外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(37)~イタリア南部バジリカータ州への旅・ポテンツァでうろうろ編~

2020-12-18 20:02:37 | イタリア

 

 

アリアーノで1泊した翌朝、7時半のバスでポテンツァに移動した。ポテンツァはバジリカータ州の州都で、そこそこ大きな街だ(といっても2019年の統計で人口6万6千人ちょっと)。

 

朝6時に起きて、荷物をまとめてから朝食をとるために階下に降りたが、朝食が用意されているはずのダイニングルームに鍵がかかっていて入れない。む~・・・

 

しばらくドアをガチャガチャやってみたが、開く気配がない。経営者に電話をしてドアを開けてもらうこともできたが、元々それほど朝食を食べたいわけでもなかったので、やめておいた。ここはB&Bのはずなのに、Bになっちゃったな~

 

入口を閉めてから、教えられた通りに鍵を郵便受けに入れ、スーツケースを引きずって教会の向かい側のバス停に向かった。早めに行ったのだが、もう中高生らしき男の子たちが何人か集まっていた。やがて女の子たちもやってきた。毎日バス通学か、ご苦労なことだ。

 

教会のファサードも人の顔に見える。可愛い・・・

 

 

ほぼ時間通りにバスが来て、子供たちと私を乗せて出発した。さようなら、アリアーノ。またここを訪れることがあるだろうか?

 

・・・ないかもな。遠すぎるもん。

 

終点のサンタルカンジェロには、8時頃に到着した。乗り継ぎについて運転手さんに質問したら、バス停で1時間ほど待てばポテンツァ行きのバスが来るし、もっと待てばローマ行きの便なども来ると言われた。

 

 

 

 

時刻表をチェックしたところ、ローマ行きは3時間くらい待たなければいけなかったので、ポテンツァ行きに乗ることに決める。ポテンツァからローマへは、比較的安いインターシティ(国内特急列車)でも5時間かからない。翌日のローマ・フィウミチーノ空港発の帰国便は深夜に出るので、ポテンツァに1泊して翌朝の電車でローマに向かっても余裕があるはずだった。

 

9時にやってきたバスに乗り込み、うとうとしているうちに2時間ほどでポテンツァに着いた。料金は5.9ユーロ。アリアーノ・サンタルカンジェロ間は1.3ユーロだったと思う。

 

運転手さんの話では、バス停のすぐそばのエスカレーターに乗れば、市内中心部(チェントロ)の旧市街に行けるという。予備知識がなければ、「え、なんでエスカレーター?」と戸惑うところだが、ネットであらかじめ情報収集した結果、ポテンツァには江の島のエスカーのような有料の長距離エスカレーターがあって、それが公共交通機関の1つとして機能しているらしいことが分かっていた。イタリアでこういう用途のエスカレーターにお目にかかるのは初めてだ。

 

これが乗り場

 

 

チャージが出来る交通系カードを最初に買う。2.5ユーロで、4回乗れると言われた。

 

 

何階分か乗り継ぐ。チェントロは随分高いところにあるようだ。

 

 

チェントロに着いたら、ホテル探しを開始。

 

路上で通りすがりの人に安めのホテルを知らないかと質問していたら、それを耳にしたらしい小柄なおじさんが近寄ってきて、「近くに知り合いがやっているホテルがあるから、そこはどうだ?」と話しかけてきたので、彼について行った。

 

それは、街の中心の広場から少し坂を下ったところの建物の2階に入っている三ツ星ホテルで、「アルベルゴ・ミラモンティ」(Albergo Miramonti)という名前だった。ネットで下調べした時、こういう名前のホテルを見た記憶がある。怪しいホテルじゃなくてよかった・・・(HPはこれ

 

 

 

 

おじさんは、建物の前まで案内してくれた後、中に入らずに「じゃあ」とあっさり立ち去って行った。客引きを頼まれているわけではないらしい。中に入ってみたら、受付の担当の人は不在で、代わりにお掃除担当の女性が対応してくれた。シャワー・トイレ・朝食付きのシングルで1泊40ユーロ(5千円ちょっと)。

