厚生省より「認知症に早期在宅ケア、厚労省が来年度から」
このような対策が発表されました。
目的は、以下のとおりです。
「専門職による訪問チームが発症初期から関わることで、自宅で長く暮らせるようにするのが狙い。症状が悪化して、精神科病院へ長期入院することも防ぐ。5か年の整備計画を策定し、自治体が作る医療・介護計画にも反映させる。」
介護施設やグループホームでの支援を強くし長期入院を防ぐ目的であるようです。
寝たきり老人を減少させるのが一番の目的といえるでしょう。
しかしながら、今まで病院で治療を続けてきた人たちはどうなるのでしょうか?
「認知症」にみられる「徘徊」など自宅で療養するには困難な場合も多く見られ、
施設によっては「徘徊」「暴力的」な傾向がある場合、拒否されたという例もあります。
この先、病院でも長期の入院が可能でない場合、問題点が多く出てくることでしょう。
さて、歯科分野では、認知症はじめ療養中の高齢者の方々に多く見られるのは
「口腔内の清掃不良」です。
要介護・要支援の患者さんがたくさんいらっしゃいますが、
多くは歯垢と食物残渣が付いた状態の歯・そして義歯がみられます。
これはご自分ですみずみまで清掃ができないこと。
たべものが、食べやすくなっているため歯につきやすいこと。
そして、口の中の衛生状態をチェックしてくれる人員が不足していることにあります。
以前、衛生士常駐の施設で「肺炎」を起こす高齢者がゼロになったという記事を書きましたが、
まさしくこの口腔内状態が体の病気を防ぐための第一歩といえるかと思います。
このような細かいことも含め、これからの介護体制にはますます介護に携わる人材が必要になってくるでしょう。
しかしながら、現在のような過酷な勤務条件を国はもう一度見直さなければ、介護の現場から離れてゆく人は
後を絶ちません。
医療費削減の前に、介護の現場を見直すことが雇用促進にもつながるのではないでしょうか。