流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

ナオさん復帰

2008-04-12 | 新しい仕事
この春からナオさんが復帰した。
ぽっちゃりした三十代の女性だ。
テツさんに鬱病にされた犠牲者。
テツさんは彼女のことを避けている、信頼していない、見下している、認めていない。そうアタシは感じ取っていた。

そしてナオさんが来た当日。
アタシはどう接したらナオさんと仲良くなれるか考えていた。
内気そうな感じがしたから、あたしが積極的に話しかけた方がいいのかな・・・とか重いながら事務所へ入り、洗い物をするために台所に行くとナオさんがいた。
ナオさんは、台所で一服していた。
「ごめーん。あたし出社したらまず一服するのが日課なの」
とても鬱病患者には見えなかった。
喫煙者の女性と仕事をするのは初めてだし、何よりその品のなさに少々面食らった。
ナオさんはプカプカと煙を吐き出している。

テツさんは、彼女に対して、鬱病だからと言って腫れ物に触るような態度を取っていたら、彼女も気を遣ってしまうだろうから、普通に接した方がいいといっていて、実際カレは休職前と同じ態度を取っていたという。
少しアタシとナオさんとテツさんで仕事をしていたが、テツさんが諸用で外出した時、ナオさんがアタシに話しかけてきた。
「テツさんって、あんなに優しい人だったっけ?」
『え?』アタシはギョッとした。
『いつもと変わらないですよ。アタシが入社した時からテツさんはあんな感じです』
するとナオさんは大仰に顔をしかめて見せて「何あの態度、気持ち悪ーい」と言った。
どうやらナオさんが休職する前と今とでは、180度態度が違うらしい。
彼女の話だと、彼女が入社した初日からとんでもない言葉を浴びせられ、ものすごく冷たくされ、毎日が辛かったという。
初めてやる仕事に関しても、説明も全くなしに資料を渡され「コレやっといて」と吐き捨てられたらしい。
またはエクセルの画面を見せられて、画面に映ってる関数の意味をを覚えて仕事をしろだとか、機械の操作の仕方を聞いても「インターネットで調べて」で終わりだったとか。
全く酷い話だった。
「maiさんにはいつもあんなに優しいの?」彼女が聞いてきたので頷くと、「アタシと全然違う・・・」ポツリと呟いた。
コレはマズイ・・・。
誰でも差別されてると感じれば、いい気はしないだろう。
ただ、今のテツさんはアタシに対しても、彼女に対しても態度は同じに感じれるし、逆にナオさんの方がテツさんに対して冷たくバッサリ切っている感じだった。
「テツさん、maiさんが美人だからだ。美人には優しくするんだアイツは」
それは違うだろ・・・と思いつつも、ナオさんのコンプレックスとテツさんに対する憎しみは分かったような気がした。

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