歯歯歯日記

歯科医院の仕事の傍ら、感動した・印象に残った出来事、歯の知識そしてワンちゃんのことなどそこはかとなく書き綴っています

長老曰く

2009年06月30日 | 日記

『長老』という語を調べてみると、『長く生きていて、その発言や意見を聞くに値する人物。単に「昔のことをよく知っているだけ」という人物の場合もある。』
と書いてあります。

最近の医療制度では、『後期高齢者』なんて言葉を当たり前のように公式文書にしてしまいますね。元衆議院議員のかたが、テレビで『後期高齢者医療なんて、あとがない老人医療というタイトルを文書化して本人に送りつけているわけでしょ。まったく失礼だよね。馬鹿にしている!』そうおっしゃっていましたが、まったく失礼な話です。

長い道のりを歩いてきた諸先輩方は、年老いたひと・・『老人』というよりも、『長老』とお呼びするに値する人々ばかりです。

私自身、祖父に教えられた言葉がたくさんありました。
『重陽も過ぎると今年もわずかだなあ』パイプを燻らせ、こうつぶやいた祖父の姿がいまでも思い出されます。
そして、重陽が旧暦の9月9日で五節句の最後の節句であることも、五節句があることも学んだのでした。

祖父の心情を解釈すれば、長老曰く、
重陽がすぎれば、今年も残り二カ月余りになり秋も深まっていくのだなあ~・・・
こんなところでしょうか。

先日、私のブログにコメントをよせてくださった患者さんがいらっしゃいます。
ハマナスさん有難うございます。
本当に長いお付き合いになりますね。
奥様の介護をすすんでなされ、車いすを押して来院されてたころを思い出しました。献身的で、いつも明るく溌剌となされている姿からは、介護は大変つらいもの、という世間一般のイメージは全く感じられませんでした。
陰ながら、私も介護に直面したらハマナスさんの姿勢を見習おう!!そのように拝見しておりました。
いまでは、PCを趣味とし、PCの達人ですね。
動画もすばらしかったです。(トイレドコデスカのコメント欄から開けます)
ハマナスさんの人生の楽しみ方も私にとっては、『長老の行』です。また楽しみにしております。

そういえば、食べ物にも『長老』を見つけました。
『ちょろぎ』『おしょろ』とかいうのですが、シソ科の植物です。
おもに私は、その根にできる食用とされる球根のように見える塊茎部分を色付けして、お祝い事に使用しています。
その『ちょろぎ』縁起をかついで「長老木」「長老喜」とも書くそうです。

長老曰く・・孝悌なるものはそれ仁の本たるか。
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歯垢は病気のもと。

2009年06月29日 | 歯歯歯豆知識

一昨年、歯垢が影響する疾患ということで、歯科専門誌や新聞で歯垢内細菌に関する記事が多く見受けられました。
その中の主要な部分を抜粋してみました。

『歯垢の中に潜む細菌の中に呼吸器疾患や院内感染に関係する種類が含まれ、高齢者などに重い肺炎を引き起こすケースが実際に起きている。そうした実態が米バファロー大歯学部の研究で明らかになった。
 歯垢と呼吸器疾患との因果関係を証明した初の成果。高齢者介護における歯科衛生などの面からも注目されている。米国の胸部疾患専門誌の最新号に発表された。
 研究チームはニューヨーク州の高齢者向け長期療養施設の患者49人について歯垢を分析した。28人から肺炎を引き起こす黄色ブドウ球菌やグラム陰性菌、緑のう菌を検出した。これら患者のうち14人が肺炎を起こし、DNA分析で少なくとも8人の歯垢と肺に潜む細菌が一致した。

 これらの細菌は院内で感染した疑いがある。いずれの種類も、抗生物質の耐性を獲得して院内感染を引き起こす危険性を持っているため、研究チームは「呼吸器疾患を防ぐ観点からも、高齢者を扱う施設では歯と入れ歯の双方の清潔を保つ必要がある」としている』

歯垢と入れ歯のひきおこす感染が老人にとって命取りになることがよくわかりますね。レジオネラ菌は、介護施設で話題になりますが、そのほかにも身近なところで重篤な細菌が、なりを潜めていることを理解しなければなりません。

これは、老人介護施設に限ったことではありません。毎日の入れ歯の手入れ、歯の手入れによって少しでも感染のリスクを少なくするように努めましょう。



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pH5.5の境目

2009年06月28日 | 歯歯歯豆知識

pH5.5  何の数字かわかりますか?
実は、私たちの歯の最も硬いエナメル質が溶け出す水素イオン指数です。
小学校で学習しましたね。思い出してくださいね。
pH7.0が中性でそれを境に、pH7.0未満になれば酸性に傾き、pH7以上になっていけばアルカリ性になっていきます。

糖分、炭水化物を分解した虫歯菌は強烈な酸を作り出します。
この酸によっておこるのが脱灰といわれる現象で、甘いものを食べるとわずか3~5分後にはpH4.5まで酸性に傾きます。
しかしながら、規則正しい食生活を送っていれば時間と共に歯の表面は中性になり再石灰化が行われます。

しかしどうでしょう。なんどもジュースやおやつにを口に入れていると一日中酸性に傾き、頻繁に脱灰がおこります。中性に戻る時間がありません。結局脱灰はエナメル質深部を溶かし象牙質にいたります。これが、虫歯といわれる現象です。