 

この人もマテーラで喋った人たちもそうだったが、この地域の住民は丁寧語で話すとき、通常の2人称単数の代名詞「LEI」(あなた)ではなく、2人称複数の代名詞「VOI」(あなた方)を使うことがあるようだ。相手は1人なのに、「あなた方は1泊されるのですか?」と質問するわけだ。これは古い用法で、イタリアの時代物のTVドラマでそういう話し方を見たことはあるが、直に耳にしたのは今回が初めてだった。

 

「Narciso」(ナルチーゾ=ナルシス)という名前の部屋だった。私にピッタリか。

 

 

バルコニーが付いていて、見晴らしがよかった。

 

 

2時間くらい昼寝して、少しエネルギーが回復したところで、翌日のローマ行きの列車のチケットを買いに中央駅に行くことにした。ポテンツァ中央駅は、さっきバスを降りてから乗ったエスカレーターを逆方向に乗って、さらに10分ほど坂を下りたところにある。スーツケースを運ぶのはちょっと大変そうだ。

 

エスカレーターを降りたら、ライオン像のあるロータリーがみえた。ポテンツァはライオンの街らしい。

 

 

 

中央駅

 

 

駅の窓口で、翌日のローマ行きの特急のチケットが欲しいと言ったら、係の男性が安いチケットを探してくれた。オフェルタ(キャンペーン価格)で16ユーロ(2千円ちょっと)と格安だ。普通はこの倍以上はするはず、おかしいな・・・と思いつつ、深く考えずに支払いを済ませ、駅を出て歩き出す。この時にしっかりチケットを見て、日付を確認をしていれば良かったのだが・・・

 

 

ブーツ型のイタリア半島の土踏まず(?)の上のポテンツァから、サレルノ・ナポリ経由でローマに出るチケットを購入。

 

 

チェントロ行きのエスカレーターのところに戻る途中、通りかかったバールで休憩することにして、プロセッコを1杯飲む。カウンターの中の地中海美人にパニーノはあるかと聞いたら、「ないのよねえ」と申し訳なさそうに言いつつ、サービスでポテトチップスをお皿に盛って出してくれた。優しい・・・

 

戸外のテーブルに座り、プロセッコを飲んで塩味のポテトチップスをつまむ。イタリアのポテトチップスは美味しい。

 

 

通りの向こうを眺めていたら、茶トラの猫が見えた。すぐにどこかへ行ってしまったが。



 

飲み終わってから通りを渡り、さっき猫がいた辺りに行ってみたら、近くの駐車スペースですごく可愛い子猫を発見した。

 

 

 

薄汚れてはいるが、アイドル級の可愛さだ。

 

 

手持ちのカリカリをあげたら、がっついて食べていた。お腹が減っていたらしい。君は私に遭遇してラッキーだったね。ふふふ・・・

 

子猫を眺めていたら、ピザの残りのようなものをくわえた白黒の大人猫も登場した。ここは猫スポットのようだ。ためしにカリカリをあげたら、ピザを放り出して飛びつき、必死に食べていた。高級で美味しいカリカリだから、固くなったピザより美味しかったに違いない。

 

 

 

 

駐車場のそばの魅惑的な階段。登りたくなったが、体力がないので我慢した。

 

 

カリカリを全部あげてからまた歩き出し、エスカレーターに乗ってチェントロに戻ってから、その辺を当てもなく散策した。すると、別のエスカレーター乗り場があったので、そっちにも乗ってみることにした。我ながら暇なやつ。

 

郊外に出るエスカレーターで、けっこう長い。

 

 

 

降りたところは緑豊かな住宅地で、野原や木立の向こうには団地が並んでいた。

 

 

 

野原に生えていたイチジク。実がなっていた。

 

 

特にやることもないので、またエスカレーターに乗って戻り、散策の続きをやる。

 

 

コンビニっぽい小さなスーパーを発見したので入ってみた。

 

サボテンがある。

 

 

