角川文庫
2014年12月 初版発行
2018年 4月 22刷発行
解説・中江有里
418頁
18年前、勘定方だった瓜生新兵衛はかつて上役の不正を訴えますが認められず藩を追われました
一緒に藩を出た妻・篠が病死後、篠の最後の願いを叶えるため帰藩した新兵衛は、篠の妹・里美の屋敷に居候を決めます
もう一人の主人公が里美の息子・坂下藤吾
勘定方だった里美の夫=藤吾の父は家老から使途不明金を糾問され、無実と反論したものの突然自害しています
家禄は減らされたものの御家取潰しにならなかったのを幸いに、出世の道を探している藤吾には、新兵衛は坂下家に災いをもたらすだけの邪魔者にしかみえず疎ましく思っています
徐々に明らかになっていく藩の秘密
新兵衛が藩を追われた理由
藤吾の父が自害した理由
そんななかで新兵衛と藤吾は徐々に心を通わせ、親子のような関係になっていきます
「蜩の記」を思い出します
新兵衛と篠の夫婦愛、藤吾の恋、新兵衛と道場仲間との友情、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立も絡め描かれる人間模様の終盤には大きな感動が待っています
散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ
岡田准一さん主演で映画化され9月28日公開予定
2013年公開の映画「蜩の記」では、疑似息子の役だった岡田さんが本作では疑似父親役
俳優・岡田准一の成長は目覚ましい物があります
西島秀俊さんや池松壮亮さん、富司純子さんら他の出演者たちもまるで当て書したかのようにぴったりです
楽しみ♪
映画は試写会に外れ、ケーブルTVの観賞券プレゼントに外れましたが、主人と夫婦50割で観たいと思っています♪
あわよくばタダで観ようとは厚かましいことでした。
(^_^;)