万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

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1884 作者未詳

2011-02-28 | 巻十 春雑歌
歎舊

寒過 暖来者 年月者 雖新有 人者舊去

冬過ぎて 春し来れば 年月(としつき)は 新たなれども 人は古(ふ)りゆく


旧(古)くなることを嘆く

「冬(師走)が過ぎて、春(正月)が来れば、年月は新しくなりますが、人は(一つ年をとって)古くなります(無常なものですね)」

1883 作者未詳

2011-02-27 | 巻十 春雑歌
百礒城之 大宮人者 暇有也 梅乎挿頭而 此間集有

ももしきの 大宮人は 暇(いとま)あれや 梅をかざして ここに集(つど)へる


「“ももしきの”宮廷に仕える官人(たち)は、休暇なのだろう。ウメ(の枝を髪に)飾って、ここに集まっているよ(楽しそうだなあ)」

1882 作者未詳

2011-02-26 | 巻十 春雑歌
春野尓 意将述跡 念共 来之今日者 不晩毛荒粳

春の野に 心延べむと 思ふどち 来(こ)し今日の日は 暮れずもあらぬか


「春の野原で、のんびり過ごそうと、気の合う仲間同士で、やってきた今日の日が、暮れないでほしいよ」

1881 作者未詳

2011-02-25 | 巻十 春雑歌
春霞 立春日野乎 徃還 吾者相見 弥年之黄土

春霞 立つ春日野を 行き返り 我れは相見む いや年のはに


「“春霞”(春の霞が)立つ春日野を、往復して。(これからも)私たちお互いに会いましょうね。毎年ですよ」

1880 作者未詳

2011-02-24 | 巻十 春雑歌
野遊

春日野之 淺茅之上尓 念共 遊今日 忘目八方

春日野の 浅茅が上に 思ふどち 遊ぶ今日の日 忘らえめやも


野遊び

「春日野の、丈の低いチガヤの上にて。気の合った者どうしが、(野)遊びする今日の日は、(いつまでも)忘れられないだろう」