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タイ従業員を日本で受け入れ:洪水被害拡大で特別ビザ

2011年11月03日 | 移民に関する統計・データ

モノとカネは国境を越えてもヒトは...そんな日本型国際貿易の大前提も, タイ未曽有の洪水によって決壊をみせたか。

数千人規模で、日系企業で働くタイ人単純労働者が日本の工場に派遣され働くことが予定されているという。もしこの試験的派遣が成功裏に行われるとすると、将来的な外国人労働者の短期派遣制度への道筋が見えてくるかもしれない。ただ、ビザカテゴリーが就労なのか、研修なのか、特別カテゴリーを作るのか、今のところはっきりしない。

企業が責任を持って外国人労働者の日本滞在生活と帰還を保障することが求めれる。研修制度でみられたような「監禁状態」に近い管理体制を導入することになれば問題だ。また各社報道からは賃金について、詳しく触れられていないが、おそらく企業の思惑としてはタイでの賃金をそのまま維持し(契約はタイベースであることを理由に企業内短期派遣のような形)、生活費実費をまるまる受け入れ側が持つことで収めようとしているのでは。派遣される労働者に日本の最低賃金が保障されるのだろうか。このようなことをグレーにしたまま派遣が行われることがあっては、またバックドアからの受け入れのひな形ができてしまう恐れがある。受け入れの形をしっかりと明示することが求められていよう。



タイ従業員を日本で受け入れ:洪水被害拡大で特別ビザ[労働]
http://news.nna.jp/free/news/20111031thb002A.html

日本政府は28日、バンコク近郊での洪水被害拡大を受け、日系企業で働くタイ人従業員の受け入れ策を発表した。被災した多くの日系企業が、日本への生産移管を計画する中で、従業員の査証(ビザ)発給に伴う複雑な手続き、申請期間の長さなどに対して緊急措置を求めていた。臨時措置となる特別ビザの在留期間は6か月間。発給枠に上限は設定していない。

日本政府が決定した特別ビザの発給条件には、◇日本人の雇用を圧迫しないこと◇事業所名・所在地・業務内容・個人氏名を特定すること◇配偶者などの家族帯同は不可◇受入企業が確実な帰国担保措置を取ること◇日本の税・社会保障・労働関係法令に順守すること◇受入企業が日本国内で同様の業務を担う従業員を過去3年以内に大量解雇(1カ月に30人以上)していないこと◇労働者受け入れに伴い日本側の従業員を1年以内に解雇しないこと――などが盛り込まれた。

法務省入国管理局の担当者は、ビザ発給までの手続きについて、「具体的な発給基準や必要書類は31日以降に公表する。詳細を詰めている段階だ」と説明。ただ、発給までの手順としては、日本の受入企業側が、各地の入国管理局に必要書類を提出。審査が通った場合、在タイ日本大使館でビザ申請する見通し。

ビザ発給までに要する時間としては、「緊急措置なので、迅速に対応する予定だ」と指摘した上で、「各地の入国管理局で受け入れに伴う必要書類などを含めて相談してほしい」と述べた。発給枠に上限は設定していないが、在留期限の延長は現在のところ認めない方向で調整しているという。

具体的な手続きに対する問い合わせは、法務省入国管理局入国在留課<03-3580-4111(内線2766)/03-3592-7383(直通)>まで。

■背景に部品の供給網維持

日本政府がタイ人従業員の受け入れを決めたのは、中部アユタヤ県やバンコク北郊パトゥムタニ県にある工業団地が浸水被害に遭ったことで、タイ国内だけでなく世界各地に拠点を設ける日系企業のサプライチェーン(供給網)に深刻な影響が出ているため。バンコク近郊に進出する多くの日系企業が操業停止を余儀なくされている。

経済産業省によると、タイに拠点を置く日系企業から、サプライチェーンの維持・早期復旧に向けて、技術者を日本に派遣して代替生産を担う必要性を訴える声が高まっていた。ただ、タイ人従業員を日本に派遣する場合には労働ビザが必要となるため、多くの日系企業は特別ビザ枠の設置など緊急措置を要求していた。

■研修受入で支援も

このほか日本政府は28日、タイ人技術者の日本での研修受け入れ支援策も発表した。浸水被害などで操業停止に追い込まれた工場が再稼働するまでの期間を、タイ人技術者の能力向上など研修活動に充てる計画を立てる日系企業が増えているための措置だ。

同支援は、海外技術者研修協会(AOTS)を通じて手掛ける。支援規模は1,300人(受入期間2カ月程度)程度になる見通しで、研修ビザによるタイ人技術者の受け入れ、座学での日本語・日本企業文化の研修、日本国内の製造現場を活用した実地研修などを実施する予定。研修費や滞在費などは一部補助する。

AOTSバンコク事務所の牧野幾太郎所長は、「洪水被害は徐々に拡大している。最大限に被災した企業を支援していく」と指摘。最短期間でタイ人従業員を日本に派遣できるように支援するという。

具体的な支援内容や、研修目的での派遣に必要な書類・手続きなどの相談は、牧野所長<タイ携帯:081-375-0411>まで。日本側は、AOTS業務部業務グループが25日に設置した相談窓口<日本:03-3888-8221>で受け付けている。



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