外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2022年イタリア・ヨルダン・トルコ周遊記(5)~ローマ初日・ホテル探し編~

2022-09-07 22:40:53 | イタリア

 

 

前回のブログからずいぶん間が空いてしまった。

 

8月は全然予定がなくてずっと暇だったので、下旬につい図書館でフランス語とペルシャ語の初心者用テキストを借りてきて、勉強し始めてしまい(その後自分で教材を買った)、そちらにエネルギーと脳の機能を奪われて、他のことが何もできない状態になっていたもので。両方合わせてせいぜい1日2~3時間しかやってないのだが、終わった後に脳みそが煮詰まったような状態になって、何も考えられなくなるのだ。年のせいかな…

 

しかし、このままブログを途中で放置するのも気になるので、趣味の語学学習の時間を減らしつつ、なんとか旅行記の続きを書くことにした。成田からドーハ経由でローマに到着したところで終わっていたので、その続きからだ。

 

 

ローマのフィウミチーノ空港

 

 

フィウミチーノ空港に到着したのは、予定通り14時頃だった。

 

空港建物内に入って、まず入国手続きを済ませる。日本パスポート所持者はシェンゲン圏内の空港で査証免除対象者の専用レーンを通れるので、列に並ばずにスムーズに入国できた。

 

空港職員のイタリア人たちは、お互いに「Ma Daiii!」(マッダ~イ=何言ってんのよ!)とか、「Forza!」(フォルツァ=がんばって!)とか言い合いながら、和気あいあいと仕事をしている。旅客への接し方もナチュラルに感じが良い人が多く、全体的に人間的な雰囲気が漂っている。成田空港ともドーハの空港とも違う、イタリアらしい雰囲気だ。

 

荷物の引き取りも意外にスムーズに行き、片隅にあるATMで必要分のユーロ現金をカードでキャッシングしてから、空港隣接の鉄道駅へと向かった。

 

イタリアでは、公共交通機関の車内でのFFP2マスク(米国規格のN95 に相当する密閉性の高いマスク)の着用が義務付けられていて(9月30日まで)、これなしには電車に乗れないから、空港内の売店に買いに行った。カタール航空のドーハ発ローマ行きの搭乗口で無料で配っていたのだが、ぼんやりしていてもらい損ねたのだ。(痛恨)

 

 

FFP2はクチバシ型

 

 

 

通りかかった売店のレジ脇に「offerta(オッフェルタ お買い得品)1.5ユーロ」(約200円)という札付きで売られていたので、レジに並んだ。私の前には色白でぽっちゃりした上品な紳士が並んでいた。彼が煙草を買おうとして紙幣を差し出したら、レジのイタリア人のおば様は「お釣りがないから、もっと細かいお金を出してって、英語でどういうんだっけ…」とつぶやいた。それを聞いた私が「出たぞ、イタリア人の小銭出せ攻撃が」と思っていたら、その紳士がイタリア語で「僕、イタリア人なんだけど」と言って笑いだし、それを聞いたおば様が「ええ~、あなたイタリア人に見えないわ!スウェーデン人顔じゃないの!(Hai faccia da svedese)」と言い返して、2人で盛り上がっていた。イタリアらしい一コマである。その紳士(確かにイタリア人らしからぬ風貌だった)は小銭を出して無事に煙草をゲットし、私も当然小銭を出してマスクをゲットした。

 

その後、鉄道駅に移動してテルミニ駅までのレオナルド・エクスプレス(空港特急)の切符を買ったら(14ユーロ=約2千円)、切符売りのおじ様が「Buon viaggio!」(ブオン・ヴィアッジョ=良い旅を!)と言って微笑んでくれた。イタリア、いい国だな。住まなくなってからもうずいぶん経つので、「わ~懐かしい!」というよりは、「あ、お邪魔しますね…なんか見たことある風景ばっかりだけど、デジャブかな」くらいな気分だったが。(認知症入口)

 

 

フィウミチーノ空港駅とあごマスクの皆さん

 

車内

 

 

FFP2マスク着用の義務を告知する車内放送が流れていたが、違う種類のマスクをつけている人も多かった。見回りの係員も、マスクをつけてさえいれば何も言わずに見過ごしていたので、他のマスクよりやや高くて息苦しいFFP2を買わなくてもよかったのかもしれない。

 

 

約30分でテルミニ駅(ローマ中央駅)に到着。ここからが試練の始まりだ。試練とはつまり、ホテル探しである。長旅で疲れているのに、30度を超える炎天下の中、宿を求めてスーツケースを引きずりながら歩き回るのは、考えるだけでしんどい。私、体弱いのに…でも、予約をしたくなかったんだからしょうがない。駅構内には荷物預り所もあるのだが、8ユーロかかるし、そこまで預けに行って、また引き取りに行くのも面倒なので、利用しないことにした。

 

 

まず駅のバールでカッフェ・マッキアート(スチームミルクをたらしたエスプレッソ)を飲んで、元気回復を図ることにした。

 

 

バリスタのお兄さんがカメラ目線

 

 

