昔、まだ国道が整備されていない頃、切目辻トンネルから先の切目辻はそれはそれはスリル満点の道路だった。
一歩間違えば道路から谷底へ車が転落した。
龍神村福井では、転落することを“まくれる”と言った。
龍神の人は運転に慣れていた。
観光シーズン、大阪の方から切目辻に慣れない人が運転して龍神にやってきた。
「和泉」ナンバーが多かった。
「くるまんまくれてんとう、大阪の人らしいで。」
時々切目辻 . . . 本文を読む
秋になると鼻水を垂らしながらあけびを取りに行くんです。
切目辻のトンネルに向かう途中の山のふもとに、よ~く見るとあけびはあった。
よ~く見ないとあけびは見つからなかった。
もちろんトンネルの中には入らなかった。
『おっち~もん!』
あけびは高級な宝物だった。
ぱっかりと口を開けているあけびだけをとった。
中は半透明の白色で、黒い種が透けて見えていた。
皮をむいて、白い実を口に . . . 本文を読む
龍神村の1番西の端にある切目辻トンネルは1957年に完成した。
僕が生まれる1年前。
龍神カトリック教会に幼稚園ができた年である。
昔、龍神村福井の人は“街”に出るのに、切目辻を越えて南部川村⇒南部⇒田辺へと向かった。
おそらく、柳瀬や龍神の人たちは虎が峰経由で田辺に出ていたのではないだろうか?
今では、福井の人たちも虎が峰経由で田辺に出るようだ。
トンネルができて道路が整備されたおかげだ . . . 本文を読む
“龍神氏”が誕生する前に、すでに“龍神温泉”という言葉が存在していたようだ。
ということは、“龍神温泉”という名前を付けた人が、初めて「龍神」という言葉を使ったことになるのだ・・・なるのか?
いったい誰が・・・。
それは、僕です。
うっそ~。
龍神温泉の歴史を見ると「開湯は約1300年前とされているが、弘法大師による開湯伝説も残っている。
また、役小角(えんのおづの)がこの地に温泉 . . . 本文を読む