河出文庫
1994年5月 初版発行
1996年4月 4刷発行
147頁
路面電車は藤紫の薄闇の中を走っていた
最初の一文から惹きこまれます!
物語の主人公・月彦が祖父から譲り受けた外国製の年代物の腕時計は、製造から半世紀が過ぎてもきちんと動いていますが、毎年決って夏になると時刻が狂い出します
月彦は、針は静止しているのにぜんまいは動いている、という不思議な現象の秘密を今年こそ詳しく突き止めようと時計の動きに注意していました
そんな中
空家のはずの屋敷に住む2人の少年と出会った月彦は、度々彼らを訪れ交流を深めます
そして、半夏生の晩に開かれる“集会”に誘われるのですが…
情景描写、心情描写が素晴らしい
夏の夜にお薦め
素敵なおとぎ話でした
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