Donington UKに寄せて

Nijiから初リリースとなる二枚組みCDについて、レビューが載っていました。

評価: A ですって。

Niji Entertainmentはロニー・ジェイムス・ディオが胃ガンに倒れる前に設立された。
実際、今回のリリースでは、ロニーはエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている。
ロニーは、自分が死にゆく時に、彼の遺産を妻でありマネージャーであるウェンディ・ディオと、親しく信頼のおける友人たちに、良い形で残していきたいと、強い想いを抱いていた。
これはロニーにとって非常に重要なことであった。なぜなら音楽と彼のファンは彼にとってとても大切であり、例え墓の向こうからであっても、彼が与え得る限りのものを確実に残したいと考えていたからだ。

DIO at Donington UK: Live 1983 & 1987は、単に経年による劣化を免れただけではない。数万人のメタルヘッドたちの前で歌い、プレイし・・・彼が最善を尽くして創り上げたDIOを時間を超越して振り返ることのできる作品である。
コンサートはオリジナル録音からリマスターされたものであるため、音質は最高級だ。
どちらのディスクにも最高のセットリストがラインナップされている。
2枚のうち1983年のディスクがより素晴らしいのは、このコンサートが古典的なDIOのラインナップで、ロニーと共にギターにヴィヴィアン・キャンベル、ベースにジミー・ベイン、ドラムにヴィニー・アピス、キーボードにクロード・シュネルを擁したオンステージだからである。

DoningtonはMonsters of Rock Festivalのホームであった。
そして1983年の出演は、DIOのデビューアルバム、Holy Diverのプロモーションを兼ねたものであった。
メタル業界全体が、彼がElfやBlack Sabbath、Rainbowといった単なるバンドのフロントマンであることを辞めて、自らのバンドを率いてどんなことをやるのか固唾を呑んで見つめているという時に、ロニーにはそれをやってのけるだけの度胸があった。
DIOは安定していて、既にステージのベテランであったため、彼はそうしたファンの疑問に対する答えを知っていた。彼はただ出て行ってそれを証明すればよかったのであり、Donington以上にDIOにとってそれにふさわしい場所は他になかった。

セットリストには"Stand Up and Shout," "Man on the Silver Mountain," "Children of the Sea," "Rainbow in the Dark," "Heaven and Hell" and Straight Through The Heart"などが含まれている。観衆はうなるような大声を上げてこれに応え、彼らは突然にDIOについていかざるを得ないという思いに捕らわれたのである。

1987年には、ロニーは自身のソロバンドをDoningtonの特別ゲスト席の高みまで連れて行った。バンドはBon Joviの前に演奏をした。
Bon JoviとDIOの前には、Cinderella、W.A.S.P.、Anthrax、Metallicaが演奏した。
またもやバンドは、"Last In Line," "Neon Knights," "Long Live Rock 'n' Roll" and "Rock and Roll Children"といった数多くの古典的名曲を含めたセットリストで観衆を燃え上がらせた。

メタル界はロニー・ジェイムス・ディオを失ったかもしれないが、彼の遺産は素晴らしい形で生き続ける。なぜならファンがそれを楽しむことができて、我々の愛する音楽においてロニー・ジェイムス・ディオの重要さを思い出すことができるのだから。
彼は偉大なフロントマンであり、ヴォーカリスト、作詞家であっただけでなく、時間を費やしてファンに会い、外へ出て行ってファンに感謝をする男だった。彼は音楽を愛したが、それを共に分かち合える人々をも愛していたのだ。

By Jeb Wright