秋も深まり,余呉湖の紅葉も見頃になるこの時期ですが、例年になく温かい秋のせいか、例年のような綺麗な紅葉が観られません。例年以上に今年の余呉湖は夏以降、厳しい釣果が続いており、鯉釣り師の数も例年に比べて減少気味です。それでも、湖畔の景色の良さを堪能できる釣り場としての余呉湖は他の釣り場に無い価値があります.



今回は前日迄仕事の予定が定まらず、金曜日になってやっと連休が取れる状況になり,土曜の朝に自宅を出発しました.いつもと異なり,琵琶湖経由で余呉湖に到着しました.
既に常連さんが5人程、竿を出されておりますが、今回は大阪のMさんが既に出されている近くに竿を出すことにしました.今迄竿を出したことの無いポイントですが、丁寧に狙えば鯉が来そうな予感がしていました。

時合は夜から明け方だろうと今年の夏以降の状況からの予想ですが、11月以降に水位を冬の水位に移行するため、徐々に高くなり,現状で最高水位に達しており,夏の水位から70cm程高くなっています。余呉湖の場合、水位や琵琶湖からの流入水の状況により、実績のあるポイントが有ったりですが、基本的にポイントによる大きな差異は無いのが実情です。したがって,ベテランでも難しい場所であり,一方で,初めて竿を出してメーターオーバーという実績も有ります.しかし、このところの余呉湖はベテランでも苦戦するのが現実です。
沢山あった藻も枯れているものの、枯れた藻の位置を確認しながら、底探りを30分ほど繰り返しながら、狙う距離を定めます。遠投か、藻の際の近い距離かの選択の中で,藻の際の近い距離を狙うことにして,15mmのボイリーをフィーディングします。夏以降の釣れないパターンも反面教師にして、そのパターンとは異なる選択をして、ボイリーの種類と量を決めます。また、初めてのポイントなので,自分が有る程度待てる自信のある釣り方でないと不安だけになってしまいます.竿は2本ですが,3本に比べて曖昧な狙いはできない分、却って投げるポイント等も明確に意識できるので,最近は2本が多くなっています.もっとも,今回出した竿は2本しか持っていないので,そうするしかないのです。さらに、いつも使っているバイトアラームのデルキムの送信機が1台修理中で2本しか出せないのです。おまけに,いつも使っているリールのUKダイワのトーナメントISO遠投5000が1台オーバーホールに出しているので、リールも2台しかセットで出せません。

