愛しのロニー/My Dearest Ronnie

LONG LIVE RONNIE JAMES DIO。永遠にあなたを愛しています。

ヴィヴィアン最新インタビュー 後編 2017年3月4日

2017年03月10日 19時59分52秒 | DIO

珍しくオンタイムでUPしているヴィヴィアンインタビューの後編です。長いよー。


>そしてそれから間もなくしてあなたのDIOでの活動は終わりを迎えました。全員がこれ以上は一緒にやっていけないと思ったのはどの時期でしたか?

俺はDIOの悩みの種だったのさ。82年にロンドンでDIOが結成された時、セッションの後にロニーは俺たちを座らせたんだ。あれは俺たち全員が最初に介した時だった。ロニーは俺たちを座らせて、自分が聴いたサウンドに物凄く興奮していた。彼は実は・・・といって事情を説明し始めたんだ。彼はヴィニーと共にサバスを脱退したが、レコード契約が残っているので、バンド名を'DIO'にすると言った。明らかに知名度のためにね。それから俺たちは一緒に曲を作っていくけれど、金は入らないから文字通り週給100ドルでやっていくことになると言った。俺たちはその通りにしたんだ。ただしこのプロジェクトが3枚目のアルバムまでに成功したら、俺たちは完全に対等の立場になると彼は言った。俺はその言葉を決して忘れなかった。でもみんなは金の話を簡単に片付けるんだ。

でもこれは金の話なんかじゃなく、俺にとっては基本的な事だったんだ。そうだろ?俺は言動一致を大事にする人間なんだ。誰かが俺の目を見て俺の手を握って互いに何かに合意したら、俺は最後までそれを守るよ。つまりDIOは合意したことを守らなかったってことさ。今にして思えばあの時何が起きたのか明確に分かるよ。ロニーはこの情報をウェンディと全く共有していなかったんだ。そしてウェンディはバンドに何の価値も見出さなかった。彼女が関心を持っていたのはロニーのことだけで、ロニーなら彼の後ろでギターとベースとドラムを演奏するミュージシャン3人なんていくらでも集められるし、それでいいと考えていたんだろう。でも実際にロニーはバンドはそれぞれのパートの集合体だと分かっていた。

3枚目のアルバム製作の時、さっき言ったようにロニーはウェンディと別れようとしていて物凄く暗い状況だったんだけど、アルバム製作が始まる時にロニーに基本的なことについて話したいと言ったんだ。俺たちは今3枚目のアルバムに取り掛かっていて・・・このときまでにバンドは大きな成功を遂げていると思っていた。俺たちは何百万枚ものレコードを売り上げてきたけど、ヴィニーとジミーと俺自身はそこから全く収入を得ていなかった。他にも色んな商品、俺たちの名前やロゴの入ったTシャツなんかを数十万ドル分も売り上げてきたけど、そこからも1ドルも得ていなかった。俺たちは何百万枚ものチケットを売ったけど、収入は無しだった。俺たちはツアースタッフよりも安い給料で働いていた。でもそれで良かった。俺たちが好きでやってる仕事だったし、情熱を賭けたプロジェクトだったから最後までやることに合意していたし、3枚目のアルバムまでには対等な立場になると分かっていたから自分の身を捧げていたんだ。ロニーが俺たちにそう約束していたからだ。それに俺は失うものもなかった。独身で子供もいなかったし、家すらなかったし、抵当に入れてるものもなかったし、それ以上価値あるものなんてなかった。

俺はただ「ロニー、俺たちは話し合わなきゃいけない。3枚目のアルバムなんだ」と言いつづけたんだ。するとロニーは「OK、アルバムを完成させて、それからウェンディと一緒に話し合って解決しよう」と言いつづけた。だから俺たちはアルバムを作ったし、ツアーに向けてリハーサルを始めて、もう一度ロニーにその話を持ち出したんだ。「ロニー、本当に話し合いが必要なんだ。3枚目のアルバムなんだから」って。彼は「OK、とにかくリハーサルをやろう。ツアーに出たらウェンディと話し合おう」と言った。だから俺たちはリハーサルをしてツアーに出て、俺は再び話を持ち出して、彼は先延ばしにし続けた。その後北米ツアーの後に休暇があって、それからイングランドでツアーを再開することになっていた。

