「LION ライオン 25年目のただいま」
原題 LION
2016年 オーストラリア
【シネフィルWOWOW】
1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年・サルー
兄と仕事を探しに出掛けた駅で停車中の電車に乗り込み眠り込んでしまい東へ1600kmも離れたカルカッタまで来てしまいます
そのまま施設に送られたサルーは養子に出されオーストラリアのタスマニアで成長
友人の家で故郷の味“揚げ菓子”を見て幼い頃を思い出します
グーグル・アースなら地球上のどこでも見えると教えられたサルーは、おぼろげな記憶を頼りに本当の母や兄が暮らす故郷を探し始めます
サルーが知らない土地でひとりぼっちだった頃や実母を探す過程より、サルーの養父母、特に養母(ニコール・キッドマン)の人間としての器の大きさが強く印象に残りました
成長したサルーがパソコンで家への道を辿るのと、少年のサルーが走って家へ帰るのを重ねるシーンからはサルーの心情が伝わってきます
上手いです
ラストはもっと感動するかと思いましたがそうでもなかったのは…タイトルの意味に「は?」となってしまったからデス
「君のいないサマー・デイズ」
原題 LES PETITS MOUCHOIRS
英題 LITTLE WHITE LIES
2010年 フランス
【シネフィルWOWOW】
毎年、夏のバカンスを一緒に過ごす12人の男女
今年も楽しみにしていましたがメンバーの一人が交通事故で重傷を負ってしまいます
仲間たちは彼の容体を気にしながらもバカンスに出発しますが、各々が抱えている問題が次々と明らかになっていくのでした
マリオン・コティヤールが出演しているので観ましたが…
フランス人のバカンスの過ごし方や人間関係が理解し辛いからか、今一つピンとこないまま終わってしまいました
ラストなんて「ウソでしょう~!」でした
日本未公開とのこと
日本人には向かないと判断されたのかしらん
「サウルの息子」
原題 SAUL FIA
2015年 ハンガリー
【Netflix】
第二次大戦中のアウシュヴィツ=ビルケナウ収容所を舞台に、同胞であるユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊・ゾンダーコマンドの囚人、ハンガリー系ユダヤ人・サウルに起きる一日の出来事を描きます
戦争によって引き起こされた悲劇、狂気というだけでは済まされない、人間の犯した罪の深さに圧倒されます
さらに衝撃的なのはサウルの行動です
彼が自らの身の危険も顧みず一人の少年を尊厳をもって葬ろうとした行動は妄信か狂気か、とも思われますが、あの、人を人として扱わない極限状態での彼の強い意志であり自己主張だったのでしょう
ゾンダーコマンドである印
上着の背中の大きな赤い×印が効果的に使われています
収容所を脱走し、逃げ込んだ小屋を覗いていた少年を見て微笑むサウル
尊厳をもって葬ってあげたかった少年と重ね合わせたのでしょうか
「太陽のめざめ」
原題 LA TETE HAUTE
2015年 フランス
【シネフィルWOWOW】
親の愛を知らず非行を繰り返す少年・マロニー(ロッド・パラド)と、彼を救い出すため奮闘する家庭裁判所の判事・フローランス(カトリーヌ・ドヌーヴ)ら、大人たちの姿を描きます
本作が映画初出演というロッド・パラドが素晴らしいです
気持ちのままに荒れた行動をとる時と、母の愛を求める時の感情の違いを実に上手く表現しています
逆に、感情の起伏を殆ど表に出さないカトリーヌ・ドヌーヴ
彼女にもそれなりの悩みや迷いはあるのでしょうが、そこは描かれていません
さすが大先輩です
マロニーには真っ当な道を進んでいって欲しいし、自分と似た境遇にある子供たちに手を差し伸べるような大人に成長してもらえたら嬉しいですが、そうは上手くいかないかも、と思わせるラスト
どうなるのでしょうね…
「友だちのうちはどこ?」
原題 KHANE-YE DOUST KODJAST?
英題 WHERE IS THE FRIEND’S HOME?
1987年 イラン
【シネフィルWOWOW】
舞台はカスピ海近くにあるコケルとポシュテという村
友だちのノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、ノートを返すため友達の家を探し歩く姿を描きます
主人公の少年たちの“素”の魅力が余すところなく描かれています
日常の中で起こる小さな事件
日々の暮らしに追われる大人には何でもないことにひたむきに立ち向かう少年たち
イランに限定される物語ではないと思います
映画で知る異国の人々の暮らし
私たちと何ら変わるところは無いのです
アッパス・キアロスタミ監督のジグザグ道シリーズ
続けて観ていきたいです
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