MY LIFE,MY SPIRIT by Masato

今までの人生で感じたこと、自分の考え方を率直に語ります

最大のインスピレーション

2006-08-23 16:23:14 | Weblog
20代後半の頃は一番もてた。会社の飲み会で座ればすぐに両脇に女性が座ってお酌をしてくれる。飲み会が終わると腕を組まれる。外では派遣スタッフからデートに誘われる。もう何でこんなにもてるのか不思議だった。男だらけの暗黒の高校時代を経験した僕にとっては、ほっぺたをつねりたくなるような感じだった。

誰でも一生に一回位はもてる時期があるというが、僕はあの頃がそうだった。またあの頃は出会った瞬間にインスピレーションがわくような魅力的な女性が次々と出てきた時期だった。今では4、5年に一度あるかないかなのに。

しかし僕がもてたというより、社内の7割が女性で、扱う商品も全部女性という恵まれた特殊な環境によるのが大きい。しかし皮肉なもので、あまりにも女性が多い環境だと逆に女性に興味がなくなってくる。女性が多いと社内での女性同士の人間関係の確執等も多い。得意先では派遣スタッフの仕事ぶりが悪くてクレームを受けることもあるし、派遣スタッフから派遣先企業での待遇でクレームを受けることも多い。それに派遣スタッフに手を出したりしたのがばれれば、社内の女性に総スカンをくらって全然仕事が回っていかない。

とにかく仕事中はずっと女性に気を遣いっぱなしだった。実際そんな女性の現実を目の当たりにして、入社したての男性社員は一時期女性不信になることが多いし、僕もそうだった。
僕が女性に対して厳しいとか好みがうるさいと言われるのは、この派遣営業マン時代の影響が大きい。女性の嫌な部分を散々見せつけられた経験があるからだ。

その一方、生涯でも最大級の好きな女性と出会い、女性の本当の素晴らしさを実感した時期でもある。その女性の影響で僕自身が変わり、大きく成長することになった。今の自分があるのは彼女のお陰だったと言っても過言ではない。その反面、地獄の淵に落とされたような深い悲しみを味わい、本当に辛い経験をした時期でもある。

僕が関内支店に配属になってちょうど1ヶ月、支店長が翌日に中途採用の社員が入ってくるという。どんな人なのかは言わなかったし、男性か女性かもわからなかったのに、その時なんとなくいい人が来るような予感があった。

翌日は僕は一日中外回りをしていたので会えなかったが、その翌日の3月2日の朝、彼女を始めて見かけた時、突然胸に暖かい光が差し込むような強烈なインスピレーションを感じた。初対面でのインスピレーションは何度もあったが、今だかつてあんな強烈なインスピレーションを感じたことはない。もう頭の先から足の先まで完璧なまでに僕の好みで、世の中にこんな可愛い人がいたのかと思った。完全に一目ぼれだった。

すぐに彼女の方から一言だけ「Tです、よろしくお願いします」と挨拶をしてきたが、僕は「僕も先月来たばかりですがよろしくお願いします」と平静を装うので精一杯だった。
今までFさんがいいなと思っていたが、Tちゃんの方が遥かに好みだった。後で聞いたら父親が会社を経営している元町生まれの元町育ちのお嬢様だった。僕と同い年で有名短大を出て大手出版社に数年勤めていたらしい。
Tちゃんは経歴に比べて性格や服装は派手ではなく、ごく普通のタイプだった。ただ話をしてみるとサバサバというか、あっけらかんとしているというか、ちょっと今風の流行り言葉を使った話し方をする人で、見かけの可愛らしさとは全然違っていた。人間の知性は大体話し方でわかる。もう少し知的な女性かなと思っていたので少しがっかりしたが、とにかく可愛くて僕好みの容姿だったのでそれほど問題ではなかった。

ある日曜日、支店のみんなで石川町でテニスをすることになった。Fさんは華やかなピンクのスコート姿、Tちゃんは地味な紺のジャージでやって来た。Fさんは学生時代からテニスをやっていたが、Tちゃんはバスケットボールをやっていてテニスは遊び程度だった。ところがTちゃんはテニスはそれほど上手くないのにボールに向かってよく走る。意外にガッツのある女性だなと思った。

テニス好きのFさんは僕がテニスが出来るのが意外だったらしく、見直したような、尊敬したような感じで、更に僕にテニスのことで話をしてくるようになった。

後日Tちゃんの歓迎会があった。僕が座るとすぐ隣にFさんが座った。しばらくはFさんと話をしていたが、僕はどうしてもTちゃんと話をしたくて、途中でTちゃんの隣に席を移動してしまった。それがFさんには気に入らなかったらしい。それ以来、Fさんとは少し険悪な雰囲気になってしまった。

それでもどうしてもTちゃんと仲良くなりたかった僕は、5月の連休にTちゃんを二人だけでテニスに誘った。Tちゃんも僕に対してまんざらでもなかったらしく、すぐにOKしてくれた。これを機会に個人的に仲良くなれると胸を躍らせた。Tちゃんが彼女だったら僕は大満足だ。

しかしせっかく期待していた初デートだったが、これが4年間に及ぶ不運の始まりだった。


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