MY LIFE,MY SPIRIT by Masato

今までの人生で感じたこと、自分の考え方を率直に語ります

桜の終わりと新しい父親

2007-04-13 17:52:26 | Weblog
先週、久々に子供達と会って昼ごはんを食べた。
今年に入ってから子供に会ったのは2回目だ。
1回目は下の子の誕生日でケーキを渡すのに2、3分顔を合わせただけだったから、まともに会うのは今回が今年初めてだった。

久々に会う子供は本当に可愛い。彼女達と会うときは、なんだか小さな恋人と会うようで、緊張するような、うきうきするような妙な気分になる。
前日には洗車をして、体調を整えるために早めに眠ったりする。こんな気分は高校時代の初デート以来のような気がする。

いつもそうだが、子供達は最初の頃は照れてあまり話しかけてこない。しかし2,3時間も経つと慣れてきて、まず上の子がじゃれてきて、それを見た下の子がじゃれてくる。
蕎麦屋で昼食を食べ終わり、じゃれながら遊んでいると、下の子が知らない人の名前を言い出した。下の子は僕よりもその人の方がいいという。
彼女に聞いてみたら、仕事場で知り合い、今年から一緒に住んでいる人で、結婚を考えているそうだ。子供達もすっかりなついてしまい、いつも仲良く遊んでくれるという。

なるほど、そういうことだったのか。
いつもの彼女はどこかいらいらしていて、精神的に不安定なところがあった。僕もそれを敏感に感じてしまうので、短時間でも一緒にいて気分が悪くなるのが常だった。

5年前、別れる時にはこの気持ちのすれ違い、精神的波長や価値感の違いが原因で気分が悪くなり、ずいぶん苦しんだものだ。もちろん彼女も、そんな僕の雰囲気を察して不信感を抱いたのだろう。お互いが信じられず、どんどん悪い方向へ行ってしまった。

だからたまに会っても、その時のトラウマが甦ってしまう。子供には会いたい、しかし彼女には会いたくないというジレンマがあった。
ところが前回会った時は、彼女がいつもと違って穏やかで幸せそうな感じだった。ちょうど僕と付き合い始めたころの、おっとりした雰囲気になっていた。ずいぶん変わったな、誰かいい人でも見つかったのかなとは感じていたが、その通りだった。

経済的な理由で、大して好きでもない人を選ばなかったのか心配だったので、彼の人柄や相性について聞いてみた。
ちょっと変わった人らしく、今まであまり定職に就いた事がない人だという。それでも彼は結婚するには、きちんと仕事に就かなければ家族を養えないと理解し、今はまじめにサラリーマンとして仕事をしているそうだ。子供の教育に関しても、彼女のやり方に口を出すことはないし、性格的な相性もいいという。春休みには彼の同僚達も一緒に、子供達とディズニーランドに連れて行ってくれたそうだ。

良かった。本当に安心した。

このまま女だらけの家庭、女だらけの学校にいたら、人間的なバランスが悪い子に育ってしまう可能性があって、ずっとそれが心配だった。子供達が健全に成長するためには、力強くて頼もしい父親がどうしても必要だ。男性というものを生活の中で身近に感じないと、大人になって男性選びで失敗してしまうこともある。

彼女も気が強そうに見えても、内面は弱いから一人で生きていけるタイプではない。経済的、精神的に支えてくれる男性がどうしても必要だ。

だからといって僕が彼女と縁りを戻すことはどうしてもできない。
誰か他にいい人を見つけて欲しいというのが、僕の願いでもあった。
彼の存在のお陰で、彼女が精神的に安定してくれれば、子供達も心を曇らせることなく、すくすくと成長してくれるだろう。

僕も寂しくないといったら嘘になるが、それでも子供達が新しい父親を受け入れて、父親のいる家庭で健全に成長してくれた方がずっといい。
こんな複雑な家庭を承知で、結婚を決意してくれた彼には感謝している。僕はいつか彼にお礼を言わなければならないだろう。

あの頃は人生で最悪の地獄を見て、これから一生悔恨の日々を送らなければならないのかと思ったものだ。しかし時間の経過と共に、状況は変わっていく。
あの頃あれほど悩んだことも、いつの間にか良い経験となり、自分自身を成長させるために必要だったことだと理解できるようになった。
僕もこれで思い残すことなく、次のステップに進むことができそうだ。

別れ際、公園の桜が終わりを迎えていて、美しい桜の花びらが沢山散っていた。子供達は桜を雪だと言ってはしゃぎまわっていた。

散り行く桜の花びらが、子供達との別れを象徴しているようだった。