【文庫】 東野圭吾「変身」について

　今回紹介するのは、講談社文庫から発売中の本、「変身」についてです。

著者はミステリファンなら誰もが知ってる東野圭吾さんです。

ドキドキする展開、変貌していく主人公の恐怖、そして感動。

そんなすべての要素が含まれているのがこの本です。

内容を簡単に説明します。
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲います。
そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われますが・・・。
それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもないのです。
そして、自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止めます。
そこに隠されていた真実とは・・・？

この作品は映画化され、現在公開中です。

出演は玉木宏と蒼井優。

映画も注目ですが、ぜひとも小説の方も読んでいただきたい。

どう考えても映画化できないシーンもあるので、映画を見た人も見てない人も、読んでください。

東野ワールドにはまること間違いなしです。

なんといっても「始めから最後まで途切れることのない緊張感」これがこの小説のポイントでしょう。

絶対途中で飽きることはないハズです！！

次々に展開するスリリングな話には本気ではまります。

自分が自分でなくなることが分かったら、あなたならどうするだろうか。

主人公の心からは愛してたはずの彼女に対する愛が消えていき、今まで気が弱かったはずの性格が、どんどん凶暴で残酷なものに変わっていきます。

もしあなたがこの主人公のようになってしまったなら、自分の心を侵略しようとしているもう一人の「自分」に打ち勝つことはできるだろうか？

あまりにも悲しすぎる主人公の運命に感動しっぱなしでした。

隅から隅まで巧みに描かれていて、いとも簡単に小説の世界にのめり込んでしまいました。

そして最後の一行にも感動させられました。

すごく綺麗な終わり方で驚いてしまいました。

この本を読んだ後、あなたはどんな自分に「変身」しますか？


この小説にはまった貴方へ・・・
→乙一「暗黒童話」
この本にはまった貴方には人気作家、乙一著の「暗黒童話」という本を紹介します。
話は・・・ 突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。
臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。
それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。
私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。
悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。

っといったものです。こちらも素敵な作品ですのでぜひ、読んでみてください。

のちにこのブログで詳しく紹介します。