歯歯歯日記

歯科医院の仕事の傍ら、感動した・印象に残った出来事、歯の知識そしてワンちゃんのことなどそこはかとなく書き綴っています

歯科から見たシェーグレン症候群

2012年08月08日 | 歯歯歯豆知識

「シェーグレン症候群」1933年にスウェーデン眼科医 ヘンリック・シェーグレンにより発表された論文に

基づき命名された疾患です。

原因は不明。主に中年女性に好発する涙腺や唾液腺の慢性炎症により外分泌腺障害をおこす。

全身の臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患。

みなさんもよくご存じの症状が「目の乾燥」そして、 「口腔内乾燥症」 です。

もともと、湿った状態の口の中がパサパサした状態になり、

 口の中が燃えるように熱い・痛い。

 うまく食べ物が呑み込めない。

 話をするのに舌が回りづらい。

 塩辛いもの・辛い物が余計に辛く感じる。

このようなことを訴えています。

症状を緩和するためにご本人は、飲み物を携帯する、飴をなめるなどの処置をとられています。

しかしながら、この病気は乾燥症ゆえ、歯に大きなダメージを与えています。

 

 普段唾液によって保護されている歯は、唾液の自浄作用である程度の細菌を流動させ、

PHを中性にもどす役割をしています。

ところが、極端に唾液の量が減るとこの作用がないうえに空気に触れる時間が長く、

歯も歯茎も乾燥した状態になります。

これを補うために唾液の出やすい砂糖の入った飴をたくさんなめたり、

糖分の入った飲み物を常用することにより

虫歯が多発し口臭がひどくなってしまう、というのが多くみられる例です。

では、この病気の方に最も必要な口腔内処置は何か?といいますと、

徹底的なプラークコントロール(歯垢・歯石の除去)シュガーコントロールです。

唾液が出ないハンディキャップを補うためには徹底的なプラークコントロールが必要となります。

歯垢をつけない、つけたらすぐ落とす・・これが鉄則です。

そして同時に砂糖の入ったものをノンシュガーやキシリトールの飴に代えてみたり、

食事の内容を見直すことも大切です。

シェーグレン症候群に治癒はありません。しかしながら、口腔内乾燥症の症状を軽減するために

現在ではたくさんの試みがなされています。

フッ素洗口剤やジェルの併用・キシリトール錠剤・

人工唾液が合わない人のための口腔内保湿用ジェルの塗布

臭い、歯周病、虫歯など各分野に適した洗口剤、プロバイオテクスの錠剤など。

乾燥状態でお悩みの方は、一度歯医者さんでご相談いただくことをお勧めいたします。

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