語ろう! 宝塚とかジョジョとかガッチャマンとか。

まさかのここに来てヅカオタ状態、日々叫んでおります、ほかにジョジョ、初代ガッチャマン等好きです。
管理人 Masayo

"Love Never Dies"憶えている限りの解説 8(いろいろネタばれ)

2010-07-05 01:28:09 | Love Never Dies
・シーン6 「ファンタズマ」のバックステージ/表舞台
 <#Davil Take The Hindmost(カルテット・ヴァージョン)>

この場面、記憶がかなり曖昧です、盆に乗って登場人物が出て来ていたか、普通に出て来ていたか憶えてなくて(汗)。

ギュスターヴが舞台裏の脚立の上で、スキャットを歌いながら不思議そうに周囲を眺めている。彼の周りで起こっているドラマに気付かない様子。
やがて、彼は歩き出す。

準備に忙しい舞台スタッフたち。

ギュスターヴはラウルを通り過ぎる。
ラウルは舞台袖でクリスティーヌをじっと見つめている。

ラウル
「彼女は歌うのか? 逃げるだろうか? 彼女は今なにを想っている? 彼のことか、僕のことか? 敗れた者は悪魔の手に落ちる」

ギュスターヴはファントムを通り過ぎる。彼はラウルの逆側の舞台袖で、勝利を味わうために備えている。

ラウル
「彼女は留まるのか、彼女は行くのか? 彼女は今も知っているのだろうか?どうかクリスティーヌ、舞台を止めてくれ。 逃げ遅れれば悪魔の手に落ちる」

ファントム(ラウルの歌にかぶせて)
「心に従え、そしてわたしのために歌うのだ! きみはそうしたいだろう、留まり、そして永遠にわたしのものとなれ。 心を決めなければ悪魔の手に落ちる」

ラウルとファントム
「時は来た、心を決めろ! わたしたちの息子のために!」

ファントム
「頭を働かせろ!」

ラウル
「もう時間が無い!」

ラウルとファントム
「ためらえば、我々は破滅だ!」

ステージスタッフがピットの確認をする。

ギュスターヴはマダム・ジリーの傍を通り抜ける。ジリーは落ち着かない様子。

ラウル
「彼女は留まるのか、彼女は行くのか? 彼女は今も知っているのだろうか?どうかクリスティーヌ、舞台を止めてくれ。 逃げ遅れれば悪魔の手に落ちる」

ファントム(ラウルの歌にかぶせて)
「心に従え、そしてわたしのために歌え、わたしのために。きみとわたし、あの子、永遠に。心を決めなければ悪魔の手に落ちる」

マダム・ジリー(ラウル、ファントムの歌にかぶせて)
「きっと彼女は先に進まない、おじけづくにちがいない。彼女はその声を聴かせることなく、そして彼女は彼を失うだろう。そしてわたしとわたしの娘はわたしたちの望むものを得るだろう....。悪魔は逃げ遅れた者をさらって行く」

ラウル/ファントム/マダム・ジリー
「時は来た!もう戻れない!全て危うい! さあ、これが最後のダンス! ただ一つの最後のチャンスをわが手に!」

ギュスターヴは舞台裏を巡っている。マダム・ジリー、ファントム、ラウルを次々通り過ぎて歩く。 舞台袖にいるメグのところで止まる。

マダム・ジリーがファントムの隣にスライドしてくる。
「(台詞)クリスティーヌがあなたの期待に沿うことを祈っていますわ。彼女の歌が、あなたの彼女への盲信がメグとわたしに与えた仕打ちへの埋め合わせになることを願っていますよ。」

対する舞台袖にメグが微笑んでいる。ギュスターヴの体に腕を巻きつけている。
メグ
「負けたものは悪魔の手に落ちる」

曲解説:第二幕冒頭の、ファントムとラウルの重唱が、今度はカルテットで展開される。それぞれの人物が自分の思いを吐露し、お互いの歌にかぶさって歌われる。

そして幕が上がる。 オーケストラは静かなまま。

クリスティーヌを挟んで左右の翼に対峙しているファントムとラウル。
盆の回転によって左右が逆になる。手前(上手)にラウル、奥にファントムとなる。
クリスティーヌは未だ心揺れる状態で不安そうに見える。
ライトが着き、もう誰も舞台を止められない。