久しぶりに飲むイタリアのエスプレッソは、ものすごく美味しく感じられた。家で自分で淹れるやつと全然違う。日本ではエスプレッソの粉が高いから、私はブレンド用の粉をエスプレッソメーカーに詰めて淹れていたんだが、そのせいかな。(そもそもそれはエスプレッソじゃない)

 

今回は、駅付近の中華街の辺りでホテル探しをすることに決めていた。前回旅した時に、「この界隈には安宿がありそうだ」と目を付けていたのだ。駅の「Via G.Giolitti方面出口」(電車のホームを背にして左手)から出て、マクドの前の道を左方向(駅のホームの方向)に歩いて、ほんの数分で中華街の商店が現れるのだが、その手前で「Hotel」というサインが見えたので、その建物に入ってみた。

 

薄暗い玄関ホールの奥がホテルのフロントになっていたので、そこまで行って、カウンターの向こう側にいた南アジア系らしき男性にシャワートイレ付シングルの値段を聞いてみたら、60ユーロでWi-Fiがないという。

 

フロントの雰囲気からして、かなりうらぶれたホテルだと思われたし、Wi-Fiがないところは問題外なので、「この辺で他に安いホテルはありませんか?」と聞いてみたところ、彼は「この辺りはホテルだらけだし、この建物の上にもあるよ」と親切に教えてくれた。但し、「でも、うちより安いところなんてないけどね」と付け加えるのを忘れなかった。

 

その言葉はさくっと無視して、お礼を言ってエレベーターで上に登り、3階(日本の4階)に入っていた「Rossi Hotel」(ロッシ・ホテル)というところでフロントにいたイタリア人のシニョーラ(=英語の「ミセス」)に値段を聞いてみたら、シャワートイレ付シングルは1泊50ユーロ(約7千円)だという。50ユーロはイタリアの都市のホテルとしては底値だし、部屋を見せてもらったら、この値段にしては非常に綺麗で、もちろんWi-Fiも使えたので、ここに3泊することに決めた。税金の3ユーロは負けてもらった。今回の旅では、ローマに3泊してからヨルダンに移動する予定だったので、ローマでの宿の問題は、もう解決したことになる。ホテル探し2件目にして早速見つかるとは、なかなか幸先がいい。私の人徳かな、ふふっ。

 

フロントのシニョーラはエリザベッタと名乗り、「この部屋は、知り合いが泊まる予定だったけど、急にキャンセルになったから、ここだけ空いてたのよ。他の部屋は全部ふさがってるの」と教えてくれた。彼女はウソをつくタイプには見えなかったので、これは本当だと思う。だとしたら、ここは私の運命のホテルかもしれない。私は「運命」という言葉に弱いのだ。運命の国、運命の家、運命の猫、運命のホテル・・・

 

支払いを済まして、早速チェックインする。エリザベッタさんは冷たい水のボトルを1本サービスしてくれた。もっと欲しければ、廊下の自販機で買うこともできた。

 

 

全体的に乙女チックな内装

 

 

ハンガー掛けが特にラブリー

 

 

部屋の一角に設置された洗面所。洗面台が小さくて洗濯しずらかったが、見た目はかわいい。

 

 

シャワー室はドアが閉まるタイプなので、トイレが水浸しにならない。

 

 

エアコンはないけどダイソンの空気清浄機付き扇風機があった。

 

 

ローマのホテルでダイソンの扇風機にお目にかかるとは・・・ローマはこの時期、すでにかなり暑かったので、エアコンがあった方がよかったが、扇風機でもなんとかしのげた。とりあえず1時間ほど仮眠を取ってから出かけることにして、早速ベッドに横になった。大通りに面していないので、部屋の中は非常に静かだった。

 

 

(続く)

 

 

 

 

 

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2 コメント

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ウンム・キタト・ミチさんへ (Zhen)
2022-09-08 22:17:00
待ってました!

フランス語とペルシャ語を同時に勉強する人がいるなど、語学が大嫌いで、怠け者の僕には、信じられないのですが、いるんですね。ミチさんは、僕から見ると奇跡の人だ。尊敬以上の存在。

文章の各所に笑いが埋め込まれているのは、関西人の証拠ですか?マクドと言う、言い回し、やっぱり関西人。関東人がマックと言うのは、ご存知の通り。中国人でないのに僕は、マイタンローと言います。

最後に、ねこの写真がないと、何となく寂しく物足りなく感じるのは、なぜ、でしょうか?

では、また。
Zhenさんへ (ウンム・キタト・ミチ)
2022-09-09 20:18:38
フランス語とペルシャ語学習は年齢的に今からマスターするのは無理なので、趣味的にやっております。続くかどうかわかりませんし、奇跡なんてとんでもございませんよ~特殊人材って感じですかね…

Zhenさんは家に閉じこもって黙々と勉強するよりも、外に出て人と触れ合い、自分の足で歩き回る方がお好きですよね。人それぞれですね~

たまにしか更新できてないブログですが、読んで笑っていただけたなら嬉しいです~中国語でマクドはマイタンローなんですね~メモメモ。

最近猫に出会っていないので、おまけの猫写真がないんですよね・・・また何か考えますね~

では、またよろしくお願いします~

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