パリ20区、僕たちのクラス [DVD]クリエーター情報なし紀伊國屋書店
アフリカ、中東、アジアなどから移民・難民としてフランスにやってきた移民の子どもたち。フランス語もたどたどしく、集中力の欠ける生徒にどまどう教師だが、彼の生徒に向かう姿勢がとてもフランスらしい。それば、生徒を「子ども」扱いせず、本気なかふざけているのかわからない質問にもきちんと向き合い、生徒の考える力そして個性を伸ばそうとして . . . 本文を読む
このブログでは移民を主題にした小説を何冊か取り上げましたが、それに加えて、映画も移民という事象をより深く理解するためには、欠かせないツールだと考えます。移民が直面する文化摩擦や差別、残された家族との絆とすれちがい。そして新天地でたくましく生きる移民の姿はまさに映画のトピックにふさわしいのです。そういう意味で昨年から日本で始まった移民映画祭の取り組みは素晴しいと思います。
出稼ぎ大国であるフィリピ . . . 本文を読む
ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)垣根 涼介幻冬舎このアイテムの詳細を見る
日本人のブラジル移住を題材としたサスペンス小説。ブログの読者から紹介をいただいた。
外務省や移住斡旋団体によってほぼ「騙された」というに等しい状態で南米に移住をし、未開地で家族をなくし、文明とはかけ離れた生活を強いられた移民たちの世代を超えた怒りと怨念が大きな事件を引き起こすといもの。
以前に「移民の譜 東京・サ . . . 本文を読む
石川達三
蒼氓(そうぼう)
日本が移民を送り出していた頃、20世紀の始めの二つの世界大戦の狭間の時代を背景とした小説である。
戦後の平和で恵まれた生活をしてきた私達にとって、日本にもこれほど恐ろしく貧しい時代もあったのか、と改めて気づかされる。
本書を読むと、日本の多くの農民がどのような背景、プロセスや情報をもとに、海外へ移民する決断にいたったのか、よくわかる。それは今日フィリピンや . . . 本文を読む
入管戦記―「在日」差別、「日系人」問題、外国人犯罪と、日本の近未来坂中 英徳講談社このアイテムの詳細を見る
今や日本の移民政策のご意見番ともいえる坂中 英徳氏(ミスター入管)の仕事人としての自伝本。出版されたのはいまから数年前(2005年)だが、今読んでもまったく古さを感じさせない。昨年出版され話題を呼んだ移民国家ニッポンのさきがけ本という位置づけもできる。
入管といえば、外国人の人権保護の . . . 本文を読む
本ブログでは主に社会科学的な視点から移民関連の出版物を紹介してきましたが、今年から文学的観点からも移民という現象を考えていきたいと思います。具体的には、移民を題材とした小説、映画などを紹介してきます。
移住・移民とは故郷を後にし、異国の地で新たな生活を始めること。経済的理由、家庭の事情、また選択の余地のない強制移動など、さまざまな背景から移住(マイグレーション)が起こります。その移動プロセスから . . . 本文を読む
Situation Report on International Migration in East and South-East Asia
国連アジア地域事務所(ESCAP)、および国際移住機関(IOM)などによるアジアにおける移民の現状に関するレポートが出された。
このように移民に関するデータや現在知りえる研究成果を地域的に網羅的に集約することは非常に意義があると考える。というのも移民に . . . 本文を読む
移民国家ニッポン―1000万人の移民が日本を救う坂中 英徳,浅川 晃広日本加除出版このアイテムの詳細を見る
自民党の提言する「日本型移民政策」のたたき台ともなった本書。「定住型」「育成型」がそのキーワードであることは以前の投稿で書いた。
この本の中にはオーストラリアの移民政策について詳しく触れた一章がある。北米、オセアニアなどのいわゆる「伝統的移民国家」の経験や政策が、提言「日本型移民政策」 . . . 本文を読む
外国人労働者受け入れは日本をダメにする (Yosensha Paperbacks 34)小野 五郎洋泉社このアイテムの詳細を見る
前回に続いて、本書について、再度コメントさせていただきたい。この本はおもに第一・二次産業構造に関する外国人労働者受け入れが議論が中心となっており、サービス産業、とくに家事、介護、ホスピタリティーなどの新たなサービス需要とその分野での労働力需給の関係については紙面の多くを . . . 本文を読む