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 ― 音楽について、そして全ての芸術について ―

ダイアナ・ロス&シンディ・ローパー(ともに@武道館)

2015-07-20 15:40:55 | CD・コンサートレヴュー
「次の機会があるから」という言い訳を自分に言い聞かせて機会を逃し、その結果が大後悔に終わったイヴェントのうち、最初にして最大級のダメージを感じたのがクライバー最後の来日、最後のオペラとなったウィーン国立歌劇場「ばらの騎士。」
その後も同様の後悔を何度も繰り返したあげく、たどり着いた一つの結論が「聴けるときに聴いておけ」。
この信条を実践すべく昨年からは、卓越した業績と評価を得た -そして付け加えるならキャリアの長い- アーティストを積極的に聴くようにしている。

その方向性から、昨年はマライア・キャリーとサラ・ブライトマンを聴いたのだが、引き続いて今年の第一四半期にはダイアナ・ロスとシンディ・ローパー(ともに1月、武道館)。

ダイアナ・ロスは、そのキャリアの長さを窺わせる、客層の年齢層の高さが印象的。会場前方正面には赤絨毯を敷き詰めた一角があり、TVなどでよく見かける顔がちらほら。マライア・キャリーやサラ・ブライトマンなどのときと比べても、「セレブ感」は際立っていた。

ダイアナのパフォーマンスは、無論客席に負けないゴージャスさなのだが、それよりも年齢による衰えなどを全く感じさせないエネルギッシュな歌唱に驚かされた。
ステージ上の立ち居振舞いもオーラに満ちていて、月並みながら「極上のエンターテインメントを堪能」した。

個人的に、震災時さまざまな手を差し伸べてくれた人にはお返しとしてサポートしたい思いがあるのだが、シンディ・ローパーもその一人。
筆者と同じような心境の人が多いのか、それとも元々シンディとファンの関係がそうなのか、会場とアーティストとの心理的な距離感が近く、これまで大きな会場にはなかった親密な雰囲気があった。
見たことのない民族楽器(?)や床に敷いた日本語のカンペ(「上を向いて歩こう」だったか、たしか2曲くらい)なども駆使した歌唱だけでなく、聴衆に語りかける時間も多くしかも通訳を通してのトーク。とにかく「伝えたい」「コミュニケートしたい」という熱意にあふれていて、正直、心打たれた。

やはり超一流は聴いておくべきだ、と実感。


(文中、敬称略させていただきました)


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