スシの暗黒狂

挫折した理系人の狂的科学空間

不動産のリスク

2005-12-03 17:34:02 | 政治・経済
耐震診断書偽造問題についてもう少し書きたいと思う。
「信州の賢人」こと斉藤さんのブログ文系不要論さんのところでも書かれているが、もういい加減日本人は「不動産真理教」の洗脳から解放されてもらいたいもんである。
日本人が組んでいる不動産のローンがいかにリスキーであるかはこちらの本が詳しいが、これの親本が出版されたのは1999年11月である。まだ小泉内閣も発足していなかった。
このとき既にこの本の著者は現在盛んに言われている様々な経済的問題について極めて簡単かつ明瞭に直言している。
その中に不動産を持つことのリスクと、なぜ未だに日本人は不動産を持ちたがるのかについて述べられているが、それよりも今回の事件で多くの一般人に解ってもらいたいことはこの本の中にも書いてあるが
「借金して株を買うのも借金して不動産を買うのも経済行動としては全く同一ですよ」
ということをきちんと認識してもらいたいということだ。
少し乱暴に言うと、
借金してヒューザーのマンションを買ったらそれがとんでもない欠陥マンションで、「マンションの代金返せ!」と言ったらヒューザーが破産して返せなくなり結局借金だけが残った。
というのと
借金して株を買ったらその会社が倒産して株の価値がゼロになり結局借金だけが残った。
というのは経済的には全く同一の現象でしかない、ということである。
ところが、たいていの日本人は(マスコミも含めて)前者を被害者扱いし後者を自己責任だと言って見捨てる。
私に言わせれば「両方とも自己責任であろうが!!」と突っこみたいところである。
無論、上記の話は情報開示の問題もあるので単純に同一だというのには無理があるのだが、大まかにいうとそういうことである。
私は工学部出身であるが、この程度の経済学はすぐに理解できる。
日本では一応経済学は文系のカテゴリに入っているはずであるが、文系人というのはこの程度のことも理解できないのであろうか?