それでは、糖分のない炭酸ジュースなどなら良いか?といいますと炭酸はPH4.0~2.7という酸性ですから、PH5.5を境に溶け出すエナメル質にとっては大敵なのです。酸を含む食べ物、例えばレモンなどの果物、酢、発泡酒やシャンパン、これら虫歯と無関係と思っていた方は要注意です。
摂取時間とお口のケアを忘れずにしましょう。


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色で組み立てるお弁当≪華やかなピンク≫

2009年06月27日 | グルメ

今日は土曜日。土曜日といっても私はもちろん仕事です。
土曜日は、時間が足りない・・・。
そんな土曜日の早朝にブログを書いています。

色で組み立てるお弁当vol.2です。
以前撮った写真がないかと探しておりますが・・なかなか写真まで手が回らず、見つけたらまた色々と公開しましょう。

今日のテーマ≪ピンク≫

華やかな色ですが、食べ物の世界となると難しい色ですよね。
もう二十年くらい前の話ですが、祖父母の家に行くと必ず会席の膳にはきれいに色づけされた卵、はんぺん、野菜などが彩りよく並べられていました。
私のお気に入りは、ゆで卵が耳、口、目と赤とピンクで色づけられたウサギちゃんでした。
ピンクの色付けに使われていたのは、当時の紅しょうがの汁とさらにそれを酢で薄めたピンク液でした。目は紅しょうがを小さく切って貼り付けておくだけで目の色になります。
もう一つ、お赤飯に使う大角豆を一晩ポット湯につけておくとピンク色になります。これを使ってほんのりピンクのご飯を炊いたり、色付けに使用していたのを思い出します。

さて私のお弁当は、といいますともっぱら活躍しているのが、ウズラの卵です。
紅しょうがでも色のかなり薄いタイプのものに一晩つけておきます。
かなり濃い色のピンクができあがります。
(カレー粉で漬ければ黄色に、ケチャップにつけておけばオレンジいろに、抹茶やよもぎにつけておけばグリーンになります。)
もう一種類グラデーションでピンクがほしい場合、市販の桜漬けの汁に一晩つけます。上品なぴんくができあがりますよ~!!
この桜漬けの汁、大根はもちろんですが山芋を切ってつけておいてもきれいに仕上がります。

^o^ ご飯をピンクに ^o^
ご飯がピンク色といえば赤飯が思い浮かびます。
義母は食紅でなく、豆汁で色付けしています。
今では、市販のふりかけならぬ混ぜご飯の元や炊き込みご飯もありますね。
バリエーションは豊かになりますね。

ピンク色のご飯といえば、毎年、友人から古代米をいただきます。普通の米に少量混ぜて炊くだけできれいなピンク~紫色に仕上がります。
桜の塩漬けを利用し、古代米を少々混ぜて炊くと色も香りも桜が楽しめます。
シンプルなおかずのときには、インパクトのあるご飯が華を持たせますね。

お弁当つくりも、幼稚園からはじまっていったん中断すると、さてあの時代何をつくってつめていたのかしら??そう考えます。子供が成長するにつれ、量もおかずの種類も変化していきます。お弁当箱の大きさからして違うのですから、お弁当再開に最初はあたふたしました。
そのとき思い出したのがお弁当日記です。
めったに開けることがないノートがこのときばかりは役に立ちました。
ちょっとした出来事も書いてあったりして、懐かしいような、恥ずかしいような・・

≪写真のお弁当≫

ピンク色のウズラの卵(紅しょうがの汁)
鳥のから揚げ
厚揚げ、大根、にんじん、しいたけ、ブロッコリーの煮物
だし巻き卵
きゅうりとトマトの淡漬け
サツマイモの甘煮
ちくわの紫蘇、きゅうり詰め
梅型で抜いたご飯











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虫歯にならない?なりにくい?

2009年06月26日 | 歯歯歯豆知識~キッズ・ベビー~

カロリーoff!こんな表示の甘味飲料水とゼロキロカロリーの飲料水との違いがようやく世の中に浸透してきましたね。
ジュース類,お菓子類に含まれる糖分を見てみましょう。

昔から甘味料の代表といえば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水あめ、麦芽糖。
大変おいしいのですが、残念なことに一番虫歯となる危険性の高いものです。

虫歯にならないものの代表がいまや、キシリトール。ほかにも還元水あめ、マルチトール、ソルビトール、パラチノース、エリスリトール、ステビア、アスパラテーム、サッカリンなどがあります。
キシリトールのように虫歯菌が糖分と間違えて分解すると虫歯菌まで自己分解させてしまうものもあれば、糖類として認識されないものまであります。

その代用甘味料ですが、この甘味料にも目安があるのをご存知ですか?

お口の中には通常、300~400種類の常在菌がいます。このうちの大半は善玉菌で、歯周病や虫歯菌などの悪玉菌は約30~40種といわれています。
その悪玉菌のなかには、少数ですが、代用甘味料にも反応し、活動する虫歯菌がいることが報告されています。
濃度の薄い甘味料でも虫歯菌は、糖分や炭水化物を分解し酸を生成するため、長い時間食べ続けたり、糖分濃度が高くなれば、虫歯になりやすくなるのです。

糖度0.5パーセント以下の『ゼロ』『無』『ノンシュガー』『シュガーレス』は比較的虫歯になりにくく、糖度5パーセント以下の甘味料『低』『控えめ』『低減』『カット』は十分に注意しなければなりません。

糖分のお風呂に歯をつけたままにしないよう、甘いものは時間を決めて食べましょう。ふだん、冷蔵庫にジュース、炭酸、スポーツドリンクを常時入れておかないことも虫歯予防につながります。

次回は『酸』についてお話しましょう。

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