流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

『思い出したくない過去』 2  【過去日記】

2006-05-30 | 過去のできごと
ブログは終わると宣言したけど、コレだけは完結させたかったので・・・

誰にも邪魔されずに二人きりでいられると思ってたのに。現実は甘くなかった。
むしろ甘かったのはアタシの考え。
悲しい気持ちで一人化粧をする。
やばい、泣きそう・・・
なんとか化粧を終えて化粧道具をポーチにしまってると、電話を終えたダーリンがこっちに来た。
アタシはダーリンの顔を見ないで、鏡に映った自分を見てた。
視界にダーリンが入ってくるのが分かる。少し微笑んでる気がした。
そのまま後ろから抱きしめてきた。
やめてよ。
ギュッと抱きしめ、顔をアタシの首にうずめてくる。
なんのつもりなの。
手はアタシの胸へと伸びてくる。
どうしてそんなマネできるの。
ダーリンの唇がアタシの首筋を吸い付いた途端
「ってんなよ!!!」
アタシは怒鳴って、ダーリンを振りほどいた。
呆然としてるダーリン。

「もうキスマークつけんなって言ったでしょ!?昨夜も結局つけるし!なんでわかんないの!?しかもさ、アタシとダーリン二人だけの旅行なのに、なんで電話なんかしてるわけ!?こんなの二人で来た意味ないよ!最悪だよもう・・・帰りたい!」

なーんて言えるワケもなく。
アタシはそのまま化粧品をしまい始めた。
ここで本音を言ってしまったら、旅行が台無しになってしまう。
気まずい思いで旅行を過ごすよりはガマンして、二度とないこの瞬間を大事にしなきゃ。
出したものを全部バッグに詰める。中からダーリンにもらった香水が出てきた。
おそろいの香水。今日、一緒につけようと持ってきたけど・・・
そのままバッグから出すことはなかった。
『まい、まい!こーゆーの持っていけよ。記念に』
ダーリン、なんと部屋にあったメモやボディソープなどを全部アタシのバッグに詰めこんでる。
ダーリンがこんなマネをするなんて意外だった。

だけどやっぱりスッキリしない気分のまま部屋を後にする。もうアタシは冷めてしまっていた。
ダーリンがアタシのボストンバッグを当たり前のように持ってくれても、目を合わせることすらできない。
フロントに行き、会計をする。
ダーリンがポンと、万券を5枚出した。
この人はいつも、こんな風にお金を簡単に出すのだろうか。
庶民のアタシには、上流階級(?)のダーリンが不思議でならない。
アタシは大金を出させているから引け目を感じてしまっている。
ダーリンの彼女は、当たり前にお金を出させているのだろうか。こういうのも、慣れちゃうのかな。
『お釣りもらって、まい』
二人分の荷物を持って、ダーリンは先に歩いていった。

『よーし、ドコ行く?』
地下駐車場に乗り込み、ダーリンと次の目的地を決めた。
もちろんだけど、行き先は六本木ヒルズ。
二人で買い物をする・・・予定。
でもアタシは、何も買うことはないだろうなって思う。
だってアタシ、ダーリンの趣味とか全然わかんないもん。
所詮身体だけの関係。二人からセックスを取り除いてしまったら他人同然。
食べ物の好みも趣味も知らない。
どうかダーリンが機転を利かせてくれますように・・・
祈るような気持ちでナビをセットする。
やっぱり甘くなかった。
ヒルズは惨敗だった。
二人の嗜好と違った。大人すぎってゆーか。だから食事だけした。
二人きりの旅行で、二人はカレーを食べました。カレー。
ダーリンはビーフカレー。アタシは野菜カレー。
食事をすると、ダーリンは必ずつまみ食いをしてくる。アタシにはその習慣はない。人のものに手を付けるというマネはしたいと思わない。卑しいとかそういう意味じゃなくて。
そしてダーリンは自分の物もアタシによこす時がある。もちろんアタシにはその習慣はなく・・・。
アタシはいつも自分の分だけを忠実に食べていた。
こーゆーのって、価値観の違いってゆーか、差が出てくるよね。関係ないけど。
最近のアタシはストレスで大きな口内炎ができていて、普通の食事もキツイ状態だった。
ということで、カレーはものすごくキズにしみて辛かった。
「ダーリン、ごめん。痛くてもう食べれない」
ダーリンはとても早食いで、アタシは焦るばかり。さらに思った以上にカレーが辛くて、半分も食べられなかった。
『頑張ってもう少し食べて』ダーリンが残すことを許さなかった。珍しい。でも結局食べられなかった。
と、ここでキャンペーン中ということで、カップルにはデザートのおまけがあると店員が近づいてきて言う。

