貧乏学生だった割には、バイトでお金が貯まると旅に出かけました。
そんな貧乏学生にとってありがたかった宿泊施設が「ユースホステル(ここをクリック!)」でした。
宿もそうですが、目的地までの交通手段は、料金が安価な鉄道で各駅停車や快速を使います。
ある日、友人と「お伊勢まいりに行こう」という話になり、急なプランだったせいもあって、ほど近いお寺のユースホステルに泊まることになりました。
このお寺に泊まるには条件がありました。
朝夕の勤行(読経)につきあった後に食事が提供されること。
夕食後、風呂に入ったら、本堂に集まって住職の法話を聞くこと。
の2つでした。
夏休み中ということでもあったので、住職が法話ではなく「寺にまつわる不思議な話をお話ししましょう」ということになりました。
通夜に棺桶の中の故人が起きあがった話とか、ろうそくに火を灯すたびに「ふっ」と吹き消される話とか、故人の生前の人柄・業績をもとに戒名をつけた話を家族に伝えた途端に鐘が“コ~~~ン”と鳴る話とか・・・。
すると、友人が小声で「夕食の時にいなかった人がずいぶんいるけど、近所の人かなぁ?」と耳打ちするのです。
メタ坊が本堂を見渡すと、住職と夕食の時にいた宿泊者だけです。
友人に「そんな人いないよ」というと、「(開け放した庭への扉の向こうの)濡れ縁に何人も立ち聞きしてるじゃない!」と頑なに言い張ります。
住職の話が終わって、解散となりました。
念のため、友人が見たという人の話を住職に伝えました。
すると住職が「うちの檀家さんはみな信心深い人ばかりなので、亡くなった後でもよく私の話を聞きに来てくれるんですよ」ということでした。
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