BEFORE
排気筒基礎の上部は鉄筋格子のみ
埋立場に搬入される「ごみ」が排気筒基礎の鉄筋格子を超えた時
(1) 鉄筋格子の間からごみがピット内に落ち込む
(2) 鉄筋格子そのものがごみの重量でピット内に落ち込む
可能性があった
AFTER
福岡式埋立場排気筒基礎3箇所にコンクリート製蓋を設置
排気筒基礎改造工事完了
Hello everybody, my name is Atsushi Noba Sakane. “Noba” is my Kosraean Name.
追加計画4項目の二つ目「排気筒基礎改造工事」に取り掛かった。
埋立場に搬入される「ごみ」が増え続けると排気筒基礎を超えてしまい、鉄筋格子の間からごみがピット内に落ち込む、また鉄筋格子そのものがごみの重量でピット内に落ち込む可能性が大であったため、コンクリート製の蓋を鉄筋格子の上に乗せることにした。ピット内にごみが落ち込むと、ピットを閉塞し、汚水が排出できなくなり、空気が取り込まれなくなるので、福岡式(準好気性)埋立場が死んでしまう。
2014年2月にヤップ州で行われたJ-PRISM(JICA-廃棄物管理改善支援プロジェクト)主催の福岡式埋立場研修時確認できたことだが、サモアの埋立場では鉄筋格子が崩壊し、ごみを取り除いて改造したことがあったとのこと。
専門家が集まったヤップ研修だったので、早速対処方法を聞き、4つの改造案を示してもらった。改造案を配属先にメールで送付。私がコスラエに戻ってから詳細検討と思っていたが、メールでの改造提案4案を配属先内で検討、私のヤップ州滞在中に既に改造案の選定をし、蓋の詳細設計まで完了。埋立場改善に関する配属先のモチベーションの高さ、イニシアティブを発揮しているのが分かる。選定案は上記の鉄筋コンクリート製蓋を製作し、排気筒基礎の上に乗せるもの。
詳細設計積算結果は、材料費のみUS$348.31、材料費・施工費・経費を含む総額US$864.00。予算を探したが、少額であることもありなかなか見つからない。ボランティア現地業務費を検討したが、内容から判断して非常に難しいとの事で断念。最後に、カウンターパートと一緒に公共事業局長に頼み込んで、局予算を使わせてもらう承認を得た。但し、材料費のみ。製作・据付は公共事業局内の人間で行った。
2013年8月初めに鉄筋コンクリート製の蓋の製作開始。排気筒基礎に蓋を乗せ改善工事が終了したのは8月末日。詳細設計図面もあり、簡単な製作、工事なので簡単に終わると思ったが、私に製作・施工の監理を求めてきた。彼らに製作・施工監理能力が無いわけでは決してなく、一緒に仕事をすることを求めてきたように思える。こちらとしても望むところなので一緒に製作に取り掛かった。実際の製作段階では、図面通り製作するには難しい所(細かい製作指示等)があり、現場で随時変更しながらシンプル化した蓋を製作した。蓋の通気孔は直径6インチの指示、6インチPVC管でそのスペースを確保しようと思ったが、余分な6インチ管が現場に無かった為、適当なサイズのバナナの茎を現場で切って利用した。6インチ管購入予算も無かったので。今までデスクワークが多かったので、現場で一緒に汗をかくのも非常に面白かったし、現場の人達と急速に仲良く慣れた。
この排気筒基礎改造工事で、コスラエ州のトフォール埋立場は、排気筒基礎を超えたごみの堆積にも十分に耐えることができる構造となった。
赴任当初の計画が確実に実行されていく様がブログからよく伝わります。それにしても、英語での様々な文書の作成、交換はすごいですね。さすがシニア!と思ってしまいます。