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まさかのここに来てヅカオタ状態、日々叫んでおります、ほかにジョジョ、初代ガッチャマン等好きです。
管理人 Masayo

ミュージカル「マリー・アントワネット」感想

2006-12-20 23:30:26 | others
すっかり遅くなってしまいましたが。
さすがの帝劇、大きな劇場空間にふさわしい意欲作でした。
なのですが。。。どこか空虚さが漂ってしまったのは何故だろうか。
どの俳優もみな人気実力がある豪華な配役で熱演していたのに、うまくかみ合わない感じがしました。
原作はだいぶ前に読んでいたので、忘れている部分も多く、果たしてこんな人物像だったか?という人たちが多数。
虐げられた貧しい少女マルグリットの視点から描かれた王妃アントワネットは、高慢で意地悪、この印象が最後までぬぐえず、2幕目で悲劇の運命を辿る段になっても「あれじゃぁねぇ」と思ってしまう。
後半の強さは好ましいが、前半からやたら意志が強く、これじゃ王妃ではなく女王です。涼風さんが宝塚出身だからなのか、怒鳴り声まで上げる王妃は違うでしょうと感じてしまいました。これじゃフェルセンが彼女をなぜそこまで愛するのか全く判らない。アントワネットの罪は贅沢だけではないにせよ、そこには無邪気さやおっとりとした善良さ、育ちのよさゆえの屈託のなさなどの美点があったと思いたい。それと、無理なアニメ声で若さを出そうというのはまずいです、演技全体で可愛らしさを出すようにしてほしい。
それと、タイトルロールであるのに影が薄い演出のように思いました。なんだろか。
一方のマルグリットはわたしの観た回は笹本玲奈さんでした、歌も演技もうまいんだけど、これもやっぱりキャラクターの味付けが問題なのかなと思いました。最初から最後まで張り詰めていて、ジャンヌ・ダルク?のように見えるし、潤いがなさすぎる。確かにアントワネットを通して社会の不公平を知り、恨みを募らせて革命に身を投じていくものの、もう少し陰影が欲しい。きつい表情ばかりで観ていて辛い。
あとはそのほかのキャラクターが多すぎて、原作を知らないと誰が何者かを追うだけで終わってしまうのではないかと思いました。
歴史を陰で操っていた(らしい)錬金術師カリオストロ、これは山口祐一郎さんでしたが、全然生かせてない。要所要所にものすごく怪しげに出てきて思わせぶりなのに、歌は断片的だし、彼はどの登場人物とも絡まず、知らない人が観たら、彼は悪魔(人ではない存在)と思うかもしれません。これもまた存在感の希薄な役でもったいない。
一番暗躍していたのは、王の従兄弟のオルレアン公の高嶋政宏さん。芸達者で歌もなかなかですが、あまりに気持ち悪いキャラなので、ここまでする必要があるのかなぁと、これも演出に問題を感じました。狂言回し的な作家ボーマルシェの山路和弘さん、上手い方ですが、笑いを入れるアドリブは必要かどうか。
笑う作品ではないし、この3人のキャラクターがわかり難くて煩雑。陰の悪役としてカリオストロ一人を大きく扱い、ほかは抑え目にしたほうがよかったのでは?
それと、歌はいくつか繰り返し使われていたものもあるけれど、印象に薄い。
テーマになるような太いものが無く、作品を貫く楽曲が思い浮かばない。
上手い人をそろえて豪華なのに、なーーーーーーーんか煮え切らなかったなぁ。
これ、わざわざミュージカルにする必要あるのかなあ。
普通の演劇じゃだめなのかね?
すいません、やたら厳しくて。
あ、でも、衣装はきれいでした。宝塚みたいに色が濃いものではなくて、お化粧も宮廷の人たちは白っぽい顔だったりして時代らしさが出ていた。
ファンタジックな演出ではなくて、かなり強烈な場面もあって、恐かった。


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