「あ、カップルじゃないんで、別にいいです」

はい、言うわけがないです。
普通にいただきました。
マンゴーソースのかかった杏仁豆腐。
『俺、マンゴーだめなんだよね』なんて言いながら結局全部食べきったダーリン。マンゴーソースは避けてたみたいだけど、アタシには普通にがっついてたように思う。
やっぱり男女が二人でいれば、カップルに見えるんだな・・。
杏仁豆腐をつつきながら、そんなコトを考えた。
店を出て、ダーリンが行きたがってた、ソニー・エクスプローラ・サイエンスまで行ったけど、なんだか子供染みた内容っぽかったから、中に入ることはしなかった。
ヒルズ内を散々歩きまわったけど、何一つ見るものも買えるものもなく、気がつけば外に出てしまっていた。
けやき坂をアテもなく歩く。
「はぁ・・・なんだか何も買えないね。歩いてるだけだし。なんのために来たのかなって思っちゃうよね」
ダーリンの歩幅になかなか追いつけなくて、悲しくなってきてしまった。もちろん手なんて繋いでない。
『そうかい?俺は楽しいけどね』
無表情にダーリンは言った。

次はお台場に向かった。と言うか戻った。ホテルがお台場だったからね。
1月に3人で行ったお台場。そこにまた戻ってきた。2人で。
2人だとちっとも楽しめない。というか気後れしてしまって何もできない。
3人で行った時も何も買わなかったくらいなのに、2人で買い物ができるわけがない。
途中でアイスを買って食べた。
小さい粒状の、サラサラしたアイス。分かるよね。
ここでもやっぱりダーリンはアタシのをつまんだ。仕方ないからアタシもダーリンのを食べさせてもらう。
別に、ちっとも楽しくない。
アタシは、つまんない女なのかも。。。
怪奇屋敷だっけ?アソコに行ったりもしたけど、なんだかなぁって感じで。
あ、途中でお笑い芸人のプロレスのイベントがやってて、井出らっきょとかが出てた。
アタシは大しておもしろくもなかったけど、ダーリンは楽しんでたみたい。
怪奇屋敷も行きたいと言ってたのはダーリンだったけど、すべてが肩透かしで。
お台場ってこんなに面白くないところだったけ?悲しくなってきた。
歩きながら手をつなぎそうになるけれど、少し手が触れただけで結局はつながない。
東京に来てもダーリンはアタシと手を繋ぎたくないのかな。
ため息しか出ないよ。
すべての移動手段が車なので、目的地に行くだけでも時間がかかる。
すでに陽が落ちかかってきていた。
ビーナスフォートに行ったけれど、何もしなかった。30分くらいで出てきた。
駐車料金にしかお金を払ってない感じ。
途中、ダーリンがお腹が冷えたからトイレに行ってくると言って出て行ったが、アタシは彼女に電話をしてると直感した。
実際には本当にトイレに行っただけなのかもしれないけど、もうこういう風にしか考えることができなくなっていた。
『さぁ、ドコに行こうか』
「ドコにしよう」
こんなやりとりばかりで時間だけが過ぎていく。二人きりでいられる貴重な時間。
ここら辺からダーリンの疲労の色が濃くなってきていた。
しきりに『眠い』と言うようになる。
アタシは困って、持ってきていたガイドを見る。
でもダーリンとドコに行っても同じような気がした。
ドコに行っても、二人では楽しめない。
コレがアタシの最初から出てる答え。
切なくて切なくて、「クーン」と、悲しい犬の鳴き声のような声を出してしまった。
「どうしよう、ドコに行こう・・・」見ても見てもガイドはつまらないものにしか見えない。
「どうしよう・・・」困り果ててダーリンを見た。
ダーリン、顔は正面を向いたまま、アタシに「チュッ」って唇を鳴らした。
どうせなら、ホントにキスして欲しかったよ。

『マジでドコに行く?時間的にあと、1ヶ所くらいしか回れないよ』
時間は16時くらい。帰りの時間を考えると確かにそうかもしれない。
「ディズニー行こう、ディズニー!」
アタシはヤケになって言った。
ダーリンの大好きな彼女が大好きなディズニー。
『ホントに言ってるの?』ステアを握ったまま顔だけこっちに向けるダーリン。
「うん、行く行く!夕飯だけ食べよ!笑」
単に張り合ってるだけだ。ディズニーなんてどうでもいい。
結局行かなかった。無意味だし。
こうなったら目的地を絞るしかない。
お台場の3人で乗ったあの観覧車に乗るか、3人で行けなかった東京タワーに行くか。
「東京タワーがいい!」アタシはお願いした。
実は東京タワーに行ったことがなかったの。だから行ってみたかった。
ということで東京タワーに。
向かう途中でダーリンは、やたら辛いガムや飴を食べてた。
『辛い!まいコレかなり辛れーーー!俺ムリだ、まい、あげる』
「え?じゃぁ出しなよ。ペーしな」
口から出すように言ったけど、ダーリンは口移しで飴を渡してきて。
よっぽど眠いんだろうな。。。複雑になった。
そして東京タワー。
展望台で写真を撮った。誰も写ってない、景色だけの写真。
ダーリンもアタシのデジカメで写真を撮りまくってた。
ここでも手を繋ぐか繋がないかというところだったけど、やっぱり繋ぐことはなくて。。。
ダーリンの視線もずっと下を向きっぱなし。
口を開けば『眠い』とか。
来るんじゃなかった。
後悔した。
観覧車にしておけば、景色を見ながら座ってられるし、キスだってできただろうに。本当の目的は観覧車でエッチだったけど。
ここでも何も買うことなく、帰路に着くことになった。