だから俺はその間に家族に会いにアイルランドに行こうとしていたんだ。アイルランドに着いてすぐにウェンディから契約書がFEDEXで届いた。彼らは週給をあと数百ドル上乗せするというオファーをしてきて、契約書にサインをして返送するように言ってきたんだ。48時間以内に返送しない場合は、即バンドを解雇するという意味のことが記載されていた。俺はロニーに電話で連絡をしようとしたけど、彼は電話に出なかった。それで終わりさ。気がついたらクレイグ・ゴールディがバンドに加入していて、バンドは彼と一緒にイングランドでツアーをしていたんだ。ロニーはプレスのインタビューで俺がバンドを辞めたと話していたけれど、それは全くの誤りだ。俺は彼に約束を守って欲しかったばっかりに、ツアーの途中でバンドをクビになったんだよ。結局のところ話はここに尽きるわけだけど、ロニーは自分の妻にボールを投げなかったんだ。彼はウェンディに対して、「俺はこういうことを彼らに約束した、この通りのことをする、この通りにしなくちゃならない」と言って立ち向かうことをしなかったんだ。俺はバンドがその後もずっと同じだったとは思わないよ。そしてもしもロニーが側にいて正直であったとしたら、彼は約束があったことを認めたと思うんだ。そしてもしもロニーがまだ生きていて、もしウェンディが彼のマネージャーじゃなかったとしたら、俺は再びDIOで一緒にやっていたとも思うんだ。何年も前にそうしていただろうと思う。結局、ウェンディはバンドに価値があるとは決して思わなかったんだ。

>もしもウェンディ・ディオがマネージャーでなかったら、あなたのDIOでの在籍期間は伸びていたと思いますか?

間違いないよ。100%ね。俺はバンドを去らなかっただろうし、クビになることもなかっただろう。

 >そんなことを聴いたら頭がおかしくなりそうです。DIOにいたことを振り返って、あなたは複雑な感情を持っているように思いますが、DIO時代のことをどう感じていますか?

今は10年、15年、20年前と比べて全く違う想いでいるよ。数年バンドに渾身の思いで身を捧げてきた挙句ツアーの途中で解雇されたのに、会見では俺がバンドを脱退したという誤った発表をされ烙印を押されて、ひどく傷ついた。でもどうすることも出来なかった。公平に見て、俺は大バカだったからロニーを激しく非難したわけだ - 俺たちはメディアで互いに意地の悪いことを言い合うという過ちを犯したけど、それは決していいやり方じゃなかった。だけどこの数十年のうちに色々なことが起こった。第一にロニーは亡くなって、過去のことになった。もう終わったことなんだ。俺は今じゃDIOのレコードを持ってもいないし、聴きもしない。あまりに後味が悪くて、長年このジャンルの音楽と関わりたいと思わなかったから。でもロニーが亡くなった今、少しは考えることができるようになってきたんだ。

俺がハードロックに戻って、再び前みたいにギターを弾きたいと思えるような出来事がいくつか起こった。最初は2010年と2011年に、スコット・グラハムがTHIN LIZZYのツアーでギターを弾いてくれないかと頼んできたんだ。THIN LIZZYと言ったら俺が若い頃一番影響を受けたバンドだったから、ステージで'Black Rose''Emerald'を演奏していると再び10代に戻ったようで、当時の初恋を思い出したんだよ。それでツアーが終わると、もう一度あんな風にギターを弾きたくなったんだ。俺はジミーに電話してヴィニーにも連絡して、音を出そうといってスタジオに入ったんだ。ただ楽しくギターを弾きたくてね。そこから事態が展開していったんだ。ジャムをしていたらヴィニーが次回はアンディ・フリーマンていうすごいシンガーがいるから一緒にジャムってみないかって言ったのさ。シンガーがいたほうがジャムるのはずっと楽しいだろうって思った。そしてアンディの歌を聴いてみたら、間違いなくDIOサウンドなのに全く別のシンガーが歌っているじゃないか。俺は昔の曲を表に出す面白い方法だって思った。

俺の考え方はどんどん変わっていったよ。ロニーは亡くなって充分な時間が過ぎていたから、自分の人生の中であの時期をどう位置づけたらいいか考えたんだ。ロニーにとってそうだったように、俺にとっても創造的なプロジェクトだった。バンドはDIOという名前だった。だけど俺たち全員で一緒に楽曲を作ったんだ。俺たちみんながその一部だった。ジミーのものであり、ヴィニーのものであるように俺のものでもあった。俺はこういう考え方を数十年自分の中から追い出していた。そして最近になってそのことを思い出して、全く別の見方をしているんだ。それに多分自分がその1,2年後にガン宣告をされたこともあって、人生全般において考えるようになったんだと思う。俺はその全てを楽しんでいるし、昔のようにギターを弾くことをすごく楽しんでいるんだ。

