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池澤夏樹「イラクの小さな橋を渡って」

2023年05月20日 | あ行の作家


写真・本橋成一
光文社
2003年1月 初版1刷発行
2003年3月 4刷発行
87頁

2002年、池澤さんが写真家の本橋成一さんと共にイラクを訪れた時に見聞きした現地の様子や市民の生活ぶりをまとめたものです
直接の目的は遺跡を見ること
基本条件は池澤さん自身が企画した取材旅行で、行く場所、見るべきもの、話を聞く相手、全てご自分で決めたそうです

テレビなどで知る他国の人々の暮らしぶりが偏った報道により色付けられていることが、よく分かりました
それらを鵜呑みにしている自分に恥じ入るばかりです
公平で多角的な目で見ること、聞くことを忘れないようにしなければいけません
国の指導者が誰であろうと、どんな政治を行おうと、人の日常は万国共通
池澤さんも旅をして知ったことがたくさんある、と書いておられます

池澤さんが命の危険を感じながら旅した20年前と今ではイラク国内の情勢は同じではないと思います
しかし、本書に掲載の写真と同じで、イラクの人々の明るく朗らかで親密な国民性は変わっていないのではないでしょうか
イラクに限らず、世界中に暮らす人々の日常を知れば、戦争など起こしてはならないことは容易にわかるような気がするのですが…



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