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長野まゆみ「野ばら」

2019年04月24日 | な行の作家

 

河出文庫
1992年10月 初版発行
2016年10月 12刷発行
解説・島田雅彦 -夜行性動物の夢
135頁

 

銀色と黒蜜糖
白い野ばら咲く庭に住みついた2匹の美しい猫と同じ名前を持った2人の少年は何者なのか?
目覚める度により深い眠りにおちてゆく少年・月彦
その不思議な夢の中で繰り広げられた真夏の夜のフェアリー・テイル

 

「夏至祭」に繋がる月彦、銀色、黒蜜糖の物語です

 

夢と現実の境がはっきりしない月彦
彼は夢の世界に閉じ込められているのか
それとも誰かの見ている夢の中にいるのか

 

かたたた、かたたた…と鳴るミシン
紅玉色の柘榴

夢の中なら何事もなく受容れられることも現実となると恐怖が先に立ちます

 

まるで舞台を見たかのような不思議な読後感に包まれました

 


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