日曜日の午後、汐留にある日仏文化会館の小さな会場に40人程の聴衆を集めて開催されたリサイタルである。集まったのは日頃からこの二人を熱心に聴いているという感じの聴衆で、二人による曲目解説を挟みながら和やかに進められた。とは言え選曲は本格的なもので、決して”休日午後のサロンコンサート”などというものではない。スターターは珍しいヨアヒム・ラフの作品で、「6つの小品」からMarchia, Cavatina, Tarantellaの3曲。これは緩急緩でまるでソナタのように聞けた。そして続いてブラームスのバイオリン・ソナタNo.1「雨の歌」。伸々と大らかに歌う鈴木のバイオリンを福原がしっかりと支え、その呼応が音楽を更なる高みに押し上げてゆくような中々の熱演で、もうここまでで終わってしまっても良いような、何とも充実感溢れる演奏だった。ここで15分の休憩だったが、余りもの熱演でもう少し時間が欲しいということになって、少し遅れて開始された後半は配布されたプログラムではフランクのバイオリン・ソナタということになっていたが、耳慣れない曲で始まった。これはフランクがこのソナタを捧げたイザイが作曲した「子供の夢」というう美しい佳作。なかなか洒落たことをするなと感心した。そして続くフランクのソナタでも美しいアマティの響きとそれに絡む心のこもったピアノが息の合った熱い音楽を紡いだ。この時期ちょっと反則のブラーボも混じった大きな拍手に、シューマンの「献呈」のアンコールでお開きとなった。
goo blog お知らせ
プロフィール
ログイン
最新コメント
ブックマーク
カレンダー
goo blog おすすめ
最新記事
- ブログの引越しについて
- アーリドラーテ歌劇団「エルナーニ」(2025年7月6日)
- 紀尾井ホール室内管第143回定期(2025年7月4日)
- 東京シティ・フィル第380回定期(2025年7月6日)
- 京都市響第15回名古屋公演(2025年6月26日)
- 山響さくらんぼコンサート2025(2025年6月19日)
- 都響プロムナードコンサートNo.412(2025年6月15日)
- 東京交響楽団第101回川崎定期(2025年6月7日)
- 東京シティ・フィル第379回定期(2025年6月6日)
- ボヘミアン・フィルハーモニック第10回記念演奏会(2025年5月31日)
- 新国「セビリアの理髪師」(2025年5月28日)
- 東響名曲全集(2025年5月17日)
- グリーンコンサート(2025年5月6日)
- 日本フィル「オペラの旅」(2025年4月27日)
- 藤原歌劇団「ロメオとジュリエット」(2025年4月26日)
- 東京シティ・フィル第81回ティアラこうとう定期(2025年4月12日)
- 山下裕賀&小堀勇介&池内 響 with 矢野雄太 ~ Baccanale!! ~(2025年4月6日)
- 東響第729回定期(2025年4月5日)
- 東響第99回川崎定期(2025年3月31日)
- コンサート・ホール・ソサエティのこと