帰りの運転中、二人はほとんど無言だった。
気まずい。ダーリンが眠くなったら可哀相だから、何か話さなきゃ。
話題を探せば探すほど、沈黙は深くなる。
てゆーか話題を探してる時点でダメだよね。こんなの自然じゃない。
途中で夕食をとるためにインターへ。
ココでもダーリンはカレーを食べた。
なんだか、カレーが好きだからって言うんじゃなくて、もうカレーでいいや、って感じがした。
食事中も二人は口をロクに聞かない。
こんなダーリン、変だ。もちろんアタシもね。
彼女と一緒に食事をしてる時は、こんなに無口なワケがない。
やっぱりアタシと一緒にいても楽しくないんだ。会話も面白くないんだ。
ソコにいるハズのない彼女の影に縛られて、アタシは何もできないでいた。
彼女は、彼女は、と、劣等感ばかりを募らせていた。
食事を済ませると、ココで初めて買い物をした。唯一の買い物はみんなへのお土産。
と言っても表向きは旅行という形になってないため、ダーリンは会社の人へのお土産のお菓子しか買わなかった。もちろんアタシも。
思えばこの旅行は、会社の後輩にしか話してない。
Y子には口が裂けても言えなかった。この関係に否定的な人だから。
車を出し、ひたすら地元に帰る。
途中、もう1ヶ所あるインターを『眠くないからインター寄らないから』と言ってスルーしたダーリン。
アタシは「うん」と言ったけど。。。
トイレとかタバコの為じゃなくて、眠気と戦うためのインターだったのか。
切なくなるばかりだったよ。
仕事明けからずっと動きっぱなしのダーリン。疲れてるのは分かるけど、眠いとか、疲れたって連発されると、こっちも気まずくなっちゃうよ。。。。
ますますダーリンと話しずらくなった。
二人の沈黙と同じでいつまで続くか気になってた高速もやっと終り、一般道へ。
『だぁぁ~!!疲れた~』
一般道に入ると、緊張がとけたのか一気に脱力するダーリン。運転もグダグダ。
信号無視や見切り発信、車線もあやふやなダーリンの運転。
ホント気が抜けてるって感じで。
すごく時間をかけてアパートまで送ってもらった。
車を停めるとダーリンはアタシの荷物を下ろしてくれた。
出発の時と重さの変わらないバッグ。
アパートに寄って行くのかな?
寄って欲しいな。
抱き合いたいよ。
そんな思いをしてたのはアタシだけだったみたいで。
『じゃ、まい。お疲れ』
それでもお別れのキスはしてくれた。
いつもより長い、濃厚なキス。
アタシは持ってたバッグから手を放して、ダーリンに軽く手をまわしてキスに集中した。
何か、違う。そう感じた。
何かが終わってしまうような・・・これっきりだと、最後を感じさせるような長い口づけ。

ハザードを点けながら走り出すダーリン。
見えなくなってからアパートに入った。
電気を点け、バッグをドサッと放り投げる。
「終わった・・・・」
アタシは座り込んだ。
終わった・・・
二人だけの貴重な時間が。
二人だけの旅行が。
二人の思い出作りが。
・・・・・・・二人の、関係が・・・・

この旅行の終りが、二人の終りのような気がしてならなかった。
あの長いキスが、逆にアタシの不安を募らせる。
最後のキスを名残惜しんで。
しばらく経ったあと、ダーリンから電話がかかってきた。
会話の内容も覚えてない。すごく気だるそうだったのだけは覚えてる。
「終わった・・・」
また、つぶやいた。

それから数日後、二人は破局する。

叶わない恋におぼれても このまま夢から覚めたくない
ワガママでもいい 揺るがない愛がここに欲しいよ

壊れそうな位 不安になるだけ 独り占めしたくなるの
何も言わずに ただ君の愛がここに欲しいよ


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1 コメント

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Unknown (shin)
2006-06-02 12:32:44
新たな出逢いがきっとあるよ・・

自分を大切にね。

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