音楽監督のユベール・スダーンの指揮で、ショパンのピアノ協奏曲第2番とブルックナーの交響曲第8番(1890年第2稿ノヴァーク版)というプログラム。協奏曲の独奏はベトナムの名手ダン・タイソンだったが、期待通りの汚れのない繊細なショパンはとりわけ叙情的な2楽章が見事。盛大な拍手にアンコールはその繊細なピアニズムが光るマズルカ第13番だったが、残念ながらたった一人の無神経なフライング拍手が全ての雰囲気をぶち壊してくれた。ブルックナーでは1楽章からスダーンの気迫が尋常ではなく、スコアに首っ引きの極めて細かい振りで筋肉質な音楽が作られる。東響も全てのパートが充実した目のつんだ響きで、とりわけ金管群の充実は目を見張るものだった。しかしながら、その余裕のない振り方が原因なのかもしれないが、全体に自由なイマジネーションが不足していまひとつ高みに達しない歯がゆさが残る演奏であった。終了後は盛大な拍手がおくられていたが、口惜しさを感じながら大喝采を聞きつつ足早に会場を後にした。
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