ヨルダンで時々買っていた甘くて美味しいつぶれ桃もある。

 

 

ここで猫のエサとワイン、水を買い込んだ(重い)。桃も少しだけ。イタリアのスーパーで果物や野菜を買うときは、好きなだけ取って袋に入れ、秤に載せてボタンを押せば値段のラベルがにゅうっと出てくるので、それを袋に貼ればいい。

 

適当に歩いていたら、チェントロの中心の広場に戻ってきたので、広場に面した大きなバールに入り、オレンジとザクロの生絞りのミックスジュースを飲んだ。立ち飲みの値段なのに、3ユーロした(約380円)。プロセッコの2ユーロより高い。

 

オレンジとザクロのミックスジュース。旅先でのビタミン補給にピッタリだ。高いけど。

 

サンドイッチもあった。

 

 

外の広場で座ってお喋りしている年配の仲良しグループが多い。

 

 

 

 

次第に日が暮れてきた。また少し歩いて、目についたバールの屋外のテーブルに座り、アペリティーヴォ(食前酒)を頼む。ビールとワインを1杯ずつ飲んだのだが、つまみにコロッケのようなものや揚げパン、ミニピザの盛り合わせが付いてきて、それを食べただけでお腹いっぱいになってしまったので、これを夕食代わりにした。

 

めっちゃ茶色

 

 

ホテルに帰ってから、ベランダでバジリカータ州の白ワインを飲みつつ夜景を眺めていた時、猫らしい影が通りを横切るのが見えた。やはりバジリカータには猫が多いようだ。

 

 

 

 

すっきりした味の美味しいワインだったが、白は途中で飽きる。

 

 

このホテルはWi-Fiが弱くて、あまり使い物にならなかったので、ネットは諦めてテレビを見て夜を過ごした。国営放送のRAI3を見ていたら、私の好きな長寿番組「CHI L'HA VISTO」(=誰がその人を見たか?)が始まったので、ついついのめりこんで見てしまった。冒頭では、14歳と16歳の少年2人が91歳の知り合いのおばあさんを強姦した事件が取り上げられていて、興味深かった・・・これは、主に消息不明になった人を探すための番組なのだが(視聴者から電話で寄せられた目撃証言によって番組中に探し人が見つかることもある)、時には刑事事件なども取り上げ、目撃証言を集めて警察に提供したりしているのだ。

 

ネットから取った写真。司会者は私がイタリアにいた頃からずっと同じ人だ。

 

 

かつてイタリアに住んでいた頃、「もし私が消息不明になったら、この番組で探してもらいたいな・・・」などと不吉なことを考えていた時期がある。結局、探してもらう必要はなかったわけだが。

 

 

寝る前に、今日買った電車の切符を念のために確認したら、なんと日付が1か月後になっていた・・・やれやれ、道理で安かったわけだ。早期割引だったのだろう。明日早めに駅に行って変えてもらわないといけない。睡眠不足で重い荷物を引きずるのは体にこたえるから、早く寝なければ・・・

 

 

(続く)

 

 

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2 コメント

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Michiさんへ (Zhen)
2020-12-19 22:40:18
こんばんわ
プロセッコとポテトチップスの写真見てたら、ポテトチップスが食べたくなってしまうほど、印象的な1カット。
エスカレータが、公共交通機関というのは、珍しい。でも、よくよく考えてみれば、何もおかしいところないですね。
寝る前に切符を確認して、良かった、良かったですね。間抜けな僕は、飛行機のチェックインで、このチケット、昨日のですと言われて、ガ~ン。10万円払って、チケット買いなおしたことも。
では、また。
Zhenさんへ (Michi)
2020-12-20 19:02:31
10万円のチケットを買いなおし(>_<) それはイタイですね・・・私もうっかりしそうになることが時々あります~

Zhenさんのコメントを見て、私もポテチが食べたくなり、今朝寝る前に食べてしまいました。胃に悪い~でも美味しかった~ 昔はカラムーチョ系のものばかり食べていましたが、近ごろは塩味が美味しく感じられます。

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