レスポールを嫌というほど弾き倒すのが俺の人生で最高の事の一つで、ジミーとヴィニーと演奏しているときはいつも最高の高みに達していたんだ。ヴィニー・アピスは今までで一番心を揺さぶるドラマーだ。ヴィニーが俺の後ろで叩いていると、俺は本当に高まっていくのさ。ヴィニーと再び一緒に演奏できるのは本当に素晴らしいことだし、亡くなる前までジミーと一緒に出来たことも素晴らしいことだった。そして若かりし頃を思い起こして、さっきも言ったように根底にある情熱に回帰できて、あの時のようにギターを弾けることは素晴らしいことだ。そこからの展開で、LAST IN LINEで新しく曲を書いたりレコーディングすることができて、とても楽しいんだ。ネットで'金の為にやってる'なんて人が言ってるのを読んだけど、みんなまるで分かっちゃいないよ。俺は金稼ぎのためにやってる訳じゃない。儲けだってちっともないんだ。ただただ好きでやってるだけなんだ。

11月には欧州ツアーをやったけど、往復の航空券は自分で買ったよ。俺のローディーは俺だし、どのライブもチューニングは自分でしてるよ。好きでやってることだからそうしてるんだ。ギターを弾くことに情熱を感じるから、そして最高にうまく弾けるからやるのさ。デフレパードとは全然別の筋肉を使うんだ。レパードは素晴らしいライブショーだけど、俺は歌うことに遣り甲斐を感じるんだ。全ての曲で俺たち全員が歌う物凄くヴォーカルを前面に出したバンドだからね。LAST IN LINEではギターを弾くことに遣り甲斐を感じるよ。LAST IN LINEでは歌うことさえしないし、歌いたいとも思わないんだ。DIOでは歌ったことは一度もないし、ただのギタープレイヤーだったから、LAST IN LINEでも俺はそれに徹しているんだ。頭を下げてレスポールを嫌ってほど弾き倒しているのさ。

>LAST IN LINEでは新しい曲を製作しているのですか?

そうなんだ。今日も彼らと曲作りのセッションに向かう所なんだ。既に何曲かは作ったよ。アルバムの2/3の曲は出来てるんだ。素晴らしい出来栄えだよ。曲作りの点でPhil Soussanとうまくやれるのかわからなかったんだけど、彼が馴染んでくれてとても嬉しいよ。彼は俺たちの曲の作り方を完全に掴んでくれて、フィルが入ってとてもうまくいってるんだ。曲はとてもいい出来栄えだよ。アンディは物凄い歌詞とメロディを作ってるし。俺たちは同じチームで続けていきたいんだ。'Heavy Crown'ではジェフ・ピルソンと製作をしたけど、ジェフは実に素晴らしい手腕を発揮してくれたから、このまま続けていきたいんだ。これはいいニュースだ。悪いニュースとしては、ジェフのフォーリナーとのスケジュールと、俺の今年のデフレパードとのスケジュールの関係で、実際にレコーディングを始められるのが9月以降になりそうだってことで、そうなると残念なことにリリースが2018年の初めになるだろうっていうことさ。だけどいつかは出るわけだからね。

 >LAST N LINEは東海岸を訪れるようですが、今回が初めてですか?

そうなんだよ!多くの人たちからリクエストが来ているのは知っていたんだけど、最初に言ったように金銭的なことがあるからね。プライベートジェットでポンと飛んでライブをやるようなわけにはいかないんだ。そんなにうまくはいかないんだ。うちはクラブレベルのバンドだからね。俺たちは大して儲かっていないから、ライブをやるのは金銭的にすごく苦しくて、西海岸をベースに活動しているんだ。最近まではずっと西海岸でだけ活動していて、去年11月にやった欧州ツアーは例外だったんだ。だから随分遅くなってしまったのは分かってるけど、東海岸のツアーには多くの支援をもらったし、大勢の人々が長いこと待っていてくれたから。やっと実現できて良かったよ。本当に少ない数のライブだけど、やらないよりずっといい。やりたいわけだしね。

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いやいや・・・。ひっくり返りましたよ。やっぱりね、とも思うけど。年月とは人を変えるものですねえ。聴きました?「ロニーが生きていてウェンディがマネージャーじゃなかったらDIOにいた」って。本当はどれだけDIOを愛してるんだよ、ってことですね。

