世界の移民政策、移住労働と日本

日本型移民政策とは何か?世界の移民政策に関するニュース、エッセイ、本の紹介など

気候変動と移民 研究報告

2009年06月15日 | その他世界の移民政策
現在まで移住の理由の主だったものとしてあげられてきたのが、強制的な要素(自然災害、紛争、戦争、内戦、飢饉など)そしてより自発的要素(経済的理由、家族の移動など)の二つだが、近い将来、移住を増発させる要素として、「気候変動」がここ数年クローズアップされてきた。ゆっくりのペースであるが、確実に大規模の人のdisplacementを誘発するものである。 気候の変動が移住を誘発するプロセス(主に生計基盤 . . . 本文を読む

12月18日は「移民の日」 (International Migrants Day)

2008年12月20日 | その他世界の移民政策
12月18日は国連の定める移民の日(International Migrants Day)。そもそもこの日に移住労働者の権利条約が国連で採択されたことがその起源。2000年に制定されたものなのでまだ比較的新しい記念日といえよう。 この日は、世界各地でさまざまな祝賀イベントや移民の権利に関する啓発活動などが行われたが、私は出張先から戻る飛行機がキャンセルされ、空港のトランジットホテルを転々とする「 . . . 本文を読む

金融危機と海外出稼ぎ

2008年12月13日 | その他世界の移民政策
金融危機の影響がさまざまなところで私たちの生活にも影響をおよぼしているが、 世界的な経済の停滞が、移住労働者にも悪影響を及ぼすのではないかという危惧が高まっている。 そもそも外国人出稼ぎ労働者はその雇用形態(短期契約や間接雇用)から、一般的には、不景気の際には真っ先に首を切られると考えられている。日本でも職を失った日系ブラジル人が職安に駆け込んでいるという記事があった。 この大規模な経済危機に . . . 本文を読む

海外出稼ぎと最低賃金

2008年09月23日 | その他世界の移民政策
海外出稼ぎ労働者の賃金体系は受入国の定めるところによるのだが、受入国の国民と差別のなく同水準に、というのが移住労働者の権利条約の定めるところだ。最低賃金厳守はもちろん外国人労働者にも当てはまる。 しかしながら、労働者の主要受入国が(中東やASEAN諸国)がこの国際条約を批准しておらず、労働者の最低賃金の設定も行っていない。出稼ぎ労働者の独占市場である家事手伝いとなると、インフォーマルセクター扱い . . . 本文を読む

海外雇用促進策- 背景

2008年08月25日 | その他世界の移民政策
現在、多くの開発途上国が自国民の海外雇用を推し進める背景には、数々の理由がある。それを知ることは日本の外国人雇用政策・移民政策を策定する上で、また送り出し国との協議を行う上で有益であると考える。 理由1・雇用の創出と貧困削減 開発途上国ではその労働人口の構成に大きな変化がおきている。自給自足の農業従事者から賃金労働者への移行が急激に進んでいるが、賃金雇用を希望する労働者に対して国内では十分な雇用 . . . 本文を読む

オリンピックと移民 入国管理編

2008年08月18日 | その他世界の移民政策
オリンピック開催国には、文字通り、世界の隅々からから大勢の人が流れ込む。アスリートのみでなく、コーチや医療スタッフ、各国政府高官、メディア、スポンサー企業、そして海外からの観戦客。対応する入国管理当局の緊張度は一気に高まる。入国手続きを円滑化しつつ、取り締まるところはきちんと取り締まる。微妙な手綱さばきが求められる。 人の移動を円滑化する一番手っ取り早い方法がまず査証の免除。これは日本もワールド . . . 本文を読む

南アフリカの移民問題

2008年06月15日 | その他世界の移民政策
移民に対する暴力、暴動と聞くとヨーロッパのことだとおもってしまいますが違います。南アフリカです。大陸のなかでも突出した経済力を保持する南アメリカは近隣諸国からの移民に安い労働力を頼っています。 人種差別、アパルトヘイトを克服した国で、今度は国民と移民の間でいがみ合っています。南アフリカの雇用者はではなぜ高い失業率にあえぐ自国の国民を労働者として使わず、外国人に頼るのでしょうか。もちろん賃金が安い . . . 本文を読む