クリスティーヌを中に彼女を愛するふたりの男が向かい合う。
だが、舞台を止めることは例え彼らでも叶わない。 舞台はクリスティーヌの聖域であり、歌うことは彼女の天命なのだ。
遂に彼女は決然と前へ進み、そして歌い始める。
ファントムがクリスティーヌのために書いた歌を。

<#10 Love Never Dies>
クリスティーヌ
「愛はいつ始まるの? 何が愛の始まりなの? ある日ふと芽生えてあなたの心に息づく。それはあなたの心の内に滑り込み、あなたの魂に染み込んで、あなたを驚かせ、あなたを捉えて離さない。
拒もうとしても、抗おうとしても、愛は一度あなたを捉まえたら離してはくれないの。

愛は滅びない、愛はためらわない。一度でも言葉にすれば、愛はあなたのもの。
愛は消えず、愛は変わらない。 心がたとえ壊れてしまっても、愛は続く。

その身を捧げて受け入れるなら、愛はあなたの命よりも長く生きるでしょう。

愛は気まぐれで、あなたを絶望に追いやる。 そして、あなたが思う以上の歓びを感じさせる。

愛はあなたに喜びを与え、あなたに痛みをもたらす!
でも、それらが去った後も愛はずっと残るでしょう。」

歌の途中で、クリスティーヌはラウルに語りかけるように彼の方に向いたり、後半直前あたりで今度はファントムを振り向いたりする。
歌ううち、自分の心に向き合うようになったクリスティーヌは、歌を通して自分の想いを全身で表現するようになる。

「一度でも語ったなら、愛はあなたのもの。」

それを聴いて、ラウルは決意を込め、威厳を保って向きを変え、翼から離れる。クリスティーヌは彼が去るのを見て、自分たちの関係がもう元に戻ることは叶わないことを知る。
彼女は観客に向き直る、そして極限の中で歌い続ける。

「愛は滅びない、愛は変わること無く、心が壊れてしまっても愛は生き続ける...。
心が壊れてしまっても...」

そして、勇気を持って、彼女は決意する、全身全霊をかけて歌う。

「愛は死なない、愛は続くでしょう! あなたがこの世を去っても、愛は鼓動を続けるでしょう! 愛は滅びない、愛はあなたの中にある! 命はつかの間の夢のようでも、愛は生き続ける。
命はつかの間の夢のようでも、愛は永遠に生き続ける」

舞台に一人、歌いきって消耗したクリスティーヌだが、観客からの割れるような喝采と歓声、口笛の音、ありとあらゆる賞讃を浴びる。

曲解説:「オペラ座の怪人」の中での、"Think Of Me"の設定に近く、クリスティーヌの心情を歌った歌ではなく、「劇中歌」として設定されているが、"Think..."よりはずっと歌の持つ比重が重く、作品のタイトルを受けた曲であり、作品の意味を顕す歌になっている。
ファントムがクリスティーヌのために、彼女に歌ってもらうために書きあげた歌で、今まで10年の長きにわたり、ファントムが彼女の歌を聴きたいと渇望していた果てに歌われる歌であると共に、クリスティーヌがこの歌を歌う事で、彼女の周囲の人々の人生をも変えてしまう力のある歌である。
美しいメロディと、やや過剰に甘い歌詞とで愛の不滅を歌いあげるが、最高音は歌手の限界を超えるほどの高音で、クリスティーヌの声を知るファントムならではの難曲かとも思わせる。 クリスティーヌは彼女の愛を、心を試される辛い状況の中、本当の愛はどこにあるのかを改めて知ったかのように決然と歌う。
今回のクリスティーヌは、「今世紀最高のソプラノ歌手」として成功しているので、歌も高度で、素晴らしい歌唱と揺れる心が感動を誘う。
観客は、アデルフィ劇場に居ながら、ファンタズマにも居るという二重の意味を持たされている。 第一幕でのファントムのアリア"'Til I Hear You Sing"も、舞台の流れをしばらく止めてしまうほどの喝采と歓声に迎えられるが、"Love Never Dies"は更に大きな喝采と歓声を受けて、アンコールがかかるかもしれないと錯覚させられるような盛り上がりを見せる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。