MY LIFE,MY SPIRIT by Masato

今までの人生で感じたこと、自分の考え方を率直に語ります

読めない内面

2006-08-25 18:03:10 | Weblog
派遣会社の営業マンは毎週のように新しい登録スタッフと会い、企業に同行して面接に行く。契約開始後もうまくいっているかどうか職場に行ってフォローをする。僕はスタッフからは話をしやすいタイプらしく、派遣先での仕事内容や人間関係の悩みを相談されたり、将来の仕事の希望や恋愛の問題等、いろんなプライベートな相談も受けた。僕も結構親身になって答えたから、スタッフからは評判の良い営業マンだったと思う。実際そうしたまめなフォローが、スタッフから信頼され、「どの部署で人が足りないらしい」、「友達でいい人を登録させたい」といったいろんな有益な情報が入ってくるから重要な仕事である。

派遣先企業の担当者からも、スタッフの仕事ぶりをヒアリングする。担当者からはこのスタッフはまじめできちんと仕事をしてくれるとか、このスタッフは頼んだ仕事を全然やってくれないとか、いろんな評価を聞く。数をこなしていくうちに、大体スタッフのタイプによって傾向性がわかるようになった。

派遣会社の登録要件は実務経験2年以上ということになっているが、実際2年程度の実務経験では現場での必要なスキルを満たしていない。最低でも4,5年は必要だから、20歳そこそこのあまり若いスタッフは後でクレームになるケースも多い。だからあまり若いスタッフは要注意である。

それから1社しか経験がなく、そこでずっと長く働いていた人は、前の会社の風土や仕事のやり方があまりにも染み付いてしまって、派遣先になかなか順応できないケースが多い。ただし派遣先に慣れ、うまくはまればずっと長く仕事をしてもらえる。

短期間に何社も渡り歩いてきたような人は要注意だ。大体どこに行っても使えず、派遣先でもクレームになって、途中解約か契約期間が来たら終了になるケースがほとんどだ。

前の職場がのんびりした会社や、男性社員が多くて女性に優しい会社にいた人は、注意して派遣先企業を選定しなければならない。そういう職場にいたスタッフを非常に忙しい会社や、男女関係なくバリバリ働かせるような会社に派遣してしまうと、能力が追いつかずに潰れてしまうこともある。

逆に非常に忙しい職場にいたスタッフは鍛えられているから、どこの企業に派遣しても大丈夫だ。

それから容姿のあまりに可愛いスタッフ、綺麗なスタッフも要注意だ。そういう人は幼少の頃から周りからちやほやされているので、わがままで自己中心的な性格になっているケースが多い。派遣先では最初はうまくいっていても、時間が経つとその性格は周りとうまくいかなくなり、クレームになることが多い。ほとんどの新人の男性派遣営業マンは、最初可愛い子はいいスタッフだと思って派遣したはいいが、企業からクレームになって愕然とする。そうした経験を何度も積むと容姿では惑わされなくなってくる。容姿が良くて、なおかつ性格も良いスタッフはかなりのレベルだが、実際はなかなかいないものだ。

安心できるのは、30歳過ぎで実務経験が8年以上、2,3社程度の経験がある既婚のスタッフだ。これくらいなら社会経験とスキルは十分だし、結婚していると家庭という安らぎの場所があるので精神的にも安定している。ただこれ位の年齢のスタッフは、出産を機会に契約終了になるケースが多く、あまり長く働いてもらえないのが痛いところだ。

企業に面接に行く際には、予めスタッフの履歴データを読んでおき、その人のイメージをつかんでおく。その上で実際会えば、その瞬間に大体どんな人でどの企業に合うのかは直感的にわかるようになった。僕の人選方法は、データはあくまでも参考程度で、ほとんどインスピレーションでやっていたが、これがよく当たった。
仕事柄、毎日こうした経験を積んでいたから、女性を見抜く眼にはある程度自信があった。

Fさんの内面はわかりやすい。見たとおりそのままで、派手で華やかで人前に出るのが大好きで明るい。僕のように内向的な人間が努力して外向性を身に付けたのではない、天性の明るさ、華やかさを持っていた。自分に無いものを持っているから、そこに惹かれたのだと思う。
気になったのはお嬢様育ちでプライドが高くわがままで、自分の思い通りにするためには裏で多少汚い手段を使ってもやるようなところがあった。

しかしTちゃんの内面はよくわからなかった。見た目は可愛いが、性格は派手ではなく、むしろ地味で堅実だった。話し方はあっけらかんとしていて、ギャル風だから知的とは感じられない。最初はおそらく見た目そのままの子で、顔は可愛いくても中身は大した子ではないのだろうと思っていた。

でも本当にそれだけなんだろうか。もっと奥深くに何かがあるような気もする。だからといって本当はどんな子なのかさっぱり読めなかった。仕事柄、女性の内面を見抜く目を持っていたつもりだったが、Tちゃんに対しては全くお手上げ状態だった。

Tちゃんも僕に対して「何を考えているんだかよくわからない人ね」とよく言っていた。お互いがお互いをよくわかっていなかったようだ。

会社で週5日顔を会わせていたにもかかわらず、Tちゃんの内面が理解できるようになったのは出会ってからちょうど1年後の頃だった。

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