このところ、竿はUKダイワのトーナメントBASIA AGS 12ft 3.0lb と同じくUKダイワのトーナメントISO遠投5000のリールの組み合わせです.この竿ではまだ80cmクラス迄しか上げたことないので、大型の鯉に対してどんな感触か味わってみたく出しています.またラインは余呉湖ではナイロンモノフィラメントの方が自分としては,伸びあって、急な鯉の引きに対しても柔らかく対応できるので好きですが,先日、友人のKさんからフロロカーボンの4号のラインを頂いたので,それに巻き替えての今回のタックルです。自分のスタイルとしては,4号300m巻ければ太さも量も十分なのですが、私の経験から竿のガイドが6個の場合はナイロンで、7個の場合はフロロでも硬さを少し感じなくなります。一般に竿の柔らかさをポンド表示で意識しますが,手応えとしての感覚では,ガイド数が7個の場合は6個より柔らかく感じます。ソフトなやり取りを好む人は細めのナイロンでガイド数も多い竿を選択するのがベターです。今回の私の場合、竿のガイドは6個でフロロカーボンの道糸なので,同じ12ft3ポンドの竿でもマッドドラゴンKガイド仕様に比べて、硬く感じます。なので私の場合は、フロロカーボンの道糸よりナイロンの方が感触的にはマッチしていると思いますが、、道糸の耐久性や沈みの早さではフロロカーボンの方が勝っているので,そういう点も考慮しての選択になると思います.藻が多いところとか、カカリが多いところ等,ハードなポイントではフロロカーボンの方が安心できます。余呉湖はその点ではナイロンの方が自分には合っていますが,琵琶湖ではフロロに軍配が上がります.竿やリールだけでなく、道糸でも選択肢は非常に多く有りますが、商品の謳い文句では色々書かれていますが,実際の糸の製造メーカの技術者に聞くと、より正確な情報を得られます.私も友人にそういう人がいますので,貴重な話しを伺うことで,納得して使い事ができます。
さて、ゆっくりフィーディングをして、夜の時合を狙っての今回なので、ゆっくりセットして,今回一緒したMさんと釣り談義やアウトドアー談義に花を咲かせながら、楽しい秋の余呉湖の釣りです。そんな談義をしながら色々教えて頂きながら、気がつけば陽も傾き始めた16時にMさんのバイトアラームが心地よく鳴り、当たりを知らせてくれました。私はネットでアシストしながらの1本です。祝杯を上げながら、次の連続ヒットを狙ってのMさんの打ち返しです。狙い通りに2時間後の18時にまたMさんのバイトアラームが鳴り,日も落ちた余呉湖の湖面をライトで照らしながらのランディングです。先ほどと同じくらいのサイズですが,狙っての連続ヒットに祝杯の杯を重ねます。といっても、私の場合は下戸なので、せいぜいノンアルコールです。
Mさんにあやかり,私も次に期待してバイトアラームの音を待ちますが,美味しい鍋料理についつい釣りを忘れるくらい舌鼓を打ちながら、気がつけば夜の帳もすっかり降りて、深夜の当たりに期待を持ちながら車中泊となりました。11時前に寝袋に入り、熟睡にはいった11時50分ころにデルキムの音に叩き起こされます。眠い眼を擦りながらメガネ,ヘッドライトをつけて釣り座まで車から早足で向かいます。車からの距離が40m程有るのですが,近づくに従って暗闇の中でバイトアラームの発信音が聞こえて来ます.一定の連続音が聞こえています.近づいてリールのスプールを見ると心地よく回転しています。ゆっくり竿を持ちながら感触を竿を通してつかみます。200mくらいは糸が出されています。真っすぐ沖に向かって走っています。竿をためてゆっくりポンピングの開始です。糸の出ている距離が長いので,魚の締め込みは感じられなく,また夜でもあるので,強い抵抗も無く10分くらいで足下迄寄せて来て,足下の石に気をつけながらネットインです。90cmクラスの鯉なのですが,綺麗な色をしていて満足できます.暗闇の中で写真を撮るのも面倒なので,ライフネットに入れてキープしておきます。更に打ち返しをしてシュラフに潜り込んだ時には時計は0時半を過ぎていました.
朝はいつもの感じで5時半頃に目が覚め,まだ外は暗いので,明るくなる迄車内で暖を取りながら、早朝の時合に期待して待つも,明るくなりだしても当たりはなく、外に出て湖面を眺める。前日と打って変わり風もなく、飛来している水鳥の数の多さに眼を奪われてしまいます。暫くしてMさんも起きて来て、二人でゆっくり話しながらコーヒーとトーストを味わいながらの余呉の朝です。昼近くなり、岐阜のNさんがやって来て、月曜日迄の貴重な休みを余呉でと、少し離れたポイントに入ることに。それからは二人から三人での鯉釣り談義に花を咲かせます。三者三様で仕掛けやタックルも微妙に違いますが,同じ趣味仲間の会話なので,すぐに打ち解けてまた楽しい時間が続きます。Mさんの手料理で昼は3人で焼き肉を食べながらの鯉釣りになり,昼過ぎには地元のNさんも大会からの帰りに寄られ、そこで、昨日の釣れた鯉の検量を行いました.95cm、12kgので綺麗な鯉でしたが,キープしていたため,少し鱗が剥がれて残念な結果になりました.


日曜は土曜と打って変わり、穏やかな日和で,期待したにもかかわらず、釣果を見ることはできませんでした.
夜は3人で鍋を囲んでの楽しい鯉釣り談義で,眠くなる迄楽しさのみの時間が過ぎていきましたが,当たりを期待するのは3人とも同じですが,現実に当たりを貰う迄には行きませんでした.
そして、また静かに連休最後の朝を迎えることになりました.どの竿にも当たりは無く,期待したにもかかわらず、また厳しい余呉の釣りを味わうことになりました.しかし、この連休は一人でメータを2本も上げる人もいたりで、メータ2本、90台4本、80台1本、70台1本は少なくとも確認できた釣果でした。このところの余呉としてはいい結果になったと思われますが、聞いてみるとどうも釣れた時間帯は偏っていたようで、同じ時間帯に釣れた鯉も何本か有り,偶然の一致とは考えられないところもありの、晩秋の余呉湖でした。