secret boots

ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

同調圧力の正体

2023-11-11 22:33:29 | 毎日コラム
日本には強力な同調圧力があるとしばしば言われる。
マスクを例にしてもわかりやすい。
こないだまでマスクをしない人間は吊し上げられたのに、5類になったとたん、今度はマスクは顔を覆い隠すからコミュニケーションには不適だと言われる。
こういう例はいくらでもある。

最近のスポーツ紙は、岡田監督を持ち上げるのに忙しい。
優勝した途端、彼を批判することはほとんどタブーになりつつある。
甲子園で優勝したチームも似たようなものだろう。
しかし、私はここに、自然主義だからだ、という説明を試みたいのだ。

マスクをすることが、大勢の流れ、世の流れ、自然なことであると思われた場合、人々はその科学的な見地や社会的な記号性を一切無視して、追従する。
それは自分の言うことを聞かせたい、という願望である、というよりはむしろ、自然に従うべし、という強いテーゼであるように思う。
だから、そこにはマジョリティかマイノリティかという区別はあまりない。
マイノリティであっても、それが自然なことである、と認識されたら一気に広がる。
多数派と少数派が簡単にひっくり返るのは、効用というよりは自然かどうかにあるようだ。

わかりやすいのはクラスでのいじめだ。
加害者と被害者が急に入れ替わるのは珍しくない。
それは知性や体力といった個人の能力ではなく、それが自然なことであるかどうかがキーとなる。
だからいじめられる側にほとんど理由がないということ、あるいはあってもほんの些細なことである場合が多い。
これはSNSで炎上する場合にも似ている。
時に過剰な反応が示されるのは、批判することが自然であるかどうかという感覚によるところが大きい。

江戸時代があれだけ長く続いたのも、そのメカニズムが秀逸だったからなのか。
飢饉にたびたび襲われたのに、幕府に反抗しなかった、そのあたりに自然主義的な日本の民族性があるのではないか。

知らんけど。

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