Tちゃんとの最後の勝負に敗れたことで、もう僕はTちゃんを完全に諦めることにした。
あれほど努力して自分を変えたのに、今までの2年半は一体何だったのか。悔しい気持ちで一杯だったが、自分で決めたことだから仕方ない。Tちゃんに誕生日のプレゼントを渡して、それを気持ちの区切りにした。Tちゃんへの気持ちはすべて心の奥底に封印することにした。
その後、K子に電話し、デートに誘った。K子は僕とTちゃんとの社内の噂が気になっていたらしく、私との事を絶対に他の人に話さないならデートしてもいいという条件だった。
僕も散々社内で噂になって痛い目を見ていたので、望むところだった。それにもし僕とK子が付き合っていることが社内でばれれば、K子が更にいじめを受ける可能性があった。お互い絶対口外しないという約束で交際が始まった。
週末は一緒に横浜で食事をしたり、飲みに行ったり、海へドライブをしたりと、楽しい日々だった。K子は僕とは全く違った感性の持ち主で、率直で自分の考えをストレートに言ってくる。K子独特の感性が面白くて、お互い会話が会話を生んで話は尽きることがなかった。
彼女は非常に感性が優れていた。服や装飾品のデザインや色あいにこだわったり、絵を見たり描いたりするのも好きだった。
また情が深くていつも献身的に尽くしてくれた。特に料理が得意でいつも得意の料理でもてなしてくれた。和洋中何でもござれで、オリジナルのレシピを沢山持っていて、どれを食べても美味しかった。男は料理の上手な女性に弱いというのは本当で、彼女の料理は今でも鮮やかに舌の記憶に残っている。さすがバツイチは伊達じゃないなと妙に感心した。
しかし彼女は情が深い分、やきもち焼きで、Tちゃんの件ではちくちくと何度も嫌味を言われた。彼女は僕とTちゃんの噂を聞く度に相当傷ついていたらしい。
どうしてTちゃんではなくて自分を選んだのかとか、Tちゃんから受けた嫌味とか、いろいろ聞かされた。いつも適当に答えておいたのだが、ある日彼女のマンションでこう言われた。
「あなたはTちゃんのことでこんなに噂になってどうするつもりなの?あなたはこれからどの支店に異動したってTちゃんのことを言われるのよ」
これを言われた時はいつも平静な僕もなぜか平常心を失ってしまい、こう言ってしまった。
「俺は人に何と言われたって構わない!俺にとってあんなにいい子はいないんだから!」
それを聞いたK子は激怒し、僕を突き飛ばしてマンションから追い出した。僕は寒空の中、とぼとぼと一人家に帰るはめになった。
それから1週間かけて彼女に謝って仲直りをしたが、僕の気持ちがまだTちゃんに残っていることを象徴するような出来事だった。
しかし最初は順調にいっていたK子との交際だが、半年も経つと彼女との価値観の違いが明確になってきた。
人生の考え方も、僕はスピリチャリズムの影響でストイックな生き方を善しとする考えだが、彼女は快楽主義的で今が楽しければいいという考え方だった。僕は彼女の生き方や考え方はどうしても短絡的で刹那的な感じがして共感できなかったが、彼女は自分の感性と価値観が絶対で、それ以外の価値観を柔軟に受け入れることがなかった。
彼女といるとどこか精神的なバイブレーションが合わず、一緒にいて疲れるなと感じるようになってきた。また将来ずっと一緒にいるようなイメージもどうしてもわかなかった。
少しずつ価値観の部分でどうしても合わないことが明確になりつつあった。
あれほど努力して自分を変えたのに、今までの2年半は一体何だったのか。悔しい気持ちで一杯だったが、自分で決めたことだから仕方ない。Tちゃんに誕生日のプレゼントを渡して、それを気持ちの区切りにした。Tちゃんへの気持ちはすべて心の奥底に封印することにした。
その後、K子に電話し、デートに誘った。K子は僕とTちゃんとの社内の噂が気になっていたらしく、私との事を絶対に他の人に話さないならデートしてもいいという条件だった。
僕も散々社内で噂になって痛い目を見ていたので、望むところだった。それにもし僕とK子が付き合っていることが社内でばれれば、K子が更にいじめを受ける可能性があった。お互い絶対口外しないという約束で交際が始まった。
週末は一緒に横浜で食事をしたり、飲みに行ったり、海へドライブをしたりと、楽しい日々だった。K子は僕とは全く違った感性の持ち主で、率直で自分の考えをストレートに言ってくる。K子独特の感性が面白くて、お互い会話が会話を生んで話は尽きることがなかった。
彼女は非常に感性が優れていた。服や装飾品のデザインや色あいにこだわったり、絵を見たり描いたりするのも好きだった。
また情が深くていつも献身的に尽くしてくれた。特に料理が得意でいつも得意の料理でもてなしてくれた。和洋中何でもござれで、オリジナルのレシピを沢山持っていて、どれを食べても美味しかった。男は料理の上手な女性に弱いというのは本当で、彼女の料理は今でも鮮やかに舌の記憶に残っている。さすがバツイチは伊達じゃないなと妙に感心した。
しかし彼女は情が深い分、やきもち焼きで、Tちゃんの件ではちくちくと何度も嫌味を言われた。彼女は僕とTちゃんの噂を聞く度に相当傷ついていたらしい。
どうしてTちゃんではなくて自分を選んだのかとか、Tちゃんから受けた嫌味とか、いろいろ聞かされた。いつも適当に答えておいたのだが、ある日彼女のマンションでこう言われた。
「あなたはTちゃんのことでこんなに噂になってどうするつもりなの?あなたはこれからどの支店に異動したってTちゃんのことを言われるのよ」
これを言われた時はいつも平静な僕もなぜか平常心を失ってしまい、こう言ってしまった。
「俺は人に何と言われたって構わない!俺にとってあんなにいい子はいないんだから!」
それを聞いたK子は激怒し、僕を突き飛ばしてマンションから追い出した。僕は寒空の中、とぼとぼと一人家に帰るはめになった。
それから1週間かけて彼女に謝って仲直りをしたが、僕の気持ちがまだTちゃんに残っていることを象徴するような出来事だった。
しかし最初は順調にいっていたK子との交際だが、半年も経つと彼女との価値観の違いが明確になってきた。
人生の考え方も、僕はスピリチャリズムの影響でストイックな生き方を善しとする考えだが、彼女は快楽主義的で今が楽しければいいという考え方だった。僕は彼女の生き方や考え方はどうしても短絡的で刹那的な感じがして共感できなかったが、彼女は自分の感性と価値観が絶対で、それ以外の価値観を柔軟に受け入れることがなかった。
彼女といるとどこか精神的なバイブレーションが合わず、一緒にいて疲れるなと感じるようになってきた。また将来ずっと一緒にいるようなイメージもどうしてもわかなかった。
少しずつ価値観の部分でどうしても合わないことが明確になりつつあった。