先生ごめんなさい

分銅先生は小学５・６年のころ担任だった先生。
実家が五城目という県南の山際の田舎町。
夏休みの遊びに来いと言われ、みんなで汽車とバスに乗り継いで出かけた。
五城目駅というのはあるけど、路線が廃止されバスしか走ってない。
先生の家を探した。
町の人に聞くと、
「ああ、分銅先生の家はそこの寺だよ」
って、先生は寺の坊主かい。
住職の資格も持ってるんだとそのとき初めて知った。

こころよくみんなを迎えてくれた先生はスイカをご馳走してくれて、
せっかく来たんだからこれから裏の森山に登ろうと。
登山なんて経験もなく。
って、登山というほどの山じゃないから子供でも簡単に登れるよ。
と言われてその気になって・・・

みんなで一気に走り出した。
頂上に着いたときにはもう呼吸もままならない。
2度と山なんか登らないそと。

小学校は4クラスあり、担任は女の先生が二人と男の先生が二人。
俺の3組は男の分銅先生。
女の先生の名前が「金子」先生と「銀子」先生。
金・銀・銅がそろってなんと縁起のいいことかと。

卒業をひかえて、校長先生が絵を描く方で、卒業生に似顔絵をプレゼント
するのを恒例にしていた。
似顔絵を描きながら生徒を対話するのだ。
「将来なにをしたい？」
と聞かれて、「ロケット技師になって宇宙を目指したい」と言うと、
それじゃ国立高専が秋田にできたから高専に入ることが近道だなと言われた。
結局そのとおりに進んだんだけど。
そのころにはすでにロケットの夢は捨てていたし。

中学に入って担任は女性の先生。
26くらいでいつもスカートが短い。
出戻りって今で言うならバツ一か？
「先生パンツ見えるぞ」
って誰かが言うと、
「見せてるんだ」
と反論する先生だった。

もしかして下ネタ苦手はその先生のせい？

2年のときはえこひいきの激しい先生で、女子が全員その先生の英語の授業を
ボイコットする事件もあり、結局、その先生は辞めさせられた。

高専の卒研の先生は二組の卒研担当。
俺達はアルミニュームの海水による腐食を応力とかいうよくわかんない実験。
海で海水を汲んできてアルミの試験片を浸し、応力の変化を測定した。
それより、もう一組がやってた回転試験。
学校の試験機に海水かけるわけにいかないと、試験機の制作から始めた。
どうもうまくいかないと、俺の知恵かせと。
結局、自分達の卒研はほとんどやらないで、やつらの試験機の製作を
やって2年間過ごした。

卒研の発表会の日はもうすでに就職して研修受けてたし。
地元なんで4年間在校生代表で先輩の卒業式に刈り出され、自分の卒業式は
会社の入社式と重なって出られなかった。
事務の方が家まで卒業証書を届けてくれて、卒業証書配達したのは初めてだと
言ったそうな。