Tちゃんが退社する最後の日に何と言うか、何日間かずっと考えた。それほど時間も取れないから、短い言葉で正直に気持ちを伝えなければならない。もうやり直しもきかないから、何度も考えては直し、最低限これだけは言っておきたいという言葉を選び、空で言えるよう何度も練習した。
彼女が退社する2月末日の夕方、彼女を自分の会社のブースに呼び出した。用意していた花束を渡すと彼女はにっこりと笑ってくれた。あんなににこやかな彼女の笑顔を見たのは久しぶりだった。
その時に話した内容は省略するが、もう自分自身を偽るのは嫌だったので、考えていた今の自分の気持ちを素直に伝えた。花束を持ってにこやかに微笑んだ彼女は本当に綺麗だった。そして最後に彼女と握手をした。花束を持って彼女はにこやかに自分のデスクに戻っていった。
時間にするとほんの2、3分の出来事だったと思う。あれがTちゃんを見た最後だった。
送別会は周りに配慮して出なかったが、僕にとっては最後に花束を渡してお別れの言葉を言えただけで十分満足だった。
Tちゃんが辞め、さあこれから横浜支店で腰を落ち着けて頑張ろうかと考えていた矢先、今度は横浜支店を閉鎖するので本社に戻るようにとの異動命令があった。
まだ横浜に来て1ヶ月しかたたず、数字も出ていないのに、一体何のためにこちらに来たのか。社長に支店存続を訴えたが、聞き入れてはもらえなかった。結局1ヵ月後には横浜支店を閉め、また東京本社に戻らざるを得なかった。横浜にはたった2ヶ月間しかいなかった。
まるで神様が二人を最後に会わせるために扉を開き、それが終わると扉を閉めたかのような出来事だった。
彼女が退社する2月末日の夕方、彼女を自分の会社のブースに呼び出した。用意していた花束を渡すと彼女はにっこりと笑ってくれた。あんなににこやかな彼女の笑顔を見たのは久しぶりだった。
その時に話した内容は省略するが、もう自分自身を偽るのは嫌だったので、考えていた今の自分の気持ちを素直に伝えた。花束を持ってにこやかに微笑んだ彼女は本当に綺麗だった。そして最後に彼女と握手をした。花束を持って彼女はにこやかに自分のデスクに戻っていった。
時間にするとほんの2、3分の出来事だったと思う。あれがTちゃんを見た最後だった。
送別会は周りに配慮して出なかったが、僕にとっては最後に花束を渡してお別れの言葉を言えただけで十分満足だった。
Tちゃんが辞め、さあこれから横浜支店で腰を落ち着けて頑張ろうかと考えていた矢先、今度は横浜支店を閉鎖するので本社に戻るようにとの異動命令があった。
まだ横浜に来て1ヶ月しかたたず、数字も出ていないのに、一体何のためにこちらに来たのか。社長に支店存続を訴えたが、聞き入れてはもらえなかった。結局1ヵ月後には横浜支店を閉め、また東京本社に戻らざるを得なかった。横浜にはたった2ヶ月間しかいなかった。
まるで神様が二人を最後に会わせるために扉を開き、それが終わると扉を閉めたかのような出来事だった。
ちょっと感動してしまいました。
スドーさんの人格形成にとても影響をしている出来事なんだなぁ~とつくづく感じました。
Tちゃん関連のこの物語、最初の頃は「(なんて気の多い人なんだぁ~~)」と目が点になって読んでいましたが、最後はエクセレント!!!
私も「最後のケジメをつける為」に横浜支店に行けと言う事だったんだと思いますよ・・・。
今までいくら努力しても開かなかった扉が、なぜかあの時だけすーっと開いたような感じでした。
あの時自分の気持ちに素直になって、花束を渡してお別れの言葉を言えたのは、本当に良かったです。
最終的には悲哀の極みでしたけど、背後に神の存在を確信したような、僕に大きな影響を及ぼしている出来事ですね。