日差しや暖かさを感じると同時に、
自然の息吹や営みや生命力を感じるので、
今までに無いような前向きさがありますし、
聞いてるとぽかぽか&じんわりと暖かくなりつつも、
どこか寂しく/切なくもなるような、
清清しくも幻想的で儚くも美しく壮大で穏やかな雰囲気に包まれており、
日本の場所で例えるなら屋久島や樹海のような、
神秘的で壮大で深遠な雰囲気もあり、
ポストブラック/ブラックゲイズシーンを代表するバンドに上り詰めた、
Deafheavenの去年の作品が荒削りな部分はありつつも熱量と力と勢いで一気に圧倒したなら、
Alcestの今作は派手さや即効性が無くて分かり難い作品かもですが、
円熟味溢れる巧さと深さで聞いてる内にじわじわと圧倒されていく感じになっていて、
実に味わい深くて奥深い。
前作のフォーク/トラッド要素を残し(深化させ)つつも、
2ndや3rdにあったブラックメタルの凶暴な側面はほぼ無く、
ドリームポップ的な側面が聞けたりするので、
脱メタルしたと言われても仕方が無いような内容ですが、
ギターの轟音パートやアルペジオのアプローチなど、
根っこの部分には少ないとはいえメタル成分があり、
楽器の演奏は派手さが無くシンプルですが、
随所で巧さ溢れる緩急の効いた演奏が聞け、
手堅くまっすぐで誠実さを感じるので「質実剛健」な印象があり、
曲の雰囲気と巧くあってますし、
メロディーと曲の構成自体はシンプルというか在り来たりな感じですが、
楽器の鳴り/響き方やギターの歪み具合や、
音の奥行き感や音の重ね方や空間の生かし方やリヴァーブ具合や明暗の付け方などなど、
サウンドプロダクション/音響面/アレンジが実に見事で深く、
ただのポストロック/シューゲイザー作品になった訳ではなく、
今までの集大成的な雰囲気がありますし、凄く成長や深化を感じます。
そして今作は1stに最も近い作品でありながら最も遠い作品でもあるんですよねー。
音的にはメタル色が薄いのもあり1stに最も近いですし
似たような雰囲気…子供の頃の情景を思い起こさせるような雰囲気がありますが、
1stが過去を惜しんで懐かしむような幻想的な作品であったのに対して、
今作はそれに加えて現実や自然の厳しさや虚無感みたいのも感じますし、
同時に静かに燃え上がる炎のような力強さやポジティブさや生命力がある。
つまり表現している先にあるものが全くの正反対であり、
聞き終えた後に残る物が大きく違う。
AgallochやWolves in the Throne RoomやLes Discretsなど、
似てる事をAlcest以前や同時期にやったバンドは居たとはいえ、
非メタルの音楽メディアが多く取り上げたように、
シーンに「ポストブラック/ブラックゲイズ」というジャンルを、
鮮烈に印象付けたのはAlcestの1stです。
去年のDeafheavenの作品も、
現状のブラックメタルというジャンルに風穴を開けましたが、
最初に目立つ形で既存のブラックメタルというジャンルに風穴を開け、
ブラックメタルとシューゲイザーというジャンルに橋を架けたのは、
Alcestの1st「Souvenirs D'un Autre Monde」であり、
高い次元でブラックメタルとシューゲイザーを融合させ、
後に「ブラックゲイズ」と呼ばれるジャンルを完全にシーンに根付かせたのは、
2ndの「Ecailles De Lune」です。
そしてAlcestは今作品で同系の、
バンドやフォロワーが簡単には追いつけないような、
一種の高みに上り詰めてしまった。
自身で作ったポストブラック/ブラックゲイザーという、
ジャンルの音楽を完結させてしまった感がある。
Deafheavenも2ndでポストブラックというジャンルを超越して、
ネクストステージに行った感ありますが、
Alcestは1stで一度新たなネクストステージを作って、
2ndでブラックメタルに回帰して別のステージに行き、
今作でさらに別のステージに行きましたよ…
ぶっちゃけ、まだ中途半端(突き抜けてない)感を覚える人も居ると思いますし、
コアなメタルファンや2ndが突出して好きという人は満足しないかもですが、
今までの作品が好きな人なら成長が感じられる良作だと思うし、
素直に良いポストロック作品だと思うので、
今作のプロデューサーが手掛けてるSigur Rosの作品が好きな人、
Mogwaiの「Young Team」より「Rock Action」が好きなポストロックファンには特にお勧めです。
ちなみにDL販売は安い&ボートラもあるのでパッケージに拘らないならお得ですよ。
次作はどう変化/進化するのか今から楽しみ。
PS
振り返ってみると2000年以降に発表したブラックメタルという要素がある作品で、
Alcestの1st以上に音楽シーンに影響を与えた作品ってないかも…

ただ、これからDeafheavenのフォロワーがたくさん出てくるでしょうから、
5年後にはDeafheavenの2ndがそうなってそうだけどw
PSのPS
CynicもAlcestに続いて新しいステージに行ってるといいな…
