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遠藤展子「藤沢周平 遺された手帳」

2018年01月16日 | 教養・学習本

 

 

 

文藝春秋
2017年 11月 第1刷発行
246頁 

藤沢周平没後20年
藤沢周平さんが娘の展子さんに遺した4冊の手帳を元に、父の記憶を残したい、伝えたいという思いから書き著された1冊です
1冊は昭和38年、展子さんが生れた年の1月から昭和42年6月まで
その間には妻・悦子さんを病気で亡くし、大きな喪失感に苛まれながらの子育てと仕事、執筆に忙しい生活ぶりが窺えます
残り3冊は和子さんと再婚後、昭和45年1月から昭和51年1月まで
主に作家活動についての記述が多いのですが、風邪をひいた、パチンコに行った、碁会所に行った、編集者と飲んで深夜に帰宅したなど、生活人としての周平さんの姿が垣間見えて可笑しくもありました 

直木賞に関して
度々候補にあがりなが受賞できない日々
自分に実力がない、奢るべからず、など厳しい言葉で反省されておられます 

1編の短編を仕上げるのにも何度も推敲を重ね、タイトルにも頭を悩ませていたのです
「たそがれ清兵衛」が最初は「つぶやき清兵衛」だったとか(^_^;)
テレビで見た藤沢周平ドラマシリーズの冒頭で、周平さんが古地図などの資料を徹底的に調べていたという紹介がありましたが、展子さんによればそれは作品のネタを探すためや史実とは違うものとならぬよう、嫌だけれど“仕方なく”やっていた作業とのこと
周平さんの苦労が偲ばれます 

本書の題字は展子さんの息子さんによるものだそうです
娘夫婦や孫が自分の遺したものを大切にしてくれていることを周平さんも天国で喜んでおられることでしょう

 

 

 

昨年11月、12月、今年年初に時代劇専門チャンネルで視聴した藤沢周平新ドラマシリーズ「橋ものがたり」
「小ぬか雨」「小さな橋で」「吹く風は秋」
北及きいさん、永山絢斗さんによる「小ぬか雨」は昭和55年にTBSで放送された吉永小百合さん、三浦友和さんのを越えることは出来なかったかと…

 

2月には「三屋清左衛門残日録 完結編」が放送されます
映画館で試写会があるということでダメモトで応募したら当選しました!
大スクリーンでの三屋清左衛門、楽しみです 

 

 

 

 


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2 コメント

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読みました。 (narkejp)
2020-01-15 14:57:24
レイ・チャールズの「愛さずにはいられない」の訳詞が、ネットにあったYouTubeのものよりも、本書で紹介されているもののほうが味わい深いですね。
テレビで作品の再放送があるようですが、いつも見逃してしまいます。ふだんテレビを観る習慣がないもので、「過ぎてから気がつく」状態です。できれば、TV版「蝉しぐれ」を、再放送でもう一度見たいですね。
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イメージ (こに)
2020-01-17 08:11:03
藤沢周平さんを読み始めた頃は「時代物」とアメリカ文化と共通イメージが浮かばなくて「?」でしたが、色々と読んできて何とか理解できるようになってきたところです(*^_^*)

テレビといえば2/8時代劇専門チャンネルで「又蔵の火」に所蔵されている「帰郷」が原作の映画が放送されます。期間限定で今日から公開されますが上映館が全国的に少ないみたいで残念です。
「蝉しぐれ」は名作ですね。NHKオンデマンドで見られるのかも。お金払えば、の話ですが。
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