誠のまこと 

~小さな建築屋さんの出来事~

条件と期日

2015-12-30 04:10:50 | たあいもない事

おはようございます、逢坂です。

今年一年を振り返って、改めて「仕事」という責任ある行為について考えています。

仕事には必ず「条件」と「期日」があります。

建築に於いての「条件」にも色々ありますが、大きくは契約書に謳われる「設計図書(内容)と金額」でしょうか。

そして、単純明快な「期日」。

この「期日」を守る為に、人は様々な苦労はするものだと思います。

どんな仕事でも「条件と期日」が必ずあり、この2大条件を蔑ろにしている方=信用できない方なのだと思います。

 

今年の大きな仕事で「有料老人ホーム」の設計・施工をさせていただきました。

既存の建物を改修し、その半分を解体し、29人入所・約300坪もの特殊建築物を建築するという、「あなたの町の小さな建築屋さん」がキャッチフレーズの当社にとっては壮大な計画でした。

去年の8月上旬に初顔合わせ。一般住宅とはもちろん勝手が違うことから、まずは「概ねの基本設計と概算見積り」を提出。

その後、お客様から連絡も無かったことから年末くらいには「予算が合わないとかで見送られたかな・・・」と思っていました。

 

今年に入り、正月が明けた頃に先方から電話があり、「11月オープンで考えていますので」と。

「既存改修・解体・着工・300坪施工」となると、決して工期に余裕はなく、2月下旬には改修工事に着手。並行して設計業務を行いました。

あの「構造偽装問題」以降、確認機関も簡単には確認済証を出してくれず、やっとの申請から更に丸一ヶ月。。。

時効だと思うので書きますが、期日を守るために事前着工して基礎工事を進めておりました。

ただ、これは決して威張れた話ではなく、もし「許可が下りない」となった時には、既存建物も解体していたので、私は切腹し、生命保険からお客様に対する責任を取る覚悟でした(苦笑)。

時間は掛かりましたが、しっかり建築許可が下りて良かったです。

 

 

そして「上棟」。

300坪の施工にあたり、本当にたくさんの大工さんにお手伝いいただきました。

期日を考えると、常時10~15人は必要でした。

各協力業者さんにも紹介してもらい、結果、本当にしっかりした気持ちの良い大工さんが多数集まってくれました。本当に感謝です。

当社の若棟梁Yも、かなり気を張ったかと思いますが、彼にとっても貴重な経験になったと思います。

そして、施工のほとんどを担当した倉本の「管理と監理」では特に目を見張りました。

長年ゼネコンで培った経験と一級建築施工管理技士は、だてじゃないです。

実は感心を通り越して、びっくりしました(笑)。

 

 

そして期日の10月末。

余裕という部分はなかったものの、落ち着いた施工が出来たと思います。

しかし、切腹覚悟の事前着工が無かったら、間に合わなかったでしょうけどね(笑)。

 

さて、条件と期日が守られればそれで良いということも無く、私たちは住宅にしろ老人ホームにしろ、「住まい」を造っております。

そこに「愛情」があるかないかで、建物にとっても、仕事にとっても、価値観というか「差」が出来てくるものだとも思います。

既にたくさんの方が入所して生活されておりますが、これから末永くこの建物に携わる全ての方が快適に過ごして頂けたら、建築士として、建築屋として、これほど幸せな事はないです。

 

この計画にあたり、親心をも以って私に任せていただいた社長様・副社長様・専務様。

こんなにすばらしい経験をさせていただき、本当にありがとうございます。

これからも、末永いお付き合いをお願い申し上げます。

 

そして、私を推薦・ご紹介くださった方々。心から感謝申し上げます。

 

 

 

 


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