散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

駒込病院百年史(不可解な事件)

2020年05月03日 | ★集メタ坊屋敷ごみ

昭和20年、日本の敗戦とともにやってきた米占領軍は駒込病院を接収しようとします。
焼け野原となった東京で、焼け残った(残した?)大きなビルの接収は、
占領政策を遂行するにあたって重要な課題でした。
駒込病院は、木造病舎と看護婦寄宿舎を全焼、試験室の一部以外は無傷なうえに、
屋上に高射砲陣地があって、前庭の駐車場も広かったことから要請されます。

これを東京都は、駒込病院は伝染病院の主力であり、
発疹チフスなどの伝染病が流行しつつあるときに混乱をもたらすことを理由に撤回させます。
ときを同じくして、築地の大東亜病院(旧聖路加病院)が接収され、
第42ジェネラルホスピタルと名称変更となり、続いて築地病院も接収されたのでした。

戦後の混乱が続く昭和23年6月、GHQから「駒込病院の改良を要する点」という覚書が出され、
翌24年には「駒込病院普通科の廃止」勧告が出るのですが、これを署名運動で沙汰やみにさせます。
戦後、発疹チフス、流行性髄膜炎、日本脳炎と間断なく流行しては治療にあたり、
さらに軽度結核患者の受け入れを開始(25年に打ち切り)すると、
アメリカからストレプトマイシン20万本が輸入されました。
その年の9月、クロロマイセチンの腸チフスへの治験が開始されます。

そこで、不可解な事件が発生します。
このことは、以前コメント(ここをクリック!)していますが、
駒込病院百年史を読み進むと、別の論調で再度次のように書かれていました。

「丁度、その時、看護婦食堂の1つの机だけで、
その“やかん”に腸チフス菌が投入されていたという妙な事件が起り、
患者が、しかも重症例が続発し出していたのである。
パーク・デヴィス-三共よりの依頼による治験であったが、
きわめて貴重な、しかし悲しい経験をすることになった。
アメリカ人は5グラムにも耐えられるのに、日本人は3グラムにも耐えられなかったことは、
外国の薬を日本人に使う時には常に慎重な注意が必要であることを
身を以て知ったのである。・・・(中略)
無闇に抗生剤を、ことに2種も3種も同時に重症例に用いぬこと・・・
後年、ある私大病院でネズミチフス菌の食中毒例の成人が
3グラムの本剤で翌日死亡したのを知らされたことがある。」

またこの事件のとき、GHQの指令によりレッド・パージ(赤狩り)が行われ、
医師2名、看護婦5名が分限免職(公職追放)となり、
翌25年には広範囲に処分されます。
また、1~2月、上野駅地下道を中心に発疹チフスが爆発的に流行し、
駒込病院に一挙に215名搬送され治療にあたりますが、
不思議なことにその後ピタッと発生が止まります。
5月初旬になると、赤痢が大発生。
荒川区では、患者221名(死亡7名)にのぼる集団発生が出ます。
いずれも同じ店の節句の柏餅を食べたことが原因と特定されるのですが、
調べてみると、店の幼児(1歳1か月)が赤痢症状を示していて、
そのことから、排便処理が十分ではないためと類推されたものの、
店の関係者からは保菌が、なぜか確認されませんでした。

今回の新型コロナウィルス感染症の世界的大流行が、
生物兵器に対する各国の対応力(政治力・軍事力)を
確認するための壮大な実験だったとは思いたくはないですね。
アメリカで承認された「 レムデシビル」を先に国内承認して大量輸入することと、
日本で開発され、備蓄薬としてある「アビガン」がやっと追加で承認されることは、
何か腑に落ちない感じがします。
とにかく、この薬があるから安心・安全と思うのは時期尚早と、
しばらく様子を見たいと思います。

それにしても、世界的にも、国家的にも、危機的状況であることをかえりみず、
わざわざ憲法記念日にあたって、新型コロナへの当事者能力の稚拙さを、
現行憲法の不備として、憲法改正問題にすりかえる思考方法が恐ろしい限りです、


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2 コメント

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市民病院 (酔華)
2020-05-06 10:43:33
新しい市民病院がオープンしたみたいですが、
古いほうの建物はどうなっているのでしょうかね。
ん十年前、検査技師たちと病院近くで花見をしたのを思い出しました。
返信する
旧市民病院の使い道 (メタ坊)
2020-05-07 22:37:49
何かの市長コメントで、
530床のコロナ患者受入れ態勢を5月初めに整える
と聞いて、
てっきり移転後の旧病院建物を使うと思いましたが、
あらためて調べてみると、
4月8日の市長定例記者会見で、
旧病院建物で200床確保すると発表しており、
次の4月15日の記者会見では、
市民病院(200床)、みなと赤十字病院、市大附属病院、市大センター病院をはじめ、
市内の医療機関約10施設で、
中等症以上の患者500床を確保すると話しています。
続いて4月24日のプレス内覧会では、
旧市民病院の建物は軽症や
無症状の陽性患者(約200人)を受け入れる
宿泊療養施設として活用すると答えています。
医療従事者の確保がネックのようです。
返信する

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