そして勇敢なことで有名なロニーが、ウェンディに対してだけは最後まで全く頭が上がらなかったということが非常に無念・・・。まあこれはヴィヴィアン側からだけ見た真実なので、ロニーが生きていたら違うことを言うと思います。それでもロニーがウェンディにベタ惚れだったのも事実。でも考えるほどに、ウェンディと離婚したときに、マネージャーも辞めていたらどんな展開だったんだろうとか、替わって入ったクレイグはどんな気持ちだったんだろう、これを読んでしまったらどう思うんだろうとか。同じように薄給で働いていたジミーとヴィニーはなぜ声を挙げなかったんだろうとか。結局今だってLAST IN LINEの活動はカツカツで当時と変わらないじゃないか、とか。

ああ・・・時よ戻れ・・・


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4 コメント

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Unknown (ES335TDC)
2017-03-11 10:27:10
Riko さん


こんにちは、335です。ヴィヴのロニーの話、本人の口からこうハッキリと語られると改めて感じる物があります。

特にヴィヴの場合、DIO脱退後のホワイトスネイクでの待遇という比較対象を得た事で、DIOはおかしい…と感じた時のショックが余りにも大きかったのでしょうね。憧れていた人に裏切られたかのような感情を持ったでしょうし。

ジョン・サイクスとカヴァデールも白蛇で上記の二人と似たような関係ですが、サーペンスの特大ヒットもあり、少なくとのジョンの金銭面での条件はヴィヴ並みではないでしょう。

ヴィヴの気持ちも解るよなぁ…とは思います。
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>335さん (Rikoq)
2017-03-11 23:54:13
コメントありがとうございます。
今頃本人の口から語られると、結構衝撃ありますよね。
ロニーが生きていてウェンディと一緒にいるうちは絶対に語らなかったことなんでしょうね。酷く傷ついたから心を閉ざして、音楽まで閉ざしてしまった。自分が本当に弾きたいギターを何十年も弾けなくなってしまった。
この点においてDIO側は罪が大きいなあと思います。ロニー自身が金銭のことに絡んでいたなら、約束通りにしていた可能性が高いし、ロニー自身ががめつかったということじゃないと、ヴィヴィアンは気づいたんでしょうね。
でももしそこまでロニーが自分でやっていたとしたら、音楽には専念できないし、ツアーの手配やステージの特大セットやプロモーションにかける費用を捻出することは出来なかったかもしれない。
前にウェンディがヴィヴィアンについて、「彼は多くを望みすぎたわ。ロニーとは違う」と言っていましたね。歳とか知名度でそういう扱いをしていて、今でもそう思っているわけです。
ロニーはなんでウェンディが好きかなあ?????
なんでそこまで頭が上がらないかなあ?????
・・・ここ人の好みでありながら、マネージメントをさせているとなるとバンドを左右するわけですあkら重要な点です。他人がマネージメントをしていたら、違う展開だったんじゃないのかなあ。。。。(妄想は続く)
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Unknown (ニキ)
2017-04-10 19:22:07
Rikoさまこんにちは。長文の翻訳お疲れ様です!
すごいなぁ。どんどん言うことが変わってきてますね、Vivian。もういっそのことDio DisciplesとRessurrection KingsとLast in Lineと、みんな一緒にステージに上がっちゃったらいいのにねぇ。その方がファンだって喜ぶはずですし。
マネージメントに関しては、私も昨年のRonnie James Dioホームページ消失事件と、さらにRikoさまから聞いた掲示板消失事件のことがあるので、何やら複雑な心境になってまいりました・・・何がしたいんでしょ??
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>ニキさん (Riko)
2017-04-16 21:28:09
コメントありがとうございます。
ねえ。これだけ発言が変化してくると、びっくりしてしまいますけど、環境の変化と共に思い出す景色が変わったり、捉え方が変わったりしてくるのでしょうね。人間てそんなものかも。それほどヴィヴィアンはDIO時代を直視できずに何十年かを過ごしてきたのかもしれませんね。
でもそこここに金とプライドが絡んでいる気配がするし、ヴィヴィアンからしたら正真正銘のDIOは自分だと思っているようだから、クレイグたちと一緒にやることは絶対にないでしょうね。ヴィニーは自由にどっちのバンドにも出てますけどね。ヴィニーの方が分かりやすく金と仕事のために動いてるんじゃ??LAST IN LINEでは食べていかれないようですし。
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