「今どき、デジカメを持ち歩いているって、珍しいですよね」と、ときどき言われることがあります。
そんなとき「持っていないときに限って、決定的瞬間のシーンがコマ送りのように目の前で起こるんですよね」と答えます。
すると「え~~~っ?スカートがひらりっ、とかですか?」と揶揄われるのです。
実は・・・
道を歩いていて、いま歩いてきた後ろの方で「ドサッ」という大きな音がして振り向くと、ビルの上からマネキンが落ちてきたのかと錯覚するように複雑な形をした人形・・・いや人が、赤やら白やら、えもいわれぬ、臭いもしないはずだけれど、思わずしかめた顔の鼻にツーンとするような感覚をともなって、目の前には液体のじわーと広がっていくのを呆然と見ていました。
近くに通りかかった人が「救急車!」と叫ぶのを聞いて、とっさにデジカメを探すと家に置き忘れていたことに気づきました。
また別の日・・・
ランチに出かけて、出された料理を撮影しようと思ったら、デジカメを持ってくるのを忘れていることに気づきました。
仕様がないので、さっさとランチして仕事場に戻ろうと交差点の信号が赤から青に変わるのを待っていました。
クロスする信号が赤に変わり、右折の信号の矢印が点灯した瞬間、ノーヘルのバイクが真っ直ぐに猛スピードで直進して交差点に入っていくと、右折する車と接触しそうになり、バイクが小さく回避するハンドルを動かした瞬間・・・ガシャン、ジャシャーーーーーーーシャシャァーーーーーという騒音とともに、転倒、バイクとその運転していた人は何十メートルも先の方へ横倒しに流れていきました。
ただ、ノーヘルの頭が道路にすれて、大根おろしのようにすり減っていくのがスローモーションのコマ送りのように見えていました。
デジカメがあったら・・・この事故は起こらなかったのだろうか?
そして、なんとなくデジカメがないと何かが起こると気づき始めたころ・・・
「遅刻する~~~!」とぶつぶつ、小走りに駅に向かう途上、デジカメを忘れたことを後悔しましたが、取りに戻る訳にもいかず、いつものとおり先頭車両に乗りこみました。
今日一日、何も起こらないといいなぁーと思いながら、進行する列車の線路を見ていました。
「あれ?」と思った瞬間、運転士が「うわぁ~~~」と叫びながら警笛を鳴らし、緩やかに減速すると同時に、車掌が「急停止しますのでつり革などにおつかまりください」と車内アナウンス。
それを待って、運転士が急減速の操作をしたときには、「ドタタン」というかすかな音の後、キキキーーーーッと列車は悲鳴をあげながら停止しました。
「あれ?」は、踏切に入ってうずくまった人の姿だったのです。
「やっぱり・・・」と思いながら、まわりを見まわすとみなスマホを見ていたのか状況を飲み込めていない人ばかり。
運転士とメタ坊だけが、列車に人がぶつかる一部始終を見ていた訳ですが、その一瞬、うずくまっていた人が顔を上げて「ニンマリ」とほほ笑んだように見えたのは気のせいだったのでしょうか?
***
とにかく、記憶に残っているできごとは、この3つ。
おかげでデジカメを忘れたときに、目の前に起こる事件事故に、起こることがあらかじめ判っていたと思えて、テレビで流れている映像をなんとなく見ているような感覚になってしまいました。
「デジカメを忘れると何かが起こる」・・・
あなたも何か思い当たることはありませんか?
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