ビックリしたねえ。ビートブラックが大穴をあけて決着した天皇賞・春。
僕としてはちょっと馬券以前に残念な結果という気もしますが、石橋騎手の騎乗は実に素晴らしいものでした。
こういうレースもまた競馬の魅力でしょう。
さて、簡単にこのレースを回顧してみます。
まずビートブラックの勝因ですが2つ。
①高速馬場を生かした幻惑逃走
前日に短距離戦でレコードタイが出るほど時計が出る馬場だった京都。最初の1000m通過は60秒ちょうど、次の1000mも61秒9と例年より速いペース。しかし、額面通りには受け取れない高速馬場。しかし、後続はこれを飛ばしすぎと判断。また逃げていた馬は人気薄だったこともあり軽視してしまいました。
このため、実際にはそれほど消耗しないペースだったにもかかわらず20馬身以上リードを許したままの逃げを許すことに。時計と実際の消耗度が一致しない特殊な馬場で後続は惑わされることに。おかげでビートブラックは悠々と飛ばしていくことが出来ました。
②石橋騎手の早仕掛け
もう一点は石橋騎手のペースアップの判断。セオリー通りであれば残り800mあたりでペースアップ。しかし、ビートブラックは残り1200mあたりでペースを上げにかかりました。これは①で述べた楽な逃げのおかげでできた業。絡まれることなく、自分のペースで脚をためられたおかげでこの強気の仕掛け。石橋騎手としては時計の出る馬場で前有利を生かしきるために、リードを維持したままで直線まで粘りこみたいという意図でしょう。後続はセオリー通り残り800m、3コーナーの坂からジワッと加速。この400mのずれでビートブラックは早々に決定的なリードを奪い取ってしまいました。11秒台を連発して後半は突き放しにかかりましたが、時計ほど消耗しない馬場の助けもあってこの早仕掛けが奏功しました。
ノーマークで行けたこと、オルフェーヴルら有力馬が後方待機だったために他の馬たちが「後ろ掛かり」だったことも背景要因としては大きいですが、上記二点が勝因と思います。
一方でオルフェーヴルの敗因は、単純に待ちすぎたことでしょう。
確かに折り合いに気をつけなければいけないため、動くに動けないところもありましたが、地力で3コーナーあたりで自分から動いていけば結果は違ったでしょう。今回は結果的に池添騎手、直線だけで帳尻を合わせる作戦となりましたが4コーナー回ったところで先頭とは3秒以上の差。前も止まらず、32秒台の上がりでなければ届かない流れとなっていました。これでは、いくら怪物でも逆転は無理でしょう。凱旋門賞にこだわる必要はないと思います。好きなように走れる距離でがんばって欲しいですね…。この馬にはこの馬の頂点があるでしょう。
【結果】
1着:ビートブラック
2着:トーセンジョーダン
3着:ウインバリアシオン
4着:ジャガーメイル
5着:ギュスターヴクライ
9着:ナムラクレセント
投資額 3000円
回収額 0円
収支 ▲3000円
累計収支 +95100円