流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

ウルトラバカ

2010-10-04 | 新しい仕事
死にたい。

どうして

どうしていつもアタシはこうなんだ。

電話もメールも拒否設定にした。

それなのに。

会社から電話をかけてきた。

出なかった。

それなのに。

テツさんの第3のアドレスからメールがきて。

「大事な話があるから電話にでてください」

無視できるわけなかった。

そして

たくさん話をした。

黙って外出していたのは

所有している土地を売却するため実父と不動産屋に行っていたこと。

自分だってアタシと一緒に暮らしたい。

まいがそう言ってくれた時本当に嬉しかったこと。

でも今の自分にはお金がなくて。

本当にお金がなくて。

それはできないこと。

以前アタシが冗談交じりに話した

『今子供が生まれたら子供が成人する頃にはテツさん還暦だね』という言葉。

その発言に色々と考えさせられたこと。

還暦。それならまだ間に合うな。

生命保険も解約してしまったし、ガン保険しか入ってないけど。

今頑張れば子供は育てられるな。

でも、家は買うことはできないな。

だから実家に住まわせてもらうことはできないかな。

そう考えていたとテツさんは言った。

嬉しかった。素直に。

少しでもアタシとの将来を考えていてくれたことに。

絶対ウソだと思っていた。

『以前、アタシが県外に住むところ探してたでしょ?あれはね、本当はテツさんと地元を出て一緒に暮らしたかったからなの。

ムリなのは分かってるけど、それでも奥さんの居る地元から離れて一緒に暮らしたかったの』

泣きじゃくりながら言うアタシにテツさんはこう言った。

「じゃぁ、出るか」

『えっ』

耳を疑った。

「出ようか。地元」

涙がピタリと止まってしまった。

『できるの?』

「できるよ。お金はなんとかする」

あんなに望んでいたことなのに、固まってしまった。

「俺はできるよ。俺はね。でも、まいは?まいは本当にできるの?」

『・・・・』

答えられなかった。

アタシには、アタシにはアタシの幸せを願ってくれている両親や祖母がいる。

だけども、こんな幸せのためにみんなを捨てるような真似はできない。

今まで受けた恩や愛情を仇で返すようなことはできない。

『できないよ』

情けなかった。

テツさんより家族を選んでしまう自分が。

テツさんをそこまでして愛す必要はないと思ってしまう自分が。

「分かってるよ。でもね、まい。俺は本当にまいを愛してる。世界中の誰よりも。俺の居場所は、まいの傍しかないから。俺にはまいしかいないから。」

なぜだろう。

あんなに苦しくて辛くてもうだめだと何度も何度もテツさんに言ってきたのに

テツさんの言葉を聞くと納得してしまうのは。

もちろん責めた。

別れを決め退職も決めたのに後から大事なことを言うなんて卑怯だと。

後出しジャンケンにも程があると。

いえないよ。とテツさんは言った。

「まいと一緒になるために借金します。まいと一緒になるために土地を売ります。そんな事を言う人を信じられるか?貴方のせいで迷惑がかかりますなんて宣言してるようなものでしょ?俺が逆の立場だったらそっこう別れを告げるね」

アタシはそれでも構わなかった。

ただ真実が知りたかった。

それもいけないのか。

これが価値観の相違なのか。

『テツさんの優しい気遣いの結果がこれだよ?今まで何度も何度も言ってねと言ったのに言ってくれなかった。そして後からテツさん以外から真実を知らされたらどう思うと思う?騙された、隠されてたとアタシは思うんだよ。それが辛いからやめようって何度も言ってきた。それが分からないの?』

「ごめん、ごめんね、まい。でも言えなかったんだよ。でもね、まいが終わりにするって言った時、ほっとした自分がいた。それはね、もうこれ以上まいに気苦労かけることないなって思ったから。まいが苦しむことないんだなって思ったからなんだ」

そしてこう続けた。

「まいはちゃんと幸せになるんだよ」

『そんなのわかんないよ』

冷たくあしらった。


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