メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in SPAIN 21 《エル・エスコリアル前編》

2012年03月20日 | メガヒヨのホリデイ

とうとうスペイン観光の最終日。

本日は電車に乗ってエル・エスコリアルに行くことに。

チャマルティン駅から、RENFE近郊線で一時間ほど。
バスでも行けるけれど、本日は電車をチョイス。


車両の二階に席を取り、出発~♪


線路沿いにあったスペインらしい可愛いお家。
常に頭の中は「世界の車窓から」のテーマ音楽が流れている。

 
これも電車から見えた風景。
この送電鉄塔、牛の顔に似てないかな?
角と耳があるところとか!


El Escorial駅に到着♪
ちょうどバスが来ていたので、そのまま修道院へ。


5分ほどで修道院についた。
さっそく中を見学しよう。


(絵ハガキより借用)
1557年にフェリペ2世により建設が着手されたこの修道院。
27年もの歳月を経て1584年に竣工。
南北207m,東西161mに至る広大な建物である。

ちなみに日本の天正少年使節もこちらを訪れている。
この規模にはさぞかし驚いただろうな…。


(絵ハガキより借用)
上から見るとスペイン名物パティオ(中庭)がいっぱいあるなぁ。
でもこれって、ただのパティオではない。

フェリペ2世がサン・キノティンの戦いでフランスに勝利したのは8月10日。
その日は焼き網の上で殉教した聖ロレンソの日だった。
それ故、この修道院は「焼き網」をイメージして設計されている。
つまりパティオひとつひとつが、網目というはなし。


入口にて入場料10ユーロを支払う。
パンフレットは別料金、1ユーロ。日本語版は無いので英語版を購入。
だけどこのパンフレット、文字ばかりで中の見取り図も何もない。
順路の矢印だけを頼りに見学することに。 
こちらは本当に広いので、全体図が分からないのには参ってしまった!

ところでこのエル・エスコリアル修道院も、スペインの多くの例にもれず内部の撮影は禁止。
しばらくは借用写真にて解説するね


(絵ハガキより借用)
まずはこのエル・エスコリアルの建築当時の資料展示から。

建設に携わった技師・職人の息遣いが伝わってくる。
彼らの仕事が見事に500年後の世界にまで残るなんて!!
建物作りって、何て前向きな職業なんだろう。
メガヒヨはエンジニアではないけれど、似たような仕事をした人が当時この地にもいたんだろうな。
先人に敬意を抱きつつ、自分も誇りを持てた。


(wiki先生より借用)
美術館には数多くの展示がされている。
中でも見どころは「戦闘の間」。
長さ55mの壁面にフレスコ画が延々と描かれている。


(wiki先生より借用)
修道院の会議室だった場所には、数多くの有名画家の作品が並ぶ。
特にベラスケスの『ヨゼフの聖衣』は、ミュージカル『Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat』の一場面そのままだったこともあり、興味を引いた。

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窓から外を覗くと素敵なお庭が。


フェリペ2世もこんな風景を眺めていたんだね。


季節は5月。
緑がまぶしい。 


(絵ハガキより借用)
美術館を過ぎると王家の霊廟へ。
世界史で名前を見かけたことのある王様、女王様の棺が安置されている。
そして別室には王族の墓所が並ぶ。
小さい王子・王女のお墓も少なくなく、胸が痛くなった。医療が発展していない時代だから仕方がないけれど。

不謹慎だけど、大理石で出来た棺は美術的に大変素晴らしく、ひとつひとつ眺めてしまった。
遠い昔でもない棺もあり、あらためてここは今でも「王国」なのだなと気付いたりも。


(wiki先生より借用)
大聖堂(バシリカ)に向かう途中にある天井画。
見上げると吸い込まれそうな感じ。


(wiki先生より借用)
この修道院の中枢でもある大聖堂。
とにかく大きくて、圧巻。


(絵ハガキより借用)
大聖堂の祭壇。
巨大ながらも見事なつくり。
訪れた当日もミサが執り行われており、観光客が立ち入れない時間が設定されていた。
敬虔な信者の方のためには、その様にした方がいいよね。
いくつもの寺院めぐりをしたメガヒヨもそう思う。


一通り見終わり、出てきたのはバシリカのファサード。

でもあれれ? 「地球の歩き方」に載っていた図書館は?
これって見なかったよ。
分からずに通り過ぎちゃったのかな~。

てなわけで、出口にいた職員の方に聞いてみた。
だけど英語が全く通じない。
よしっ! ふたたびスペイン語にチャレンジだ!!

「ドンデエスタ ? (パンフレットにある図書館の写真を指差す。)」

そうするとこちらの言わんとすることが分かってくれたのか、説明してくれた。
もちろんスペイン語で(笑)

だけど教えてくれていることが大体わかってしまった♪
指差しがあったおかげもあるけれど。
職員さんにお礼を言って、その方向に向かう。

このバシリカのファサードがある王の庭(Corurtyard of the Kings)。
そこには外部との境であるゲートがある。
その位置からファサードに向かって左側の方向に進むと階段があるので、そこを上っていく。

そしたらやっぱりあった!! 図書館!!

 
(wiki先生より借用)
なんて絢爛豪華!!
天井画も見事だけど、並べられている本もすごいよ。
展示されているのはレプリカみたいだけど、手の掛け方がハンパない。
それを見るだけでオリジナルの貴重さが伝わってくる。
あと地球儀。
これからも、当時のこの国の天井知らずの強気を感じた。

こちらの図書館では、大航海時代に列強として君臨したスペインの栄華をまさに見せつけられた。
うっかり通り過ぎることをせずに、スペイン語で聞いてまでここを捜し当てて、本当に良かった!!