連休も最後の日だと言うのに、特に予定も無くゴロゴロとしております。
3月から4月にかけて、個人的読書月間だったのですが、そのうちの石田衣良さん作品をピックアップして紹介してみます。本によっては一ヶ月以上前読んだものなので、記憶が混線している可能性がありますが、『まぁ、そんな感じ!?』に参考にしてもらえれば幸いです。
40(FORTY)
40歳から始めよう!って、帯通りのストーリー。
以前紹介した4TEENと、IWGPのテイストを一緒くたにした感じの本。
主人公は、広告代理店を辞めてフリーになったプロデューサー(だったと思う)。
どん底もどん底のある日、HPに何でもやりますとの広告を打ったら、色々と持ち込まれる難問奇問。
それらの問題を色々解決し、やがて主人公に訪れる転機。
そこで主人公はこれまで出会った難問奇問を・・・
と、まあ、ストーリーを掻い摘んでみました。
この本は、某Barのマスターにお貸し出ししたところ、非常に評判がよろしゅうございました。(もっとも、IWGPファンだから、ハマるのは目に見えておりましたが)
文章は石田衣良さんの書くテンポ良く、スピード感溢れる文章で、40歳ならではの悩みや葛藤を描いており、かなり一気に読めちゃいます。
空は、今日も、青いか
さて、この本はR25(リクルート)と言う、フリーペーパーの巻末に書かれているエッセイと、他の雑誌とかに書かれたものをまとめた形にしたもの。
中身はもちろん日常の事や趣味の事、ニュース、音楽の事と幅が広い。
かるーくなんか読みたいときにはお勧めだと思います。
愛がいない部屋
中年の男女の恋愛模様?の、ショートストーリー物。
とある都内のマンションを中心に、そこで生活をしている女だったり、男だったり、夫婦だったり、色々な人の恋愛が描かれています。
基本的にハッピーエンドの無い恋愛小説。
もっとも、ビターな感じでもないんですが・・・あえて言えばハーフビター。
何故か印象に残っているのは、神楽坂のマンション(話の舞台)のエントランスホールのイメージ。石張りで吹き抜け。オープンカフェがあり、そこには初老の女性が座っている。ちょっとした、エアポケットのような空間。
このマンションに限らず、そこかしこにあるマンションにはこの話と同じ位にの物語があるんだろうな。
ラスト
題名の通り、ラストを話の中心に持ってきたショートストーリー物。
そこには借金だったり人生だったりの思いっきり後が無い人々の、最後のきらめきや反抗が描かれています。
話の一つに、潰れ掛けの印刷屋が借金を返すために犯罪の片棒を担いでしまい、いよいよ最後の仕事を済ませ、その最後は・・・ってな、感じのものがあります。
でも、大体の話で人生を踏み外す機会となったのが、借金が主な原因のような気がしないでもない・・・
僕とひかりと庭園
この本、感想を書くのが難しいのですが・・・
石田衣良さんが書いた、子供向けの短編。
とある園児が体験する、摩訶不思議な世界。
主人公は男の子二人と女の子一人。
お泊まり保育の夜に起こる、恋愛への試練。
それは12年後の悲しい物語につながっている。
話としては、子供向けではありません。ハッキリ言って。
だからって、大人向けでもないのかも?
話が結構残酷なんです。それを子供が理解できるかどうかは甚だ?な訳なんです。珍しくお勧めしない1冊。ただ、大人が読む分には問題はありません。
約束
題名通り、約束を真に据えたショートストーリー物。
下校途中に通り魔に襲われ、憧れだった親友をなくしてしまう少年の、最後に行き着いた親友との約束。
不登校の少年が、ある日廃品回収の男と出会い、その男の背中に教えられる話。
不倫の末、夫に事故で先立たれた女性が、懸命に子供を育てている時に発病してしまう子供。その先に待つ、夫と家族の約束。
等などの話が収録されています。紹介したのはお気に入りの3篇。
娼年
主人公は20の学生。
女性にも恋愛にも退屈と言うか、冷めたところがあり、本気になれない。
日頃は大学に行かず、バイトのバーテンをやっていると、そこに友人がある色気のある40そこそこの女性を連れてくる。
学生はその時、女性に興味も持たないのだが、ある日また女性が店に訪れ、女性は学生にあるテストを行なう。
女性は、女性向けの売春を扱っているクラブのオーナー。
学生はそこで娼夫となり、色々な女性と触れ合って行くうちに、女性への興味や恋愛についてまた考え始める。
みたいな感じの話です。この本、おそらく好き嫌いがハッキリすると思います。
自分は結構好きです。別にエッチなシーンが多いからじゃないですよ(汗)
逆ぎれしてみましたが、この他にもあと四~五冊読みました。その辺の紹介は、気が向いたらします。